Author Archives: HiroAOKI

イングランド人が演じるスコットランド人~『The Water Horse』で楽しみながら英会話マンツーマンレッスン

51xJxirU%2B9L._SS400_.jpg スコットランドの湖と言われてすぐに思いつかない人でも、海獣ネッシーがいるネス湖(Loch Ness)と聞くその情景まで思い浮かぶのではないでしょうか。そのネッシーの伝説を描いたのが映画『The Water Horse: Legend of the Deep』です。

 実際に撮影が行われたのは、ネス湖ではなくニュージーランドのワカティプ湖。老人になったアンガス・マクマロウを演じたブライアン・コックスさん以外、主要の役者さんはイングランド出身のようですが、皆スコットラン訛りで演技をしているようです。

 「ペットは禁止」と言う母親に、生まれたばかりのクルーシャル(ネッシー)の存在は内緒です。このシーンは、あわててクルーシャルをトイレの中に隠してしまったところです。使用人のモーブリーは、ごまかそうと必死です。クルーシャルの泣き声を、トイレの配管のつまりのせいだと説明しています。次の台詞に注目してください。

   Angus was a great help.

 スコットランド英語では二重母音の/eɪ/が下記のように変化します。

   /eɪ/ ⇒ /e/

 上の台詞の、greatも、敢えてカタカナで書くと「グレイト」ではなく、「グレート」もしくは、「グリート」のように聞こえます。

刑事ドラマファンにお奨め~『Taggart』(刑事タガート)で楽しみながらマンツーマン英会話

MV5BMTExODkwMDczODZeQTJeQWpwZ15BbWU3MDI3OTE3MzE%40._V1._SY317_CR6%2C0%2C214%2C317_.jpg 「英会話上達には映画よりもテレビ番組がお奨め」。そうアドバイスしてくれたのはETCマンツーマン英会話のブレンダン先生です。

2011-05-29 23:19:50

 映画は英会話の勉強になったとしても、長くても2時間程度。一方、テレビ番組はシリーズ物になれば、10時間、20時間となり、勉強にないそうな会話もどんどん増えて行きます。また、なによりも内容に夢中になれると、次から次へと続くドラマ展開に没頭する内に、英語の勉強にも継続性が生まれて行きます。

 刑事ドラマファンで、スコットランド英語に触れてみたい方には、『Taggart』がお奨めです。スコットランド、グラスゴーが舞台。1985年に放送が始まり、現在シーズン27。109のストーリーが楽しめます。

 

 長寿番組でもある『Taggart』。映像はその番組紹介のドキュメンタリーです。

 

※関連サイト

 ▽Taggart

グラスゴー訛りに挑戦~『Rab C Nesbitt』で笑いながらマンツーマン英会話

51HCN92T3HL.jpg 『Rab C. Nesbitt』は、1988年に始まったBBCスコットランドのコメディ。ブラックユーモアー満載のようです。舞台はグラスゴー。主人公のRab C. Nesbittは、失業者があることが彼の人生だと信じています。

言語は英語とスコッツ語の混合。下記の映像はNesbittが、Job Centerにやり取りをするところですが、担当者は英語、Nesbittはスコッツ語で話をしています。

スコットランド人がスコットランド人以外の人々と英語で話すときに喋るのがスコットランド(標準)英語。少々難しい部分はありますが、理解できるでしょう。スコットランド人同士が喋るときに使うのがスコッツ語。これにスコットランド人以外は、まず理解不可能とのこと。日本にたとえて、日本の標準語と東北弁のようなもの、と言う人もいます。

下記のスケッチも、英語はなんとか聞き取れますが、スコッツ語は不可能でした。また、Nesbittの言葉の中に、この時代に対する批判を込めたブラックジョークがちりばめられているようです。次回、ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生のレッスンで、質問をしてみることにしました。

ビートルズファンにお奨め~『Takin’ Over The Asylum』で楽しみながらマンツーマン英会話

Takin' Over The Asylum ETCマンツーマン英会話 「テレビドラマで英会話上達の秘訣は、夢中になれる番組を探すこと。好きな俳優が出演しているとか、ストーリー展開が面白いとか、SFのもが好きとか、ラブストーリーが好きとか。何でもかまいません。テレビドラマは連続物が多いので、毎回欠かさず見てしまうような番組に出会うことができれば、勉強も継続できるので、しめたものです」と、アドバイスをしてくださったのはETCマンツーマン英会話のブレンダン先生です。

 そこで今回は、音楽好き、特にビートルズファンの方にお奨めのドラマ。BBCスコットランドの『Takin’ Over The Asylum』です。「Asylum」というのは、(精神障害者などの保護施設のこと。大病院の放送局でDJを務めていたEddie(Ken Stott)がクビになり、グラスゴーの小さな精神病院内のラジオ局へ飛ばされてしまうところから第一話が始まります。六話完結ですが、毎回ビートルズの楽曲等が、エピソードのタイトルにもなっていて、ストーリーも曲の内容とどこか重なってゆきます。

 

Episode

 1″Hey Jude”

 2″Fly Like an Eagle”

 3″You Always Hurt the One You Love”

 4″Fool on the Hill”

 5″Rainy Night in Georgia”

 6″Let it Be”

 Ken Stottはエジンバラ生まれ。彼が演じるDJ、Eddieの本職(?)は窓枠の営業マン。独身でお婆ちゃんと二人暮しです。病院の患者さん、会社の上司と同僚、そして「早く結婚しなさい」とEddieの顔を見るたびに愚痴をこぼす婆ちゃん等、それぞれ色々なタイプのスコットランド英語が楽しめます。

 David Tennantさんが演じる患者のCampbellはDJになるのが夢。次から次へと機関銃のように発せられる彼のスコットランド英語も聞き物です。

 毎回、ちょっと考えさせらてしまう内容ばかりですが、使用されている楽曲も心地よく、一気に六話まで見てしまいました。

ミステリー小説ファンにお奨め~『Hamish Macbeth(マクベス巡査)』でじっくりとマンツーマン英会話

Hamish Macbethマクベス巡査 ETCマンツーマン英会話  英会話の上達には、映画よりもテレビドラマがお奨め。こうアドバイスをしてくれたのは、ETCマンツーマン英会話のブレンダン先生です。たとえばアクション映画はアクションが主体で、肝心の会話が少なめだったりします。使用される言葉も、スラングが多すぎて、一般的な会話の勉強には向いていないこともあります。一方、テレビドラマでは不適切な言葉などはできるだけ使用しない傾向がありますので、英語の表現を覚えるのには最適と言えます。

 スコットランド英語に触れてみたい方で、ミステリー小説ファンにお奨めのテレビドラマが、『Hamish Macbeth』(マクベス巡査)です。舞台は、Lochdubh(ロックドゥ)という架空の村。ゲール語で「黒い湖」という意味です。実際の撮影は、ハイランド地方の小さな村、Plockton(プロックトン)等で行われました。マクベス巡査の自宅の窓から見える湖、Loch Carron(キャロン湖)が印象的です。

 同地方は、スコットランド・ゲール語圏。第二話では、子ども達が学校でゲール語を習っている様子が登場します。マクベス巡査の駐在所を管轄するのはインベーネスにある本庁。インベーネスには、あのネッシーで有名なネス湖(Loch Ness)があります。

 ハイランド地方の神秘的な風景の中で起こるミステリアスな事件、その謎を解くマクベス巡査の姿にどんどん引き込まれてゆきます。主演は、グラスゴー出身のロバート・カーライル(Robert Carlyle)さん。映画『Trainspotting』では、ベグビーを演じていました。

Season 1, Episode 2: A Pillar of the Community

 ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生によれば、インベーネスの人々はロンドンの人々よりもきれいな英語を話すとのこと。地域的に他の言語の影響を受けずに、英語が浸透したからとのこと。それが理由なのかどうかは分かりませんが、マクベス巡査以外の登場人物の殆どは分かりやすい英語を話してくれます。

※関連リンク

Hamish Macbeth

※関連ブログ

 ▽スコットランド周遊計画!

 ▽Plockton 2009

ゲール語で”乾杯”は?~映画『Local Hero』でじっくりと英会話マンツーマンレッスン

414K4BVGPQL.jpg コアなファンが多いスコットランド映画『Local Hero (ローカルヒーロー)』(1983年)。BBCの人気番組『The thick of it』で主演を勤めるピーター・キャパルディも出演しています。当時は25歳でした。

 アメリカ・テキサス州の石油会社が、スコットランドの海岸線にある村の用地買収に乗り出します。辞令を受けたのは、その名前からスコットランド人と誤解されたマッキンタイア(MacIntyre)。マッキンタイアは、スコットランドのゲール語圏に多い名前だそうです。現地に赴き、地元の人々と触れ合い、シャワーのように降り注ぐ流れ星を見て、魔法のようなオーロラに感動しているうちに、いつしかその土地を愛してしまうというストーリです。

 村でのシーンのほとんどは、スコットランドの北部にある漁村ペナンで撮影されました。この地域はスコットランド・ゲール語圏です。現在の村の風景は、写真で見る限りでは、映画が撮影された約30年前と殆ど変わっていないように見えます。ただ、この50年でも先住の人々は殆ど引っ越してしまい、現在は別荘地となっているようです。ゲール語を話す人の数が減少し続けいているのは、人々がその土地から離れてゆくことにも原因がありそうですね。

 日本はどうでしょうか。今も30年前と変わらぬ風景の土地は、どれほどあるのでしょうか。今の風景を30年後も保ち続けることは可能なのでしょうか。流れ星が見られること、月明かりだけが照らす風景が見られること、お金では買うことができない、そんな風景の大切さを、もう一度考えてみる時代が訪れていると思います。

 映画ではアメリカ人のマッキンタイアが、乾杯をゲール語でSlainte(スラーンチャ) everybody と言って、現地の人々がきょとんとしてしまうシーンです。現地の人々は、普通に英語でcheersと答えていますね。その間にいるのはロシア人。彼はロシア語で、здоровье (ズダローヴィエ/健康を祝して乾杯)と言っています。ピーター・キャパルディ演じるOldsenは複数の言語を流暢に話すという設定。なぜか北欧の言葉でSkal(スコール)と言っています。

 映画音楽は、もとダイア・ストレーツのボーカル兼ギタリストのマーク・ノップラー(Mark Freuder Knopfler)。彼もスコットランド人、グラスゴー生まれでした。

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー

 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)

 ▽コリン先生(目白)

 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)

 ▽アリソン先生(生田)

 ▽ジェンマ先生(代官山)

 ▽ジョン先生(等々力)

 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※関連リンク

 ▽Local Hero (1983) – IMDb

  監督、プロデューサー、出演者のインタビュー

  BBCで2009年に放送。皆さんいい感じで歳を取っています。

 ▽Scotland: the Movie Location Guide

※関連ブログ

 ▽川越名画座

 ▽Alchemy : Dire Straits Live

 ▽LOCAL HERO

 ▽Local Hero [Soundtrack] / Mark Knopfler

 

Peter Capaldiさんのスコットランド英語~『The Thick Of It』で笑いながらマンツーマン英会話(2)

The Thick Of It ETCマンツーマン英会話 BBCの大ヒットコメディドラマ『The Thick Of It』。Malcolmの指示に従って、記者会見を何とか乗り切った大臣のHughでしたが、状況が変わってしまったようです。ことの発端は首相が言った”should”は、”yes”という意味ではないということでした。

 この場面では、今度は Hughがshouldを使ってMalcolmを攻めようとしますが、なんなくMalcolmにやり込められています。そこからはshouldのオンパレード。Malcolmはshould を全く別の意味(F-word?)で使っているようにも聞こえます。

 さて、このshouldの発音ですが、イギリス標準英語では

   /ʃəd/

 のように唇を丸めずに発音します。一方スコットランド英語は

   /ʃud/

 のように唇を丸めて発音する傾向があるようです。

 イングランド人のHughはあまり唇を丸めずに発音しているのに対して、強調して発音しているためか、その傾向が強くなっている可能性はありますが、スコットランド人のMalcolmは唇を突き出して丸めているのが分かります。 ]

Malcolm Tucker: I’m hacked off, mate.

Hugh Abbot: But we killed it, it’s killed.

Malcolm Tucker: Yeah, “but once you start the fire, Malc, and we didn’t start the fire, it’s always burning since the world’s been turning” et cetera, et cetera…

Hugh Abbot: So… Malcolm, you’re not making any sence.

Malcolm Tucker: Prime Minister, obviously, he’s on the plane in Stokholm, someone hits him with The World At One. He thinks it’s the Treasury trying to stiff him one so he… he stuck with the story.

Hugh Abbot: He liked it?

Malcolm Tucker: Yeah, he’s backing the Snooper Force.

Hugh Abbot: Oh, right! We shouldn’t really then… You shouldn’t really have told us to… Should you?

Malcolm Tucker: Don’t should me, Hugh, ‘cause I’ll should you right back. I’ll should you right through that window! None of this should be happening, should it? Should it?

Hugh Abbot: Is that “should” in a sence of “yes”?

Malcolm Tucker: It’s “should” in a sence “you should do as you’re fucking told”!

Hugh Abbot: So what are we gonna do now?

Malcolm Tucker: You’re gonna completely reverse your position.

Hugh Abbot: Hang on a second… Malcolm…

※参考図書

 ▽英語音声学音韻論入門 (Philip Carr 著)

※関連サイト

 ▽The Thick of It IMDb

※関連ブログ

 ▽Go Johnny Go Go Go Go!! ~本物の笑いとイケメンは国境を超える~

 ▽IN THE LOOP – 岡本太陽

スコットランド英語”should”の発音~『THE THICK OF IT』で笑いながらマンツーマン英会話(1)

51Tv6B5b99L.jpg BBCの大ヒットコメディドラマ『THE THICK OF IT』。最初に見たときはシリアスな政治ドラマかと思ってしまいましたが、内容が分かってくると、これがなかなか笑いが深くて後を引きます。
 ”thick of it”とは、「気の休まらない不安定な状況」というような意味。無理に笑わそうとするのでなく、人が不安な状況から抜け出そうと苦闘している姿が、実はこんなにも滑稽で、且つ愛すべきものなのかということを教えてくれました。
 そしてスコットランドのコメディアン俳優Peter Capaldiさんの機関銃のように飛び出してくる言葉の連打が素晴らしい。swearwordのオンパレードですが、人をひきつけるその言い回しは芸術的と感じてしまうほど。映画『Local Hero』では、若き日のPeter Capaldiさんが、人魚に恋をしてしまうちょっととぼけた若者を演じています。
 添付の映像は、Ministry of Social Affairの大臣を勤めるHugh Abbotが、首相の言葉を早とちりしてしまったことが判明した場面。 政府の危機管理及び広報担当のMalcolm Tuckerにその誤りを激しく指摘されます。

   Hugh 「首相は”それはまさに我々が行うべき(should)ことである”と発言された」

   Malcolm 「”行うべき(should)”というのは、”行う”という意味ではない」

 分かりづらい言葉使いをするのは、日本の政治家だけではないようです。

 ところで、このshouldの発音について。

 イギリス標準英語では

   /ʃəd/

 のように唇を丸めずに発音します。一方スコットランド英語では

   /ʃud/

 のように唇を丸めて発音する傾向があるようです。

 映像では、shouldを発音する際にHughはあまり唇を丸めずに発音しているのに対して、強調して発音しているため、特にその傾向が強くなっている可能性がありますが、Malcolmは唇を突き出して丸めているのが分かります。  

Hugh Abbot: Malcolm! 
Malcolm Tucker: What the fuck was that? Was this the whole Snooper Force thing from you? 
Hugh Abbot: Malcolm, I’ve talked to the PM and this is completely kosher as far as he’s concerned. He gave the go-ahead and he said, you know, bounce the Treasury. 
Malcolm Tucker: Don’t you realise, we have got 17 different issues we are fighting with the Treasury about? 
Hugh Abbot: I can hear that you are, as your usual, upset. 
Malcolm Tucker: I’ll tell you why I am upset. I’m upset because these fucking morons over at the Treasury, these people, they are so paranoid! If you don’t tell them about stuff like this, if you don’t even cc them on e-mail, they think you’ve started a palace coup! 
Hugh Abbot: Malcolm… 
Malcolm Tucker: You don’t seem to understand that I am gonna have to mop up a fucking hurricane of piss here from all of these neurotics! What did the Prime Minister actually say to you? 
Hugh Abbot: He actually said this is exactly the kind of thing we should be doing. 
Malcolm Tucker: What did he actually say? 
Hugh Abbot: He said this is exactly the sort of thing we should be doing. 
Malcolm Tucker: ‘SHOULD’ be doing. ‘Should’ does not mean ‘yes’.

Hugh Abbot: ‘Should’, does it mean ‘yes’? 
Glenn Cullen: Yes, “we should do this”. 
Hugh Abbot: When Tucker was talking to me ‘should’ didn’t mean ‘yes’. I mean it really didn’t. I felt like a fool.

※参考図書
 ▽英語音声学音韻論入門 (Philip Carr 著)

※関連サイト
 ▽The Thick of It IMDb

※関連ブログ
 ▽Go Johnny Go Go Go Go!! ~本物の笑いとイケメンは国境を超える~

スコットランドの歴史が分かる映画~『Braveheart』でじっくりとマンツーマン英会話

Braveheart ETCマンツーマン英会話 ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生に「スコットランドの歴史が学べる映画はありませんか」、と質問したところ、紹介してくださった映画の一つが『Bravehart(ブレイブハート)』です。メルギブソンが、スコットランドの英雄、ウイリアム・ウォレスを演じています。

 ただし、“Braveheart is so good one to learn, but it is not entirely true, I mean some parts are exaggerated, something never happened”と、先生からは要注意とのコメントがありました。(RadioETC/Podcasting「スコットランド英語が学べるコメディ映画」より) 。

 たとえば、『ブレイブハート』は、ウィリアム・ウォレスとフランス王女イザベラとのロマンスを描いていますが、実際には、イザベラは当時まだ9歳でフランスにおり、ウォレスとの面識はないとのことです。

 一方、1990年代半ばから盛り上がったイギリスからの「独立」をめぐるスコットランドの政治的な展望に、この映画が影響を与えたとも言われているそうです。

“for one chance, just one chance to come back here and tell our enemies that they may take our lives, but they’ll never take our freedom.”

 この映画をご覧になった方は、ぜひ「『Burnistoun』で笑いながらマンツーマン英会話(1)」のコントもご覧になってください。スコットランド人が二人が、自分達のスコットランド訛りの英語を理解しない音声認識機能付きエレベーターに腹を立て、最後には「Freedom!」と叫んでしまいます。

 これなどはまさに、『Braveheart』のウィリアム・ウォレスの真似をしています。観客の大爆笑を聞くだけでも、『Braveheart』がいかにスコットランドの人々の心の奥深く残っている映画だとうことが想像できると思います。

ジョニー・デップが演じるバリー氏もスコットランド英語~『Finding Neverland』で楽しみならマンツーマン英会話

ジェームス・マシュー・バリー ETCマンツーマン英会話

 友人のホーム;パーティで初めてスコットランド人にお会いした時、ある衝撃を覚えました。

 自己紹介で、”I am from UK.”と言わずに、”I am from Scotland”と言ったことでした。その当時の僕にはとても新鮮でした。ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生いわく、このような言い方は、スコットランド人の独立心の表れとのことでした。

 そして、その方のスコットランド英語が全くわからなかったことも、その後に受けたもうひとつの衝撃でした。以来スコットランドにとても興味を持つようになったのです。

 最近、「この方もスコットランド人だったのか」と、あらためて気づくことがよくあります。日本語の情報の多くが、スコットランド人としてではなく、イギリス人として紹介されている場合が多いからです。出生地を調べて、初めてその方がスコットランド人だとわかります。

 『ピーターパン』の作者であるジェームス・マシュー・バリーさんもその一人です。バリーさんのピーターパン物語が生まれるまでのエピソードを描いた『Finding Neverland (ネバーランド)』という映画があります。バリーさんを演じたのはジョニー・デップさんです。彼はがこの映画でもスコットランド英語を披露しています。

 例えば、スコットランド英語では二重母音の/eɪ/が下記のように変化します。

   /eɪ/ ⇒ /e/

 greatは、スコットランド英語では敢えてカタカナで書くと「グリート」のように聞こえます。

 また、イギリス標準英語はnon-rhotic(ノン・ロウティック) なのに対して、スコットランド英語はrhoticです。たとえば、bearは、イギリス標準英語では

   /beə/

と、rの綴りがあっても発音しませんが、スコットランド英語では

   /be:r/

となりrを発音します。
   
 『Finding Neverland』の予告編を見てみましょう。公園でバリーさんが、大きな犬と踊るシーンに注目してください。「これはただの犬なんかじゃない。ちょっと想像力を使うだけで、僕には大きな熊(great bear)に見える」と言っている部分です。「グリート・ベーアr」と言っているように聞こえませんか。




  Just a dog? 
  … with just a wee bit of imagination, I can see the great bear.

 ”a wee”はスコッツ語で、”a little”という意味です。

※参考図書
 ▽『英語音声学音韻論入門』 (Philip Carr 著)

※参考リンク
 ▽Scottish Online Dictionary

※関連ブログ
 ▽『ケジントン公園のピーター・パン』 - BiblioMania雪見
▽関連ブログ
 イギリス国旗とその成り立ち

ジョニー・デップが演じるマッド・ハターはスコットランド英語~『Alice In Wonderland』で楽しみならマンツーマン英会話

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映画『Alice In Wonderland』のでジョニー・デップさんが演じたマッド・ハターは、昔を回想する時、怒りがこみ上げた時、勇気を奮い立たせようとした時に、スコットランド訛りになります。内面から何か強い感情がこみ上げる時に、話し方が変わるのです。

例えば、これはチェシャー猫にマッド・ハターが怒りを爆発させるシーンです。後半は悪い言葉の連続のようですが。「」内は日本語吹き替え。

 - チェシャー猫
What happened that day was not my fault.
「あの日のことは俺のせいじゃない」

– マッド・ハッター
You ran out on them to save your own skin,
you guddler’s scuttish pilgar lickering schum juggling sluking urpal.
Bar lom muck egg brimmi!
「自分かわいさのために仲間を捨てたんだろうが。
この根性なしで、卑怯で、見下げはてたすっとどっこいの裏切り者が!恥知れ!」

ぜひ、本編で確認してみてください。この動画は予告編です。




心の内側からあふれ出る言葉にはスコットランド訛りを使用するとは、とても興味深いです。スコットランドの言葉は欧米の人々にはどのような印象で響いているのでしょうか。次回のレッスンで、ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生に質問をしてみようと思います。

ジョニー・デップさんは、『ネバーランド』でも東スコットランド、アバディーン地方出身者のジェームス・マシュー・バリーさん(『ピーターパン』の作者として有名)の役を演じていました。ジョニー・さん自身は、グラスゴー訛りに興味があったそうです。理由は「なんだか危険な香りがするから」とか。アクセントはスコットランドコメディの『Rab C Nesbitt』を参考にしたそうです。

『Alice In Wonderland』を題材に、ETCマンツーマン英会話のダイアン先生のレッスンを受けています。ぽっどキャスティングRadioETCで配信中です。こちらも、どうぞお楽しみください。

※参考リンク
Glossary of Terms For Tim Burton’s Alice in Wonderland
ジョニー・デップ インタビュー

Rab C Nesbitt inspired Mad Hatter accent says Johnny Depp

スコットランド英語”maid”の発音~映画『Gosford Park』でじっくりとマンツーマン英会話(3)

 関係がないと思っていた別々の事柄が、実は全てがどこかで繋がっていることに気づくことがあります。

 映画『Gosford Park』で、スコットランド人のメイド役を演じた女優ケリー・マクドナルド(Kelly MacDonald)さんも、そう思わせてくれた人の一人です。

 ケリーさんはスコットランド、グラスゴーの出身。 スコットランド出身の作家ジェームス・マシュー・バリー氏を描いた映画『Finding Neverland』にも出演されていました。映画の中に登場する舞台で、ピーターパンを演じています。そして、デビュー作はこれもスコットランド映画の『Trainspotting(トレインスポッティング)』です。

 『Gosford Park』では、新人のメイド、メアリー・マキーシュランを演じています。ヘンリー・デントンが喋るいんちきスコットランド英語と、彼女の喋りを比べてみると、本物のスコットランド英語にはどんな響きがあるのか、その違いが分かるような気がします。
 スコットランド英語では二重母音の/ei/が次のように変化します。

  /ei/ ⇒ /e/

 次の映像で、出演者が発音する”maid”に注意して聞いてください。他のイングランド人が

  maid /meid/

と、発音しているのに対して、メリーは

  maid /med/

と発音しているのが分かります。敢えて、カタカナで書くと「メイド」に対して、「メード」もしくは「メッド」と言っているように聞こえます。

 また、イングランド英語にはない、スコットランド英語独特のイントネーションも印象に残ります。慣れてくると、それが妙に心地良くもあります。

– What do you expect from a woman without her own maid?
 (メイドもいない女だもの。期待しちゃだめよ)
– Lady Lavinia says a woman who travels with no maid has lost her self-respect.
 (メイドもなしで旅行する女は落ちぶれ者)
– She calls it “giving in.”
 (ラヴィニア様の口癖よ)
– I don’t have a maid. I haven’t given in.
 (私にはメイドはいないは。でも落ちぶれてはいない)
– That’s different.
 (立場が違うわ)
– Why?
 (どうして?)

– What’s your name?
 (君 名前は?)
– I think here I’m called Trentham.
 (ここでは、ミス・トレンサムて呼ばれていると思います)
– No, I meant your real name.
 (本当の名前だよ)
– Oh. Mary. Mary Maceachran.
 (メアリー・マキーシュランです)
– Blimey. What does Her Ladyship call you?
 (うわ、難しい名前。伯爵夫人は君を何と?)
– Well, she should call me Maceachran, now I’m a lady’s maid. That’s what my mother says.
 (名字を呼び捨てするのが普通と聞いていますけど)
 But Her Ladyship can’t pronounce it, so she calls me Mary.
 (発音しにくいので”メアリー”と)
– I don’t blame her.
 (だろうね)

(*)
 「given in」 = 「お手上げ」、「望みがない」

 「blimey」 = 「これは驚いた!」「blind me!」を短縮した俗語、怒り、驚き、興奮などを表現します。

 スコットランドに惹かれる理由は、垢抜けない純朴さからくる安心感にあるような気がします。そして、それをケリーさんが演じてくれているのだと思います。

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー
 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)
 ▽コリン先生(目白)
 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)
 ▽アリソン先生(生田)
 ▽ジェンマ先生(代官山)
 ▽ジョン先生(等々力)
 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※参考図書
 ▽英語音声学音韻論入門 (Philip Carr 著)
 ▽クラース イギリス人の階層 (ジリー・クーパー 著)

スコットランド英語”about”の発音~映画『Gosford Park』でじっくりとマンツーマン英会話(2)

Gosford Park ETCマンツーマン英会話 「コックニーはイギリスの労働者階級の英語」と聞いた時に、すんなりと理解することができませんでした。

 では、労働せずに暮している人々がいるのだろうか、労働していない人々とは一体どのような人々なのだろうか、働いているけどコックニー英語を話さない人々はいったい何と呼ばれているのか、と次々と疑問が湧いてきたからです。

 『クラース イギリス人の階級』(ジリー・クーパー著)の中に、次のような記述がありました。 「私は、階級は何に似ているかといえば、洗いざらしのラグビー・シャツの大きな縞模様のようなものだ、と思う。つまり、ラグビー・シャツの何本もの横縞がそれぞれ上下に隣り合った縞に色をにじませて、縞の境界がはっきりしなくなる。ところが、そのように階級も上下の別が判然としなくなったところにいる人びとこそ、自分より上の階層とつきあいがあるのだ、と鼻にかけるのだ。」

 つまり、今は階層ごとの違いがあいまいになってきているが、イギリス社会を俯瞰して見るとラグビー・シャツの縞模倣のように、やはりそこにはくっきりと階層が存在している、とうことでしょうか。

 映画『Gosford Park(ゴスフォードパーク)』が描いているのは1932年の秋。新品のラグビーシャツのように、階上の人と階下の人が、はっきりと階層で分けられていた時代です。ヘンリー・デントンは実はアメリカ人の俳優。しかし、スコットランド人の召使のふりをして、スコットランド訛りの英語を話しています。でも、彼のスコットランド訛りはおかしいと、すぐにまわりの召使から怪しがられます。

 この映像は、ヘンリーが怪しげなスコットランド訛りでまわりを欺こうとしているシーンです。

 スコットランド英語では、二重母音の/əʊ/が次のように変化するようです。

 

  /əʊ/ ⇒ /u/

 たとえば、

  about [əˈbaʊt]

 が、

  about [əˈbut]

のように変わって聞こえます。敢えてカタカナで書くと「アブゥト」のように聞こえます。

えっ?聞こえない。だから、ヘンリーはスコットランド人ではないと、すぐにばれてしまうのかもしれませんね。

▽『Gosford Park』予告編

 - You’d find it a lot easier to clean them if you put the trees in first

   (木型を入れて磨くんだよ).

 - I was just about to do that.

   (そうしようと思ってた)

 ”be just about to do”は、「…するところだ」という意味です。

 さて、ヘンリーはなぜスコットランド人の召使のふりをする必要があったのでしょうか。イギリスの階級社会を理解するのにもお奨めの映画です。ぜひご覧になってください。

 

 

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー

 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)

 ▽コリン先生(目白)

 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)

 ▽アリソン先生(生田)

 ▽ジェンマ先生(代官山)

 ▽ジョン先生(等々力)

 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※参考図書

 ▽英語音声学音韻論入門 (Philip Carr 著)

 ▽クラース イギリス人の階層 (ジリー・クーパー 著)

スコットランド英語の特徴”rhotic”/r/の発音~映画『Gosford Park』でじっくりとマンツーマン英会話(1)

Gosford_Park_movie.jpg スコットランド英語は、イギリス英語やオーストラリア英語と異なり、「r」のスペルを発音する rhotic アクセントを用いています。その/r/の音は、イギリス英語などと同じ接近音で発音されるのが普通ですが、はじき音(発音表記は/ɾ/)で発音する人もいるようです。

 2001年のアカデミー脚本賞を受賞したイギリス映画『Gosford Par(ゴスフォードパーク)』に、r-hoticを確認できる面白いシーンがありました。1932年の秋、イギリス郊外のお屋敷では週末のハンティング・パーティが開かれようとしていました。ハリウッド映画のプロデューサーの召使としてお屋敷を訪れたヘンリー・デントンは、スコットランド人のふりをしていますが、実はアメリカ人。彼のスコットランド訛りはおかしいと、まわりの召使から怪しがられます。

 これは、油断をしてアメリカ英語で話してしまったヘンリーが、スコットランド訛りでいい直しているシーンです。言い直すと時に、”I was just wondering” の中の、”wonder”の”r”の発音を強調しているところを注意して聞いてみてください。

▽『Gosford Park』予告編

– Please tell me you haven’t come with condolences.

 (お悔やみなら不要よ)

– (アメリカ英語) No. I was just wondering if you wanted some com–

 (違います たぶん今夜も…) 

– What?

 (何なの?)

– (スコットランド英語) I said, I was just wondering if you wanted some company.

 (今夜も話し相手が必要じゃないかと) 

 ヘンリー・デントンを演じたライアン・フィリップさん自身もアメリカ人。怪しいスコットランド訛りを話すアメリカ人を演じています。メアリー・マキーシュランを演じた、スコットランド出身のケリー・マクドナルドさんのスコットランド英語と聞き比べてみるのも面白いです。

※関連リンク

 ▽Gosford Park (IMDb)

※参考リンク

 ▽スコットランド英語の発音

 ▽英語の訛りの特徴を分析する

※関連ブログ

 ▽ゴスフォード・パーク (Gosford Park/ 2001/ 米・英・伊・独) - capricious

 ▽超掘り出しもの映画 ”ゴスフォードパーク”

 ▽ゴスフォード・パーク – ココのつぶやき

 ▽ゴスフォード・パーク 貴族の館へ

 ▽「ゴスフォード・パーク」 – Candlelight

 ▽映画「ゴスフォード・パーク」(Gosford Park) – コニコの喫茶店

スコットランド英語の特徴・母音~『Burnistoun』で笑いながらマンツーマン英会話

Burnistoun ETCマンツーマン英会話 普段あまり耳慣れないスコットランド英語やコックニー等を聞き続けた後に、イギリスの標準英語やアメリカ英語を聞くと、急にわかりやすくなった気がするので不思議です。

今回も『Burnistoun』のスケッチから、スコットランド英語の特徴を探して見ます。ちなみに、髭をつけたRobert Florenceさんは、グラスゴー出身だそうで、スコットランド英語と思われる特徴的な発音が随所に聞かれます。

◎二重母音が短母音に変化してしまうケース。

・ /eɪ/ が/e/に
today
say
facebook
/ei/ → /e/
あえて、カタカナで表記してみると標準英語が「トゥデイ」だとすると、「トゥデ」に聞こえます。
また、「セイ」は、「セー」。「フェイスブック」は、「フェースブック」に聞こえます。

・ /oʊ/が/o/に
go /goʊ/ → go /go/
home /hóʊm/ → /hom/
標準英語が「ゴゥ・ホーゥム」だとすると、「ゴー・ホーム」に聞こえます。

◎スコッツ語の影響を受けていると思われるもの

Do you want me to…

の”to”の発音ですが、これなどは”to”を意味するスコッツ語の”tae”の発音 の影響を受けてか、

to /tuː/ が /ti/ になり、 「ドゥワミ、ティー」と言っているように聞こえます。




“Have a seat! And what can we do for you today?”

“Just over the last couple of weeks I’ve been getting quite intense shoulder pain. I have not injured it or anything… Just started itself.”

“Okay, well, let’s fire up the Google and take a look!… Shoulder… Pain…- enter. There’s far too many results here to tell if it could be anything really bad. We’ll have to narrow it down a little bit. Do you want me to add the old…”

“C-word?”

“Yeah,”

“Ay”

“Shoulder, pain, agony, cancer, death…”

“I tell you to sit down.”

“eh?”

“I’m afraid I have some bad news. Your sore shoulder returns over half a million results of terminal illness on Google.”

“How long have I got left?”

“It’s difficult to say. But what I’d say is this: go home, gather your loved ones around you onFacebook, and make sure you have all your affairs in order. You know, such as your broadband bills…”

“C-word”は、タブーとされている言葉。
“to have all affairs in order” は、「(死に備えて)身辺の整理をしておく」という意味です。

アホは神の望み 村上 和雄 ETCマンツーマン英会話 コメディは、英語を学ぶ教材としては最高だと感じることがります。人間には誰しも「笑いたい」という根源的な欲求があると思います。でも、海外のコメディの場合、会場が割れんばかりの笑い声が聞こえているのに、英語が分からないため、笑えないことがよくあります。笑いの理由を知りたい、自分も皆と同じように笑いたいという欲望が、英語を学ぶという学習に上手く結びついて行きます。

分子生物学者の村上和雄さん(筑波大学名誉教授)は、 「笑いと遺伝子」の研究をされています。「笑いが健康に良い」とか、「癌も笑うことで治る」と言うお医者さんがいらっしゃいますが、その医学的な証拠を集めようとされているそうです。「私達の研究が進んで、薬の代わりにお笑いビデオを処方する医療機関が出てくる可能性がある。 これはもしかすると医療革命が起こるかもしれない」と、おっしゃっています。

ということは、コメディで笑いながら英会話を学ぶと、「英語が上達する上に健康にもなる」、という一石二鳥の効果が得られるかもしれません。でも、英語が分からないままだと、笑えずにストレスがたまり、逆効果になってしまう可能性もありますね。そんな場合はぜひ、ETCマンツーマン英会話の先生のレッスンでぜひ質問をしてみてください。そして、笑ってください。

※関連リンク
Burnistoun

※参考リンク
▽110個の代表的な単語のスコットランド英語での発音が音声ファイルで確認できます。
‘Hover & Hear’ pronunciations in a Standard Scottish accent
スコットランド英語の発音
Scottish Online Dictionary

 

スコットランド英語の特徴”T-Glottalling”~『Burnistoun』で笑いながらマンツーマン英会話(2)

 コックニーの発音の特徴にもありましたが、スコットランド英語の特徴にもGlottallingがります。

 いわゆる glottal stop(声門閉鎖音=閉じた声門が開放されて起こる破裂音)を /t/ の代わりに多用する傾向のことです。音声表記は [ʔ] で表します。イギリス英語では非常によく聞かれる発音です。/t/の音を飲み込んで、しゃっくりをしているようにも聞こえます。

 前回と同じスコットランド英語を認識しない音声認識機能を掲載したエレベーターのスケッチを見ながら、こんどはかれらの”Scottish”の発音に注意して聞いてみてください。

 「スコティッシュ」ではなく、「スコイッシュ」と聞こえませんか。




[Iain Connell] Where’s the buttons?
[Robert Florence] Oh no, they’ve installed voice-recognition technology in this lift, they have no buttons.
[Iain] Voice-recognition technology? In a lift? In Scotland? You ever tried voice-recognition technology? 
[Rob] No.
[Iain] They don’t do Scottish accents.
[Rob] Eleven.
[VOICE] Could you please repeat that?
[Iain] Eleven.
[Rob] Eleven. Eleven.
[Iain] Eleven.
[VOICE] Could you please repeat that?
[Rob] EL-EV-EN.
[Iain] Whose idea was this? You need to try an American accent. “E-leven. E-leven.”
[Rob] That sounds Irish, not American.
[Iain] No it doesn’t! ELEVEN.
[Rob] Where in America is that – Dublin?
[VOICE] I’m sorry. Could you please repeat that?
[Rob] Try an English accent. “Eelevin! Eelevin!”
[Iain] You from the same part of England as Dick van Dyke?
[Rob] Let’s hear yours then, smartass.
[VOICE] Please speak slowly and clearly.
[Rob] SMARTASS.
[Iain] Ee-lev-en.
[VOICE] I’m sorry. Could you please repeat that?
[Iain] ELEVEN. If you don’t understand the lingo, away back home to your own country!
[Rob] Ooo, it’s that talk now, is it, away back home to your own country?
[Iain] Oh, don’t start Mr. Bleeding Heart, how can you be racist to a lift?
[VOICE] Please speak slowly and clearly.
[Rob] Eleven. Eleven. Eleven. Eleven.
[Iain] You’re just saying it the same way!
[Rob] I’m going to keep saying it until it understands Scottish, alright?
[Rob] Eleven. Eleven. Eleven! Eleven!
[Iain] Oh just take us anywhere, ya cow! Just open the doors!
[VOICE] This is a voice-activated elevator. Please state which floor you would like to go to in a clear and calm manner.
[Iain] Calm? Calm? Where’s that coming from? Why is it telling people to be calm?
[Rob] Because they knew they’d be selling this to Scottish people who’d be going off their nuts at it!
[VOICE] You have not selected a floor.
[Rob] Aye, we have! Eleven!
[VOICE] If you would like to get out of the elevator without selecting a floor, simply say “Open the doors, please”.
[Iain] Please? Please?? Suck my wully.
[Rob] Maybe we should just say “please”.
[Iain] I’m not begging that for nothing.
[Rob] Open the doors, please.
[Iain} “Please!” Pathetic.
[VOICE] Please remain calm.
[Rob] Oh! My! God! You wait until I get up there…just wait for it to speak…
[VOICE] You have not selected a floor.
[Rob] Up yours, ya cow! If you don’t let us through these doors, I’m gonna come to America, I’m gonna find whatever desperate actress gave you a voice, and I’m gonna go to the electric chair for ye!
[Iain] Scotland, you bastard!
[Rob] Scotland!
[Iain] SCOTLAND!
[Rob] SCOOOOOTLAND!
[Iain] FREEDOM!!
[Rob] FREEDOM!!
[Iain] Goin’ up?

 二人が興奮すればするほど、「スコッ イッシュ」と、glottal stopがはっきりとしてくるような気がします。

※関連リンク
 ▽Burnistoun

※参考リンク
 ▽110個の代表的な単語のスコットランド英語での発音が音声ファイルで確認できます。
  ‘Hover & Hear’ pronunciations in a Standard Scottish accent
 ▽スコットランド英語の発音
 ▽Scottish Online Dictionary

母音の使い分けが少ないスコットランド英語~『Burnistoun』で笑いながらマンツーマン英会話(1)

bunistoun ETCマンツーマン英会話 スコットランド英語は、二重母音は単母音のように発音してしまうようです。これはスコッツ語の影響もありそうです。

 たとえば、番組タイトルの”Burnistoun”は、このコメディに登場する架空の町。toun はスコッツ語で、英語のtown。発音も、

  ”toun” /tun/

となります。 ここでも、”town”/tɑʊn/の二重母音が、短母音に変わってしまったようですね。

また、スコットランド英語では、イギリス英語ほど厳密に母音を使い分けません。

下の動画の”eleven”の発音は、

  ”eleven”  /ɪlevən/

 日本語の場合は、i-le-bun(イレブン)のように、「い」「え」「う」とうい全く異なった三つの母音となります。英語の場合は、e-(l)e-(v)e-nで、綴りは同じ「e」なのに、これを異なった三つの母音で発音しなければなりません。コメディですから、強調はあると思いますが、もともと母音を混合して使いがちなスコットランド人にとっては、不得意な発音の一つなのかもしれません。




[Iain Connell] Where’s the buttons?
[Robert Florence] Oh no, they’ve installed voice-recognition technology in this lift, they have no buttons.
[Iain] Voice-recognition technology? In a lift? In Scotland? You ever tried voice-recognition technology? 
[Rob] No.
[Iain] They don’t do Scottish accents.
[Rob] Eleven.
[VOICE] Could you please repeat that?
[Iain] Eleven.
[Rob] Eleven. Eleven.
[Iain] Eleven.
[VOICE] Could you please repeat that?
[Rob] EL-EV-EN.
[Iain] Whose idea was this? You need to try an American accent. “E-leven. E-leven.”
[Rob] That sounds Irish, not American.
[Iain] No it doesn’t! ELEVEN.
[Rob] Where in America is that – Dublin?
[VOICE] I’m sorry. Could you please repeat that?
[Rob] Try an English accent. “Eelevin! Eelevin!”
[Iain] You from the same part of England as Dick van Dyke?
[Rob] Let’s hear yours then, smartass.
[VOICE] Please speak slowly and clearly.
[Rob] SMARTASS.
[Iain] Ee-lev-en.
[VOICE] I’m sorry. Could you please repeat that?
[Iain] ELEVEN. If you don’t understand the lingo, away back home to your own country!
[Rob] Ooo, it’s that talk now, is it, away back home to your own country?
[Iain] Oh, don’t start Mr. Bleeding Heart, how can you be racist to a lift?
[VOICE] Please speak slowly and clearly.
[Rob] Eleven. Eleven. Eleven. Eleven.
[Iain] You’re just saying it the same way!
[Rob] I’m going to keep saying it until it understands Scottish, alright?
[Rob] Eleven. Eleven. Eleven! Eleven!
[Iain] Oh just take us anywhere, ya cow! Just open the doors!
[VOICE] This is a voice-activated elevator. Please state which floor you would like to go to in a clear and calm manner.
[Iain] Calm? Calm? Where’s that coming from? Why is it telling people to be calm?
[Rob] Because they knew they’d be selling this to Scottish people who’d be going off their nuts at it!
[VOICE] You have not selected a floor.
[Rob] Aye, we have! Eleven!
[VOICE] If you would like to get out of the elevator without selecting a floor, simply say “Open the doors, please”.
[Iain] Please? Please?? Suck my wully.
[Rob] Maybe we should just say “please”.
[Iain] I’m not begging that for nothing.
[Rob] Open the doors, please.
[Iain} “Please!” Pathetic.
[VOICE] Please remain calm.
[Rob] Oh! My! God! You wait until I get up there…just wait for it to speak…
[VOICE] You have not selected a floor.
[Rob] Up yours, ya cow! If you don’t let us through these doors, I’m gonna come to America, I’m gonna find whatever desperate actress gave you a voice, and I’m gonna go to the electric chair for ye!
[Iain] Scotland, you bastard!
[Rob] Scotland!
[Iain] SCOTLAND!
[Rob] SCOOOOOTLAND!
[Iain] FREEDOM!!
[Rob] FREEDOM!!
[Iain] Goin’ up?

 イングランド・アクセントで喋るときに、咳払いをしてちょっと気取った表情になるところが興味深いです。

 『Parliamo Glasgow』を見たときにも思いましたが、スコットランド人はどうしてこうも自分達の訛りネタが好きなのでしょう。自分達のアクセントがいかに他では通じないかということを、自虐的に楽しんでいるようにも見えます。でも、その一方で、「これは訛りなどではなく、一個の独立した言語なのだ」、と開き直り、いや胸をはり、気持ちを高揚させている、というような根源的なものを感じてしまいます。

 最後のに二人が大声で叫ぶのは、映画『ブレイブハート(BRAVEHEART)』(95年、米)で、メルギブソン演じたウィリアム・ウォレスが絶命する時に「FREEDOM!」と叫ぶシーンのパロディーですね。

※関連リンク
 ▽Burnistoun

※参考リンク
 ▽110個の代表的な単語のスコットランド英語での発音が音声ファイルで確認できます。
  ‘Hover & Hear’ pronunciations in a Standard Scottish accent
 ▽スコットランド英語の発音
 ▽Scottish Online Dictionary

 

スコットランド英語でdayの発音は~映画『Dear Frankie』でじっくりマンツーマン英会話(2)

Dear Frankie ETCマンツーマン英会話 前回に引き続き、スコットランド英語の特徴である二重母音の変化についてです。スコットランド英語は、長母音は短母音で発音され、二重母音もまた短母音に近い音で発音される傾向があるようです。たとえば、

  day [deɪ]

 これは次のように発音されているのをよく耳にします。

  [de]、 [dɪ]

 敢えてカタカナで書いてみると、

  「デ(ッ)」、「ディ」

 のように聞こえます。

 ”okey”の発音も、「オゥーケイ」ではなく、「オキ(ッ)」や「オキィ」のように聞こえます。

 スコットランドの港町が舞台の映画、『Dear Frankie』の予告編で確認して見ましょう。イングランド出身の女優、エミリー・モーティマーさん(Emily Mortimer)、そしてスコットランド、グラスゴー出身の男優、ジェラルド・バトラーさん(Gerard James Butler)の”day”の発音を特に注意して聞いてみてください。

▽『Dear Frankie』trailer

 He’s very lucky boy.

 I’m his mother, and I lie to him every single day.

 No, you protect him every single day.

 スコットランド英語を東北弁に例える人がいます。たしかに、いろいろと共通点があるようです。たとえば、スコットランド英語と同じように、母音の発音がややあいまいになるところが似ていると思いました。ひとつ例をあげると、

  「越後のイチゴ」

東北弁では、母音の「エ」と「イ」、「ウ」と「イ」が、それぞれその中間の音で発音されるために

  「エツゴのエツゴ」

のように聞こえてしまうことがあるようです。偶然ですが、イングランド英語に比較して母音の数が少ないと言われるスコットランド英語にちょっと似ていますね。

 でも、発音のことだけでなく、寒い北方の地域の人々の、素朴ですが人の心を温かくしてくれるような言葉の響きも似ているのではと、『Dear Frankiie』を見て思いました。そして、それを感じさせてくれたエミリー・モーティマーさん、そしてジェラルド・バトラーさんに心を惹かれます。古い友人に久しぶりに会ったような、そんな感覚に包まれました。

※関連リンク

 ▽110個の代表的な単語のスコットランド英語での発音が音声ファイルで確認できます。

  ‘Hover & Hear’ pronunciations in a Standard Scottish accent

 ▽スコットランド英語の発音

 ▽Scottish Online Dictionary

 ▽Dear Frankie (IMDb)

※関連ブログ

 ▽「ヒックとドラゴン」字幕版鑑賞

 ▽イギリス映画大好き・・・「Dear フランキー」

 ▽『Dear フランキー』の監督が撮ったCM“Just Children” – 海から始まる!?

 

スコットランド英語の特徴は二重母音~映画『Dear Frankie』でじっくりとマンツーマン英会話(1)

Dear Frankie ETCマンツーマン英会話 スコットランド英語の特徴はの一つは二重母音の変化があります。

 例えば、

  time [taɪm]

 これが、次のような発音に変化するようです。

  [təim]、または [tɪm]

 敢えてカタカナで書くと。

  「トイム」、「ティム」のように聞こえます。

 スコットランドの港町が舞台の映画、『Dear Frankie』の予告編で確認をしてみましょう。フランキー役のジャック・マケルホーン君(Jack McElhone、スコットランド出身)が、スコットランド英語で話しています。

 Dear Da. We’re moving again.

 (ディア・ダー ウィ ムーヴナゲン)

 Ma syas, it’s definitely the last time.

 (マーセズ、ディーフィニットリー ザラースティム)

 But she say that every single time.

 (バッ、シーセズザ イビリ シングル・ティム)

 カッコ内は、聞こえている音を、敢えてカタカナで書いてみました。

 映画もぜひご覧になってください。スコットランドの景色と人々の心に触れられて、ちょっと悲しいけれど、どこかほっとする映画です。

※関連リンク

 ▽スコットランド英語の発音

 ▽Dear Frankie (IMDb)

 ▽Scottish Online Dictionary

マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~実践的な英語が学べる勉強方を教えてください。

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通常の英会話レッスンとは別に、実践的な英語が学べるお勧めの勉強方はありますか?

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もし、あなたがビジネスパーソンで、海外出張に行く機会があったら、ぜひICレコーダーを持参してください。そして、飛行機を降りたらすぐにスイッチを入れて、すべてを録音してください。タクシードライバーとの会話、ホテルのチェックインの際に交わしたスタッフとの会話、レストランのウェイターとの会話、そしてミーティングでの会話など、すべてです。

 実は、こうやって録音されたもが、教科書には載っていない本物の英語なのです。録音ができたら、ホテルに戻りベッドに横たわり、聞きなおしてみてください。教科書で英語を学ぶよりも、ずっと早く英語が上達すると思います。

 ただ、この方法は、文法には着目していないので、誤った文法を憶えてしまう可能性はあります。でも、大学に行くために勉強をしているなら別ですが、ビジネスパーソンの方々はそもそも文法等を勉強している時間は、現実的に無いのではないでしょうか。英語を学んでいるのは、仕事でよりよい結果を出すため。だとしたら、このICレコーダーを使った勉強方法はぜひお勧めです。

【解説 マンツーマンETC英会話 マイク先生/新小岩

☆ダイアン先生のお話を音声(RadioETC/ポッドキャスティング)でも聞くことができます。

Real Englishの理解力を高める秘密の方法

マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~イギリス英語が学べるお勧めの映画はありますか?

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イギリス英語が学べるお勧めの映画はありますか?

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例えばヒュー・グラントの映画「フォー・ウェディング」「ノッティングヒルの恋人」等が有名ですね。イギリス北部のブラスバンドのことを描いた「ブラス!」も日本人の方に人気があるのではなでしょうか。それと、先日「シャーロック・ホームズ」の最新作を観ました。主役のロバート・ダウニー・Jrはアメリカ人ですが、映画の中ではイギリスアクセントでとても上手く話しています。[解説 マンツーマンETC英会話 アリソン先生/生田]

☆アリソン先生のお話を音声(RadioETC/ポッドキャスティング)でも聞くことができます。

イギリス英語に触れるお薦めの映画

※関連リンク

Four Weddings and a Funeral
http://www.imdb.com/title/tt0109831/

Notting Hill
http://www.imdb.com/title/tt0125439/

Brassed Off 
http://www.imdb.com/title/tt0115744/

Sherlock Holmes
http://sherlock-holmes-movie.warnerbros.com/dvd/index.html

ウィスキー(Whisky)の語源はスコットランド・ゲール語~『Whisky Galore』で笑いながらマンツーマン英会話(3)

518Q1RE7G8L.jpg ”whisky”は、スコットランド・ゲール語の”usuquebaugh”(命の水)が短縮されたusque(水)が語源です。

 戦時中にウイスキーが配給制になり、全く飲むことができなくなってしまった、映画『Whisky Galore』の中の人々の意気消沈した人々の様子は、まさに「命の水」を失った人間の様子そのものですね。

 さて、スコットランド英語では、whiskyのwhの部分を

  /w/

ではなく

  /ʍ/、または、/wh/

を使って発音する傾向があるそうです。

 敢えてカタカナを使って説明すると、「ウィスキー」ではなく、wとhを別々に発音して「フゥイスキー」のようになります。

 まさにこの映画のテーマであるWhiskyのスコットランド英語の発音を確認してみてください。

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー

 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)

 ▽コリン先生(目白)

 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)

 ▽アリソン先生(生田)

 ▽ジェンマ先生(代官山)

 ▽ジョン先生(等々力)

 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※参考図書

 ◎『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)

スコットランド英語とスコットランド・ゲール語~『Whisky Galore』で笑いながらマンツーマン英会話(2)

Whisky Galore ETCマンツーマン英会話 スコットランド・ゲール語(Scottish Gaelic)は、スコットランドで話されるケルト系言語、ヘブリディーズ諸島で話され、スコットランド英語に影響を与えています。

 発音における影響は顕著です。スコットランド・ゲール語地域の人々が話すスコットランド英語には、スコットランド・ゲール語の発音の特徴がそのまま残っていることに気づきます。これは、スコットランド・ゲール語の発音の特徴が、第二外国語としての英語にそのまま引き継がれたことを意味しています。

 例えば、ゲール語では /b,d,g/の音が、/p,t,k/で発音されます。また、/z,ʒ,ʤ/の音がなく、代わりに/s,ʃ,ʧ/で発音される傾向があります。

 映画『Whisky Galore』の舞台となったバラ島(映画のなかでは架空の島Todday島として描かれています)も、スコットランド・ゲール語が使われている地域です。この映画の原作となる同名の小説には、スコットランド・ゲール語の影響を受けたスコットランド英語が、下記のような視覚方言(eye-dialect)を使って書かれています。ゲール語訛りのスコットランド英語の雰囲気が伝わってきませんか?

 ”You’ve had a long churney right enough. Sarchant. Teffonshire?

  That’s a place I neffer was in. It is crate place for cream. I believe.”

  churney → journey

  Sarchant. → Sargent

  Teffonshire → Devonshire

  neffer → never

  crate → great、等など。

 

 映画では、ゲール語でプロポーズするシーンがあります。何を言っているかは、ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生のレッスンで確認をしてみることにします。

 映画がバラ島で撮影されたのは1948年。でも、60年以上たった今も、映画の中の風景が、ほぼそのまま残っていることを知りました。当時と変わらない島での簡素な暮らしを、地元の人々はどのように思っているかは分かりません。でも、僕はほっとして胸を撫で下ろしています。

 スコットランド・ゲール語を話せる人の数は、残念ながら減少する一方の様です。一方、BBC Scotland Albaにゲール語放送のチャネルが開設されるなど、ゲール語を推進しようとする動きもあります。言葉も風景と同じように大切なものだと思うのです。風景を愛しみ、大切にするように、言葉も守って行かなければなりません。

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー

 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)

 ▽コリン先生(目白)

 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)

 ▽アリソン先生(生田)

 ▽ジェンマ先生(代官山)

 ▽ジョン先生(等々力)

 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※関連リンク

 ◎Isle of Barra Accommodation, Activities and Events

 ◎Whisky Galore Film Limited

 ◎BBC Scotland Alba スコットランド・ゲール語専門のウェブ放送チャネル

 ◎Julie Fowlis スコットランド・ゲール語で歌う女性シンガー(お奨めです)

※参考図書

 ◎『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)

※関連ブログ

 ▽【言語散歩】スコットランド・ゲール語

 ▽英国スコットランド スコットランド(アラパ)の主な都市 - ドルジバツアー

 ▽Fiona MacKenzie / Elevate (2008) - Cottonwoodhill 別別館

 ▽名犬ラッシー - 銀幕のウヰスキー

 ▽「イリュージョニスト」観ました - はなの旅日記

 ▽スコットランド★エジンバラ城 - HAPPY-ROOM

 

ナレーションもスコットランド英語~『Whisky Galore』で笑いながらマンツーマン英会話(1)

WhiskyGalorePoster.jpg 「スコットランドの歴史を学ぶのでしたら、古い映画ですけどお奨めです」、とETCマンツーマン英会話のチャールズ先生が紹介してくれたのが、『Whisky Galore(ウイスキー・ガロア)』(1949年)というコメディ映画。”Galore”は「たくさん」という意味です。

 時代は1943年、場所はアウター・ヘブリディーズにある架空の島トッディ。撮影は同じくアウター・ヘブリディーズのバラ島で行われました。第二次世界大戦も後半に差し掛かり、さまざまな物資が不足し、ウィスキーも配給制になってしまいました。島の大人たちは、唯一の楽しみを奪われ、まるで喪に服してでもいるかのように暗い日々を送っていました。

 ある霧の深い夜、5万ケースのウィスキーを積んだ貨物船が、島の沖合いで座礁してしまいます。男達は、夜中に沈没しかけた船にもぐりこみウィスキーを盗み出そうとしますが、果たしてその結末は。1941年にバラ島で実際に起こった事件がベースになっているそうです。

 スコットランド人がウィスキーをどれほど愛しているのか、痛いほどに伝わってくる映画です。映画を見ていて、僕も何十年かぶりにウィスキーが飲みたくなりました。

 ナレーションは、スコットランドはエジンバラの生まれのFinlay Currieさん。スコットランド英語がじっくりと味わえます。

 2006年にこの映画のリメイクが予定されていたそうですが、残念ながら中止(延期?)になったそうです。理由はプロデューサーがスコットランド人の俳優を一人もキャスティングせずに、その代わりに米国でも名の通ったイングランド人俳優とアメリカ人俳優だけで配役を固めていたため。スコットランド人で原作者のPeter McDougall氏と意見が対立したそうです。

 スコットランド人俳優無しで『Whisky Galore』のリメイクはありえないと、この映画のファンの一人としても思います。俳優の表情からにじみ出てくるような、ウィスキーを愛おしむ気持ちは、先人に遡り彼らがどれだけ「たくさん」のウィスキーを飲んできたか、という量にに比例すると思うのです。そして、それはやはりスコットランド人の右に出る者はいないと思うのです。

※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー

 ▽チャールズ先生(横浜・大坂上)

 ▽コリン先生(目白)

 ▽パトリシア先生(浮間舟渡)

 ▽アリソン先生(生田)

 ▽ジェンマ先生(代官山)

 ▽ジョン先生(等々力)

 ▽マイク先生(富ヶ谷)

※関連リンク

 ◎『Whisky Galore』

 ◎Remake of Whisky Galore! hits the rocks amid storm over snub to Scots

 ◎Scotland: the Movie Location Guide – Whisky Galore (1949)

※関連ブログ

 ▽稲富博士のスコッチノート 第60章エリスケイ-ウイスキー・ガロアの島

 ▽ウイスキー・ガロア! – エムズ・ウイスキー・ダイアリー

 ▽お酒の登場する映画とか 「Whisky Galore」

 ▽めとLOG~ミステリー映画の世界

 ▽スコットランド式の年始参り

スコッツ語と日本語とロバート・バーンズ – 『Completely Burns』でじっくりとマンツーマン英会話

burns ロバート・バーンズ生誕250周年を祝い制作された企画です。彼の300以上にも及ぶ作品を、スコットランド出身の俳優達が朗読したものをポッドキャスティングとして配信しています。

 詩は朗読されて初めてその作品に命が吹き込まれような気がします。歌は歌われことで歌になるように。詩を声に出して音にしてみることは、音楽プレーヤーの再生ボタンを押すのに似ているのではないでしょうか。言葉が形が帯びて、生まれ出てくるような、そんな感覚に包まれます。

 BBC – Podcasts – Completely Burns

 ロバート・バーンズは、スコットランド南西部、サウス・エアシャイアの生まれ。スコッツ語のエアシャイア方言を使った詩作を行ないました。スコッツ語が他の英語方言とは一線を画している理由の一つは、スコッツ語が近代文学の一部として育まれ、今日まで続いていることがあげられます。

 しかし、スコットランド・ゲール語と同じようにスコッツ語も、その言葉を話す人の数は減少する一方だそうです。スコッツ語を文学作品として遺してくれたバーンズの詩は、スコットランド人にとってなによりも愛すべき存在なのでしょう。国家独立を失う共に、言葉も失われようとしているスコットランド人にとって、言葉は国家と同じ意味を持っているのだと思います。言葉を大切にすることは、自分自身を大切にすることに直接結びついているに違いありません。

 日本人は言葉を失った歴史はありません。でも、日本語も日々移り変わっています。変わるということは、同時に何かを失っていることでもあります。日本人も「日本のロバート・バーンズ」的な存在が必要なのかもしれません。

 彼の詩の日本語訳が知りたいと思い、中村為治さんが訳した『バーンズ詩集』(岩波文庫)を手に取りました。なんと第一刷が出版されたのは昭和3年(1928年)。序章には中村さんのこんな言葉がありました。

  「我はバーンズを愛す。
   彼は偉大なる人物にてはあらざるべし。
   されど決して下劣なる男にてもあらず。
   かれは熱情の人なり。
   彼は正直にして素直なり。
   彼は貧の苦しさを知り、生の楽しさを味へり。
  
   我はバーンズを愛す。
   その死ぬるまで変わらざるべし。
   そは唯彼を愛するなり。
   其処に何等の理屈あるなし。
   彼我に封ひて心を開く。
   如何で我が心彼に封ひて開けざるを得んや。
   此処に彼の詩を評し出したり。
   人よ読みて彼の友となり給へ。
   而して我と共に我がロバートと叫び給へ。

       昭和三年五月二十五日 西荻窪にて 中村為治」

burns (1) 今では使われない日本語の形です。でも、意味はちゃんと分かります。それどころが、このほうが中村さんのバーンズを愛する熱情がより伝わってくるような気がします。中村さんは川端康成さんと同級とのことです。川端さんの作品を読めば、この時代の人々が上記のような日本語で文章を書いていたわけではないことがわかります。

 ただ、この中村さんによる序章は、実は一遍の詩になっているようでもあります。ロバート・バーンズへのオマージュなのかもしれません。声に出して読んでみると、日本語の響きに込められた興奮を感じずにはいられません。

※関連リンク
ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生インタビュー
スコットランド英語とスコッツ語とロバート・バーンズ
 ~『Robert Burns – The people’s poet』でじっくりとマンツーマン英会話

English Poetry 
東京商科大学教授中村為治の生涯とロバート・バーンズ 照山顕人

※関連ブログ
我が心はハイランドにあり – Mr-Blockhead 
我が心は高原にあり – Hiromi’s scribblz
Ye banks and braes (2) – 安曇野でギターのブログ

スコットランド英語とスコッツ語とロバート・バーンズ~『Robert Burns – The people’s poet』でじっくりとマンツーマン英会話

Robert_Burns_1 スコットランド英語とは、スコットランド訛りのあるスコットランドの標準英語のこと。スコッツ語とは、スコットランドの伝統的な方言のことを言います。ただ、このスコッツ語は単なる英語の方言ではなく、ひとつの独立した言語であると見なされる場合もあるようです。

 スコットランドの田舎では、このスコットランド英語とスコッツ語がはっきりと使い分けられているため、話し手が今どちらの言葉を使っているのかが分かりやすいそうです。一方、都市部では、この二つの言葉が混在して使われており、その区別があいまいです。

 例えば、グラスゴーの労働者階級の言葉の中には、語彙、文法、語形、発音など、スコッツ語の特徴が随所に散りばめられているそうです。スコットランド人の英語が、普通の英語のように聞こえていたのが、突然外国語のような耳慣れない言葉に変化してしまうのは、このような理由からかもしれません。

 さて、このスコッツ語が他の英語方言とは一線を画している理由の一つは、この言葉が近代文学の中で使われ、今日まで受け継がれていることがあげられます。詩人のアラン・ラムゼイ(Allan Ramsay,1686-1758)、ロバート・ファーガソン(Robert Bergusson、1750-1774)、そしてロバート・バーンズ(Robert Burns、1759-1796)の作品が有名です。

 ロバート・バーンズは、スコットランド南西部、サウス・エアシャイアの生まれ。スコッツ語のエアシャイア方言を使った詩作を行ないました。スコッツ語と英語との明らかな違いが、彼の作品から分かると思います。

『To A Louse.』

<原文>
   Ha! Whare ye gaun, ye crowlin ferlie? 
   Your impudence protects you sairly, 
   I canna say but ye strut rarely 
             Owre gauze and lace, 
   Tho’ faith! I fear ye dine but sparely 
             On sic a place. (後略)

<英語訳>
   Ha! Where are you going, you crawling wonder?
   Your impudence protects you sorely,
   I can not say but you swagger rarely
             Over gauze and lace,
   Though faith! I fear you dine but sparingly
             On such a place

   (“The Robert Burns World Federation”より)

 2009年はロバート・バーンズの生誕250年にあたり、スコットランドでは多くのイベントが行われたようです。同年に放送されたBBC Scotland の『Robert Burns – The people’s poet』をご覧ください。37年という彼の短い人生を辿りながら、『To A Mouse』、『The Belles Of Mauchline.』、『To A Louse.』、『A Man’s A Man For A’ That』など、スコッツ語がちりばめられたバーンズの作品が朗読されています。

 また、進行役を勤める小説家のAndre O’Hagunさんはグラスゴー出身ですので、スコットランド英語にも触れることができます。

 バーンズが改作したスコットランド民謡の『Auld Lang Syne』は、日本では『蛍の光』として歌われています。卒業を体験した日本人であるならば、一度は歌ったことがあるのではないでしょうか。スコットランド人と日本人の奥深いところでのご縁を感じずにはいられません。

 ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生は詩人でもあります。一度、ロバート・バーンズについてじっくりとお話をお聞きしたいと思っています。

※Robert Burnsでスコットランド英語(チャールズ先生出演のRadioETCです。先生の朗読もあります)

Robert Burnsでスコットランド英語 – Caledonian bard とは
ビジネス英語とRobert Burns
ビジネス英語と英語訛り
スコットランド英語の発音の特徴
英会話上達にはdictation
Robert Burnsでスコットランド英語 – “To A Mouse”(朗読)
Robert Burnsでスコットランド英語 – “The Twa Dog”(朗読)
Robert Burnsでスコットランド英語 – “It There Fore Honest Poverty”(朗読)
Robert Burnsでスコットランド英語 – Burns’ Night とは
Robert Burnsでスコットランド英語 – “To A Haggis”(朗読)

※参考図書
 ◎『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)

※関連リンク
 ◎The Robert Burns World Federation ロバート・バーンズの作品と英語訳が掲載されています。
 ◎THE LETTERS OF ROBERT BURNS

※関連ブログ
 ◎Burns’ supper – 時は春 日はあした
 ◎Ae Fond Kiss
 ◎エディ・リーダー (Eddi Reader) _「ロバート・バーンズを想う (Sings The Songs Of Robert Burns)
 ◎バーンズナイト – 英国散歩
 ◎バーンズナイト
 ◎バーンズな夜
 ◎D市のヘリテージビルディング

※関連図書
ウェールス゛ イギリスの中の異国を歩く

毎日木のある場所へ行く~青崎涼子さんインタビュー(4)

毎日木のある場所へ行く~青崎涼子さんインタビュー(4)

110518今日のゲストは、アラスカ、そしてカナダの自然体験プログラムを企画、コーディネートしている青崎涼子さんです。

便利さに囲まれている都会での生活の中で、青崎さんはこんなことを心がけていました。

番組情報

■関連リンク
極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~極北の景色と引替に震災募金
Into the Wilderness (青崎さん撮影のフォトアルバム)

■出演
青崎涼子

■聞き手
・青樹洋文

スコットランド英語とスコッツ語~『Parliamo Glasgow』で笑いながらマンツーマン英会話(3)

parliamo_glasgow.jpg 非ゲール語圏のスコットランド人は、スコットランド英語(Scottish English)とスコッツ語(Scots)、2つの話し方ができるそうです。

 スコットランド英語はスコットランド訛りのあるスコットランドの標準英語、スコッツ語はスコットランドの南部、中央部、北西部で話されている伝統的な方言のことを言います。日本語に例えると、スコットランド英語は標準語、スコッツ語は秋田弁と言う人もいるようです。また、考え方によってはスコッツ語は単なる英語の方言ではなく、別個の独立した言語であると言うこともできるようです。

 スコットランド人は、スコットランド以外の英語圏の方と話すときは、スコットランド英語で話します。英語圏の人、もしくは英語の上級者の人であれば、若干の難しさはありますが、理解できるようです。一方、スコットランド人が地元の人同士で会話をする時は、スコッツ語の方言を使って話すので、スコットランド人以外の方には理解不能だそうです。

 では、BBC Scotlandで放送された『Scunnered』で、スコットランド英語とスコッツ語を実際に聞いてみてください。インタビューの際に話している言葉がスコットランド英語、編集ビデオの中で話しているのがスコッツ語のようです。前回前々回でご紹介した『Praliamo Glasgow』のStanly Baxterさんや、女優のJaney Godleyさん等がインタビューで出演、編集ビデオの中には映画『ハーリーポッター』でルビウス・ハグリッドを演じた、Robert Coltraneさんも登場しています。

 Part 1 “Intorduction”

 Part 2 “Podger”

 Part 3 “Lumber and Bahookie

 Part 4 “Parliamo Glasgow”

※関連リンク
ウイキペディア スコッツ語版

※参考図書
『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)

 

グラスゴー方言はいかがですか?~『Parliamo Glasgow』で笑いながらマンツーマン英会話(2)

51cBEduu8WL._SL500_.jpg 前回の「スコットランド英語に挑戦」に引き続き、今回も『Parliamo Glasgow』をお楽しみください。

 番組タイトルの”Parliamo”はイタリア語で、”let’s speak!”という意味です。『Parliamo Glasgow』は、もともとBBCで放送されていた番組『Parliamo Italiano』 (‘Let’s speak Italian’)からとったそうです。

 英語で”Let’s Speak Glasgow!”ではなく、イタリア語で”Parliamo Glasgow”と言ってしまうところなどは、グラスゴー方言が彼らにとっても外国語のような存在、標準英語とは非常に異なる言葉だと感じているということが伝わってきます。もっと言うと、グラスゴー方言は単なる「訛り」ではない。一個の独立した言語なのだ、というようなグラスゴーの人々の誇りさえも見え隠れしています。

 さて、このグラスゴー方言、最初は全く分かりらず、あきらめようとしたのですがETCマンツーマン英会話のモナ先生のアドバイスを思い出しました。「何度も聞いて、真似をして実際に口に出して言ってみると、突然何かが弾けるように分かるようになる瞬間が来る」。

 さらに、Stanley Baxterさんの「ここが笑いどころですよ」と言わんばかりの表情に見つめられ、それに応えるかのような会場の大爆笑を聞いていると、どうしても何を言っているのか知りたくなります。ちゃんと意味を理解して「一緒に笑いたい」という気持ちが湧いてくるのです。コメディーで英語を学ぶことのメリットは、こんなところにありそうですね。




  WHIRRA-HELZA MARRA?
  = What the hell is the matter? (一体どうしたんだ?)

  WHENERA-HELZA PARTY STARTIN’?
  = When the hell the party is starting? (一体パーティはいつ始まるんだ)

  WHYRA-HELZA BURDS NO HERE?
  = Why the hell the bird is not here? (どうしてここには女の子がいないんだ?)

  WHERRA-HELZA BOOZE?
  = What the hell booze? (大酒飲みがどうした?)

  Izatamarraonyerbarra Clara?
  = Is that a marrow on your barrow, Clara? (クララ、荷車の上にあるのはカボチャですか?)

  これなどは、訛り独特の音韻を楽しんで笑っているようですね。

スコットランド英語に挑戦~『Parliamo Glasgow』で笑いながらマンツーマン英会話(1)

ETCマンツーマン英会話『Parliamo Glasgow』  何を話しているのか、英語が全くわからない。ホームパーティで初めてスコットランド人にお会いしたとき、そんな体験をしました。

 英会話学校の先生の話す英語は理解できていたのに、スコットランド人が話す英語は、どこか別の国の言葉のようでした。未知の言葉の中に、聞きなれた英単語のフレーズが一瞬表れたかと思うと、また意味不明の言葉の中に埋もれて行くような感覚です。何故でしょうか?

 「英語は一つではありません。幾通りもの種類の英語があるのです」と、教えてくれたのはETCマンツーマン英会話のチャールズ先生です。

 そこで、色々な種類の英語を聞いてみることで、理解できる英語の幅を広げて行くことにしましょう。

      - ☆ – ☆ – ☆ – ☆ – ☆ – ☆ –

■スコットランド英語とは

 スコットランドの言語は、多民族の言語が出会い複雑に混ざり合うという歴史を繰り返しています。よって、明確に分類することは難しいですが、あえて主要な言語を整理すると、次の3つになるようです。
 
   ◎「スコッツ語/スコットランド語(Scots)」
      → ローランド地方と島嶼部、北アイルランドの一部

   ◎「スコットランド・ゲール語(Scottish Gaelic)」
      → ハイランドおよび島嶼部

   ◎「スコットランド英語(Scottish English)」
      → スコットランド全域
 
JamesIEngland.jpg 1603年、エリザベス女王が後継ぎのないまま亡くなったために、同じ血筋をもつスコットランド王ジェイムズ六世がイングランドの王を兼ねることになり、ジェイムズ一世となりました。(同君連合/Union of the Crowns)

 ジェイムズはロンドンに移り住み、20年も里帰りをしなかったそうです。スコットランドにいた頃と比べると、宮廷の資産は潤沢で、反駁する大貴族に悩まされることなく、居心地がよかったのかもしれません。それもあってか積極的に両国の同化政策を推進します。

 特に重要なのは言語の同化です。ジェイムズはゲール語圏が野蛮の温床であると見なし、英語ができないと学校教育も受けられなくしてしまいます。よって、この時代よりゲール語は衰退を始めて行きます。同時にジェイムズ1世自ら先頭に立って聖書の英訳事業を薦めます。その成果である『欽定訳聖書(The Authorized Version of the Bible)(1611年)』の完成は、長期的に英語世界の拡大に計り知れない役割を果たすこととなります。1707年の合邦(議会合同)以降、ローランド地方を中心としたイングランド化が進み、スコッツ語の使用領域も狭められて行きます。

 スコットランド英語(Scottish English)は、スコッツ語とイングランドの標準英語が出会うことで生まれます。この際、たくさんのスコッツ語がスコットランド語に転換されてゆきますが、双方の発音が混ざり合い、場合によってはスコッツ語の発音の方が採用されたり、語彙も英語に変更されて行く過程で、しばしば多くの間違いが発生したようです。

 では、ここで「グラスゴー方言」を聞いてみましょう。1960年代にテレビ番組のコメディー・シリーズで評判になった『Parliamo Glasgow』です。スコットランドのコメディアン俳優、Stanley Baxter(スタンリー・バクスター)さんが、「グラスゴー方言」を「スコットランド英語」で楽しく解説しています。




 いかがでしたか?ひとつ取り上げてみましょう。

  Izziafiz Wurk?

 この意味は、

  Is he off his work? (彼は仕事がお休みなのですか?)

 この”Is he off his”を、一つの単語のように早く発音します。

  isheoffhis

 発音は、
 
  iz-ee-aff-iz

 グラスゴー方言では、このようにいくつかの文節をひとかたまりにして発音することよくあるようです。映像では、このひとかたまりにしたものを接頭辞(prefix)にして、質問をする時に使用すると解説しています。

 こんな例文もありました。

  Izziafiz meat?
  = Is he off his meat?
  = Has he lost his appetite? (彼は食欲がなくなってしまったのですか?)

  Izziafiz boozn?
  = Is he off his boozing?
  = Does he reasonably keep sober? (彼は無理なく禁酒を続けていますか?)

  Izziafiz Bliddichump?
  = Is he off his bloody chump? (彼は馬鹿を止めたのか?)

 『Parliamo Glasgow』のグラスゴー方言のスペリングは、その発音の特徴を知るために役にたちそうです。

※参考図書、論文
グラスゴー方言 - その音韻・つずり字法・語彙 -(杉本豊久)
『Accents of English 2』(J.C.WELLS 著)
『スコットランド 歴史を歩く』 (高橋哲雄 著)

※関連ブログ
スコットランド訛り 児島由紀子の「ロンドン通信」
Mary, Queen of Scots – 気楽な英語ブログ@千葉
英国欽定訳聖書から400年
英語VS日本語

 

アラスカ野外学校で学んだこと~青崎涼子さんインタビュー(3)

アラスカ野外学校で学んだこと~青崎涼子さんインタビュー(3)

110515今日のゲストは、アラスカ、そしてカナダの自然体験プログラムを企画、コーディネートしている青崎涼子さんです。

アラスカを旅するようになって3,4年がたったころ、現地のかたからこんなことを言われ、青崎さんの心境にある変化が起こります。

番組情報

■関連リンク
極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~極北の景色と引替に震災募金
Into the Wilderness (青崎さん撮影のフォトアルバム)

■出演
青崎涼子

■聞き手
・青樹洋文

日々移り変わるアラスカの風景~青崎涼子さんインタビュー(2)

日々移り変わるアラスカの風景~青崎涼子さんインタビュー(2)

110512今日のゲストは、アラスカ、そしてカナダの自然体験プログラムを企画、コーディネートしている青崎涼子さんです。

青崎さんがアラスカを旅するようになったきっかけは、オーロラの写真でした。でも実際に現地に行って心を打たれたのは、オーロラではなく、こんな景色でした。

番組情報

■関連リンク
極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~極北の景色と引替に震災募金
Into the Wilderness (青崎さん撮影のフォトアルバム)

■出演
青崎涼子

■聞き手
・青樹洋文

極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~青崎涼子さんインタビュー(1)

極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~青崎涼子さんインタビュー(1)

110509今日のゲストは、アラスカ、そしてカナダの自然体験プログラムを企画、コーディネートしている青崎涼子さんです。

青崎さんが始めた「極北を愛する人の東日本大震災写真プロジェクト」についてお話をお聞きします。

番組情報

■関連リンク
極北を愛する人の東日本大地震写真プロジェクト~極北の景色と引替に震災募金
Into the Wilderness (青崎さん撮影のフォトアルバム)

■出演
青崎涼子

■聞き手
・青樹洋文

ハマるTVドラマを見つけよう!~『Miranda』で笑いながらマンツーマン英会話

 実践的な英語を学ぶには、映画よりもテレビドラマがお奨め。こうアドバイスしてくれたのは、ETCマンツーマン英会話のブレンダン先生です。理由は次の三つ。

 1.テレビドラマはシリーズ物が多いので、第一話から第二話、そして最終回まで、ドラマのストーリ展開に引き込まれるのと同時に、英語の勉強にも継続性が生まれる。

 2.一般的に映画は映像主体のものが多いのに対して、テレビドラマは会話主体のものが多い。

 3.一般的にテレビドラマよも映画の方が、スラングが用いられる場面が多い。

51vRRINVeBL._SL500_AA300_.jpg ただし、ポイントは夢中になれる番組を見つけること。ちなみに、ETCマンツーマン英会話のパトリシア先生は、『サザエさん』を見ながら日本語を学んだそうです。サザエさんの中で使われているのは標準的な日本人の日常会話。外国人の方が日本語を覚えるには最適。さらにサザエさんの「笑い」も勉強が継続できた要素の一つだったのかもしれません。

          - ☆ – ☆ – ☆ – ☆ – ☆ –

 さて、前回まで『Only Fools and Horses』をご紹介しましたが、コックニーはちょっとハードルが高いという方には、同じBBCテレビのシットコム、『MIRANDA』はいかがでしょうか。

 海外のコメディは、英語が分からないと、笑いたいのに心から笑えないという欲求不満に陥ることがよくあります。でも、ミランダ・ハート(Miranda Hart)さん演じるミランダ(Miranda)さんが、とっても分かりやすいイギリス英語で笑わせてくれます。

 身長1m85cmのミランダは、よく男性と間違われます。寄宿制学校時代から特に男性とのお付き合いは苦手。ミランダの母は、娘がちゃんとした仕事について、結婚してくれることを望んでいますが、いつもがっかりさせられてしまうことばかり。

 ミランダの現在のお仕事はジョーク・ショップ。彼女がオーナで、店舗の二階に住んでいるのですが、どうも商才は無いようで、幼馴染のスティービーに、お店の経営は任せっぱなし。店の隣のレストランで働くウエイター、ゲリーは大学時代の友人、そして彼女のお気に入りの男性なのです。

 突然ミランダがカメラ目線で話し出すところも面白いですね。 

※関連サイト

『Miranda』はブログ『イギリス好きのイギリス話』で紹介されていました。

L-Vocalisation ~ 『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(8)

51CoMUoPGnL._SL500_AA300_.jpg■コックニー(Cockney)発音の特徴(5)~L-Vocalisation

 feelやmilk といった単語を発音するときに、Cockney では /l/ を母音の [ʊ] または [o] で発音する傾向があります

   feel [fi:o]

   milk [mɪok]

 カタカナ英語はお奨めしませんが、敢えて書いてみると

   フィーォ

   ミォク

のように、僕には聞こえています。

 では、tableはどんな発音になるのでしょう。BBSの大人気コメディー『Only Fools and Horses』次のシーンで確認してみましょう。クリスマスの夜、デルとロドニーはバーに出かけました。

  お店は満員。年上のデルは、立っているのに疲れたようです。一方、ロドニーは向こうのテーブルに素敵な女性を見つけました。

Transcript

Del:

There’s a table free over there, Rodders look lively.

あそこのテーブルが開いた。ロドニー。何をぼやぼやしてる。

Rodney:

Hey Del, look.

おぃ、デル。見て。

Del:

What? Ah no, they’ve only pinched our table.

何だ?だめだよ。俺達のテーブルが盗られたじゃないか。

Rodney:

Don’t worry about the table, Del. Look at them two.

あのテーブルは気にしないで。デル。見て、あの二人。

Del:

But I want to sit down, Rodney.

だけど、俺は座りたいんだ。ロドニー。

Rodney:

We’ll sit down at their table. Come on.

あの子達のテーブルに座ろうよ。行こう。

 いかがでしたか? 僕にはtableがタイボーに聞こえます。

※参考URL

Cockney ― コックニーの発音を練習してみよう

Only Fools ans Horses FANS SITE

※参考図書

『Accents of English 2』 (J.C.Wells 著)

eh?とinnit?~ 『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(7)

51VRRGBRKQL._SL500_AA300_.jpg  『Only Fools and Horses』の台詞には、幾度も聞きなれない単語が挟み込まれていることに気づきました。一つ目は、

  eh? [éɪ,]  - [驚き] 何だって?、[同意を求め] でしょう?

 強調の気持ちが込められているからか、文中でかなり強く発音されています。カタカナ英語はお奨めしませんが、敢えて書くと「エーイーッ」と聞こえます。

 もう一つは、付加疑問文の

  innit? [ɪnɪt]  - 「isn’t it」の略語.

敢えてこちらもカタカナで書くと、「イニッ」と聞こえます。

 

 デルとロドニーが口論をするシーンから、なぜVAT(付加価値税)を支払わないのか、Delの身勝手な理論に注目してみてください。eh?「そうだろ?」「そう思うだろう!?」と同意を迫り、勢いでロドニーを説き伏せようとしています。

Transcript

Del:

Anyway you haven’t put down the VAT.

ところで、お前はVATを記帳してないじゃないか

Rodney:

We don’t pay VAT.

僕達はVATを払ってないよ。

Del:

I know but we collect it, though, don’t we eh? Alright Rodney, alright. Look, so we don’t pay VAT, we don’t pay income tax or national insurance.

知ってるよ、だけどVATは受け取ってるだろ。そうだろ?よし、ロドニー、わかっよ。いいか。俺達はVATは払っていない。所得税も払っていない。社会保険料もだ。

 

On the other hand, we don’t claim dole money, social security, supplementary benefit do we, eh, eh? The Government don’t give us nothing, so we don’t give the Government nothing. Right. What you complaining about?

その代わり、俺達は失業保険も、年金も、補足給付も請求していない。だろう?そうだろう? 政府が俺達に何もくれないんだから、俺達も政府には何も与えない。そうだろ。何か文句があるのか?

Rodney:

Look, I’m 23, I’d like to think I had some sort of a career.

いいかい。僕は23歳なんだ。ちゃんとしたキャリアというものを身に着けたいんだ。

Del:

You’re self-employed, that’s a career, innit?

お前は自営業だ。それが立派なキャリアだ。だろう?

Rodney:

What, selling hankies from a suitcase in Oxford Street? I want something better than that Del.

何?オックスフォード通りでスーツケース広げてハンカチを売るのが?デル、僕はもっと良い仕事をしたいんだよ。

Del:

Alright, alright, in future you can do Regent Street. Come on.

そうか、わかった。じゃあこれからはリージェント通りで売ればいいさ。さあ行くぞ。

ETCマンツーマン英会話 Busy_Busy_Regent_Street.jpg ロドニーは、道端で怪しげな商品を売るような仕事をしたくないと不満を訴えているのに、兄のデルはオックスフォード通りがいやなのかと勘違い(?をして)、じゃあ、通りを変えてリージェント通りにすればいいと言っています。日本の漫才だったら、「そっちの話じゃなくて」、と突っ込みを入れる部分ですね。

 ところで、オックスフォード通りとリージェント通りでは、場所柄や人々が持つ印象に違いがあるのでしょうか。これは、次回ETCマンツーマン英会話のコリン先生のレッスンで質問をして見ることにします。どうぞお楽しみに。

◎コリン先生出演のRadioETC/Podcasting

リージェント・ストリートとオックスフォードストリートの違い

(*)写真:リージェント通り

Soham Banerjee from Bangalore, india (Wikipedia)

自然エネルギーへの希望~ザンビア・バナナ・ペーパー・プロジェクト(6)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110430.mp3 (6分2秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。
今使っている紙が木から作られていることは知っていましたが、実際にどのような過程を経て紙になるのかについて調べて見たことはありませんでした。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

——————————
番組 Transcript
——————————
And talking about this nuclear power accident, we had exactly the same thing happened in Europe 25 years ago. Exactly 25 years ago, and Chernobyl in previously it was Soviet Union. So when that happened, that was happened in the another country, but the radiation came all the way to Sweden. And first, we had blueberries in the forest and mushrooms were affected as well. And then after that, we had effects on the meats, actually the reindeer meats, because we eat the reindeer meats. And now everything is repeating. It is happening in Japan. First it was HORENSO, GYUNYU, milk and spinach and now NIKU, even meats are affected. So we don’t learn very much as human being in 25 years, do we? We forget easily, right? It is a good lesson for us. It is really terrible this accident. You know all thought and all my feeling goes out for, once that I have been affected. Because it is really sad, what is happened.

But at the same time, we have to take this and turn this around, and give some hope. I think that is a big responsibility as grownups for the next generation, to show that children and young people here in Japan and in the world, that there is a hope. I think that is what we have to connect our business or daily life to giving hope now. And there is hope. You don’t need nuclear power. You don’t need oil. There is enough electricity coming from sun or from wind. Did you know for instance like only one hour of sunshine, sun shining one hour on this planet, there is as much energy in that one hour sunshine as we, human being are using one year. We just need to learn how to use that. So if you can use that, we don’t need to have any nuclear power and oil any more.

You know, McDonalds in Sweden are nuclear free. You know almost of all the restaurants in Sweden, and the biggest hotel chain is nuclear power free. And Volvo, the track maker, they have gone the unclear power free. So it is possible. They use wind and sun and water, hydro.

特徴的な母音の音色~ 『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(6)

51NOtItCXQL._SL500_AA300_.jpg■コックニー(Cockney)発音の特徴(4)~特徴的な母音の音色

Cockney では “day” の母音 /eɪ/ が [aɪ] と発音されます。

  day [daɪ]

カタカナ英語はお奨めしませんが、敢えて書いてみると

  ダーイ

のように聞こえます。

オーストラリア英語といえばこの発音がよく知られていますが、もともとは Cockney の影響なのでそうです。]

 BBCの大人気コメディ『Only Fools And Horses』から、このシーンをご紹介。デルが仕入れたちょっと怪しげなブリーフケース。心当たりに電話をかけて売り込んでいます。 「say」、「made」の発音を注意して聞いてみてください。

Transcript

Del:

You’ve gotta see ‘em to believe ‘em Spiros.

Yeah. Ah, I dunno hang on a minute, oi Grandad, where were they made?

見れば分かるよ。

えっ?分からない。ちょっとまって。おじいちゃん。製造国はどこ?

Grandad:

It don’t say

There’s some Chinese writing on ‘em though.

書いてないなあ。

だけど、中国語で何か書いてある。

Del:

Ssshhh! No, no, no it didn’t actually give the maker’s name Spiros,

but then again the best ones never do, do they?

You know what I mean. Yeah.

しーっ。違う、違う、実はメーカーの名前が書いてないんだ。

だけど、もう一度言うけど今まで最高の商品だよ。

わかるだろ。

Rodney:

How’s it going?

どう?

Grandad:

That’s about the 15th.

あれが15番目。

Rodney:

Briefcase he’s sold?

ブリーフケースが売れた数が?

Grandad:

Phone call he’s made.

電話を掛けた数。

 デルが電話で売り込みを続けていると、偶然曰く付きブリーフケースであることが発覚します。さて、どんな問題があったのでしょうか?

※参考URL

Cockney ― コックニーの発音を練習してみよう

Only Fools ans Horses FANS SITE

※参考図書

『Accents of English 2』 (J.C.Wells 著)

Th-Fronting ~ 『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(5)

51f3XXzNoVL._SL500_AA300_.jpg■コックニー(Cockney)発音の特徴(3)~Th-Fronting

 Th-Frontingとは、綴りの ‘th’ の部分を、dental fricative ([θ], [ð]) の代わりに [f], [v] で発音することを言います。

たとえば、

  think ⇒ [fɪŋk]

  mother ⇒ [mˈʌvə]

とのように発音します。カタカナ英語はお奨めしませんが、敢えて書いてみると

  フィンク

  マヴァー

のように聞こえます。

 全く別の単語に聞こえてしまうこともありますが、BBCテレビの大人気コメディー 『Only Fools and Horses』を観て、楽しみながらTh-Frontingに慣れてゆきましょう。

 

 次のシーンは、「自分達の人生にはいつもいろいろなものが欠けている」とロドニーが自分達の境遇を嘆いているシーンです。motherless(母のない)、fatherless(父のない)の発音に注意して聞いてみてください。それぞれ、マーヴァレス、ファーヴァレスの様に聞こえませんか?

Transcript

Rodney:

Do you realise we’ve always had something missing in our lives.

First we was motherless, then we were fatherless and now we’re flogging one-legged turkeys from a three-wheeled van.

僕達の人生はいつも何かが欠けていることに気づかない?

まず母がいなくなって、そして、父もいなくなった。今は一本足の七面鳥を三輪のバンで売っている

Del:

Little acorns.

小さなどんぐり

Rodney:

What, you got one of them missing as well Del?

何?それも欠けているの、デル?

Del:

No. Marks and Spencers started off with a barrow.

そうじゃない。マーク&スペンサーズも手押し車から始まったんだよ。.

Rodney:

At least they had four wheels.

少なくとも彼らは四輪車だった。

Del:

Stop going on about that van will you.

もう、バンの話は止めろよ。

Little acorns.は、次のことわざからの引用です。

  Great oaks from little acorns grow.

  カシの大樹も小さなドングリから育つ。

でも、そのことがロドニーには伝わりませんでした。そこで、デルは大手小売店のマーク&スペンサーの例を上げます。あの大企業も最初は四輪車から始めたんだと。

※参考URL

Cockney ― コックニーの発音を練習してみよう

Only Fools ans Horses FANS SITE

※参考図書

『Accents of English 2』 (J.C.Wells 著)

“hate”が”ate”に?~『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(4)

ofhs.jpg■コックニー(Cockney)発音の特徴(2)~H-Dropping

 前回は、コックニー(Cockney)の発音では「h」の音が脱落するためHong Kongが「オンコン」に聞こえる場面を『Only Fools and Horses』から紹介しました。

 「ホンコン」が「オンコン」になるぐらいでしたら、話の前後関係で理解できると思うのですが、この音が脱落するというのは、実際のコミュニケーションでは色々と誤解が生じるのでは?『Only Fools and Horses』の中にこんな例を見つけました。

 おじいちゃんのグランダッドは孫のロドニーに「エンペラーバーガー」を買ってきてくれるように頼んだのですが、彼が買ってきたのは「チーズバーガー」でした。「エンペラーバーガー」は、このドラマに登場する架空のメニューのようですが、名前からして一番高そうですね。「お金がなくてチーズバーガーしか買えなかった」とロドニーは言いますが、おじいちゃんは納得しません。

【Transcript】

Grandad:

He knows I hate cheese!

彼は私がチーズが嫌いなことを知っているんだぞ!

Del:

Will you stop going on about that rotten cheeseburger, will you!

もう腐ったチーズバーガーの話は止めてくれないか!

僕にはこの

  He knows I hate cheese!

  「彼は私がチーズが嫌いなことを知っている」

が、「hate」の「h」が脱落したために

  He knows I ate cheese!

  「彼は私はチーズを食べたことを知っている」

と聞こえてしまうのです。

意味は正反対。意思疎通に問題が生まれそうです。ネイティブ・スピーカーにはどのように聞こえ、どのように対処しているのでしょう。次回、ETCマンツーマン英会話のコリン先生のレッスンで確認してみようと思います。どうぞお楽しみに。

◎コリン先生出演のPodcasting/RadioETC

コックニーの特徴~H-dropping

NewsETC 「おっと!」は英語で?(発行:2011.4.28)

(注)下記にあるキャンペーンはNewsletterの発行時にETC英会話の会員限定でお知らせしたものです。

(発行:2011.4.29)

[NewsETC]           ETC英会話 – http://www.aoki.com/etc/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
連休のご予定は?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ News038【 目次 】
┠─────────────────────────────────
┣01: 「おっと!」は英語で?
┣02: レッスン再開を検討中の方へ ~ 人気の先生紹介 vol.27
┣03: 再開・紹介キャンペーンと被災地支援
┣04: CD「Speed Learning English」無料貸し出し
┣05: 連休中の休業日について
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この度は東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上
げますとともに、被災された皆様とそのご家族の方々に対しまして、心より
お見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■01: 「おっと!」は英語で?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 イギリス人の英語を聞いている時、単語の途中で音が途切れ、しゃっくり
でもしているかのような発音に出会うことはありませんか?

 これは、glottal stop(声門閉鎖音)を /t/ の代わりに使用しているからで、
イギリス英語ではよく聞かれます。特にコックニー(イギリスのいわゆる労働
者階級の人たちが話す英語)では頻繁に使用されるそうです。カタカナ英語は
お奨めしませんが、敢えて書いてみると僕にはこんな感じに聞こえています。

  letter → レッ アー
  matter → マッ アー
  little → リッ オー

 欧米人が失敗に気づいた時に「おっと!」の意味で使うフレーズ、
“uh-oh”(アッ オー)が、まさにこのglottal stopを使っています。発音方法
は次の通りです。

____________________________________________________________________

Stop the airflow in your throat. It’s like holding your breath not
with your lips, but with your throat muscles. Try holding your breath
there. Then release the air by relaxing your throat muscles.

(唇ではなく、喉の筋肉を閉じるようにして息を止めます。そこで一旦息を止
めて、次に喉の筋肉を緩めて息を吐きます。)

                    English with Jennifer より
                    http://ow.ly/4IE8V
____________________________________________________________________

 BBCの超人気コメディ『オンリー・フールズ・アンド・ホーセズ (Only
Fools And Horses)』の中に、glottal stopを体験する面白いシーンを見つけ
ました。下記のページで紹介しています。

 ▽コックニー(Cockney)!
  BBCコメディ『Only Fools and Horses』で笑いながら学ぶ(1)
  https://etc-eikaiwa.com/78news/68recommend/post_295.html

 連休中に、この『Only Fools and Horses』48話をすべて観ようと思ってい
ます。あなたもどうぞ素敵な連休をお過ごしください。

(*)関連リンク
 ▽Cockney ? コックニーの発音を練習してみよう
  http://hatsuon-kyosei.com/blog/?p=289

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■02: レッスン再開を検討中のあなたへ ~ 人気の先生紹介 vol.27
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆パトリシア先生
 浮間舟渡/英国系ベルギー人/女性/63歳
・英語、フランス語のベテラン講師、在日36年
・ご自宅、又は浮間舟渡駅、蓮根駅近辺のカフェ・レッスンも可
・パトリシア先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/teachers/post_110.html

※こんな生徒さんにお勧め
・ベテランの先生をお探しの方
・楽しく日常会話から学びたい方

☆空き時間 (時間帯によってカフェ・レッスンになる場合あり)
 月 要相談
 火 2PM~
 水 午前中可、午後要相談
 木、金 午前、午後可能
 土 午後可

____________________________________________________________________

◆ブレンダン先生
 あざみ野/豪国人/男性/43歳
・日系企業のVIPの英語指導
・まじめで明るく生徒さんの評判が良く長期で継続されています。
・趣味は写真、読書、旅行、奥様は日本人
・ブレンダン先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/former-teacher/post_104.html

※こんな生徒さんにお勧め
・マネジメント、リーダシップ、行動心理学等、英語で学んでみたい方へ
・田園都市線で先生をお探しの方へ

☆空き時間 (4月より多少変更あり)
 平日 金 7pm~、他は要相談
 週末 土 7pm~、日 終日

____________________________________________________________________

◆トレントン先生
 木場/米国人/男性/32歳
・2005年から大手会話学校講師、本業はライター
・英国、フランスに在住経験あり
・英語と仏語でBA取得
・トレントン先生インタビュー
  http://www.aoki.com/etc/55information/40advice/post_214.html

※こんな生徒さんにお勧め
・基礎から英語を学んでみたい方へ
・木場で先生をお探しの方へ

☆空き時間
 平日 昼~夕方
 週末 応相談

____________________________________________________________________

◆チャールズ先生
 横浜関内/英国(スコットランド)人/男性/67歳
・1986年来日してから20年以上の英語講師経験、ベテランの先生です。
・看護士、TEFLの資格取得
・英国で詩の朗読会の会長を勤めた経験あり
・チャールズ先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/teachers/post_108.html

※こんな生徒さんにお勧め
・ベテランの先生をお探しの方
・横浜で先生をお探しの方

☆空き時間
 月、金 午前中
 火、木 2pm~9pm
 水 午前中(月3回)
 土 午前一こま、午後2pm~4pm
 日 午前中(家族でお出かけの予定のない時は可)

____________________________________________________________________

 他にも、ここでは紹介しきれないほど素敵な先生がたくさんいらっしゃい
ます。お気軽に事務局までお問合せください。

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■03: 再開・紹介キャンペーンと被災地支援
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 毎号の”人気の先生紹介”より、配信から4週間以内に再開申し込みされる方
には、レッスン1時間をプレゼントします。

 また、”人気の先生紹介”に限らず、ご友人を紹介されて会員になられた場
合は、紹介既会員には5000円の謝礼を贈らせていただきます。

 一言、「NewsETCを見ました」とお申し出ください。

 なお、当分の間、新規入会者1名毎に5000円を、ETC英会話より東北地方太
平洋沖地震の被災地支援に義援金として寄付させていただきます。皆さんが
学ぶことが、被災地の復旧、復興に繋がればと思っております。寄付先と金
額については、随時ホームページでお知らせいたします。

 お友達で英会話の先生を探している方に、ぜひお声をおかけください。

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■04: CD「Speed Learning English」無料貸し出し
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ETC事務局は、プロゴルファー石川遼選手もおすすめ、「聞き流すだけ」の
英会話教材「スピードラーニングCD」の無料貸し出しを行っています。

 数に限りはありますが他にも各種取り揃えています。事務局までどうぞお
気軽にお問合せください。

▽CD「Speed Learning English」無料貸し出し
http://www.aoki.com/etc/78news/75campaign/cd.html

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■05: 連休中の休業日について
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 連休中、事務局は下記の日程でお休みとさせていただきます。

  4月29日~5月1日
  5月3日~5日
  5月7日~8日

 上記休業日はメールの開封と電話の受付が出来ません。レッスン日程変更
等のご連絡は、直接先生にお電話いただきますようお願い申し上げます。メー
ルでのご連絡の場合は、先生の他に事務局にもCCでお送りください。ご不便
をお掛けいたしますが、どうぞ宜しくお願いいたします。

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●発行   :株式会社イーティーシー 福本哲也
       TEL 03-3924-3853 / ………
●営業時間 :月曜~金曜/9:30am-6:00pm
       第2&第4土曜/9:30am-3:00pm
●お休み  :日曜、祝日、第1、第3、第5土曜日

●企画・編集:株式会社青樹劇場 青樹洋文

●このメールは、当社ホームページ掲載個人情報利用規約に基づき、会員に
新たなサービスの提供紹介の一環としてお送りしています。

▽個人情報利用規約
http://www.aoki.com/etc/78news/etc_2.html

●転送自由です。

●バックナンバーはこちら
http://www.aoki.com/etc/80company/70magazine/
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H-Dropping(h音が脱落)~『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(3)

ETCマンツーマン英会話プライベートレッスン Only Fools and Horses■コックニー(Cockney)発音の特徴(2)~H-Dropping

コックニー(Cockney)の発音では「h」の音が脱落します。

たとえば

  ・half [hάːf] → [a:f]

  ・horse [hɔ:s]  → [ɔ:s] または [ɔəs]

と発音されます。

カタカナ英語はお奨めしませんが、敢えて書くとすれば、

  ・half (アーフ)

  ・horse (オース)

と、最初の「h」が脱落して聞こえます。

 このH-Droppingは Cockneyに限らず、他のいくつかの地域の発音でもよくありますね。

 さて、BBCの超人気コメディーシリーズ『Only Fools and Horses』に、H-Droppingが分かりやすいこんなシーンがありました。ロドニーが兄のデルと喧嘩をして家出をしてしまいます。おじいちゃんはロドニーが何処に行ってしまったと言っているでしょうか。

【Transcript】

Grandad: Where was you first thing this morning?

朝っぱらから何処にいた?

Del: I was out tryin’ to sell these things!

商売だよ。

Grandad: Did you call Rodney?

ロドニーに電話したか?

Del: No, I thought I’d let him lie in and sleep his hangover off. Is he still in bed?

いいや。二日酔いで寝てると思ったから起こさなかったよ。まだ寝てるの?

Grandad: No, he’s gone!

そうじゃない。ロドニーは家を出て行ったぞ!

Del: Gone?

出てった?

Grandad: Packed his ruck-sack and had it away on his toes!

リックに荷物を詰めて、逃げるようにして出てったぞ。

Del: What do you mean gone? Where’s he gone?

出てったって、どういう意味だ?どこに行ったんだ?

Grandad: Hong Kong.

香港

Del: Hong Kong? What do you mean Hong Kong?

香港? 香港ってどういう意味だ?

Grandad: Hong Kong. It’s in China.

香港。中国の香港。

Del: I know where Hong Kong is! What I want to know is what’s Rodney doing there?

香港がどこにあるかは知ってる。そこでロドニーが何をしているの知りたいんだ。

「Hong Kong」を「オンコン」と発音しているのがよく分かりますね。

※参考URL

Cockney ― コックニーの発音を練習してみよう

Only Fools ans Horses FANS SITE

※参考図書

『Accents of English 2』 (J.C.Wells 著)

しゃっくりみたいなglottal stop~『Only Fools and Horses』で笑いながらマンツーマン英会話(2)

 前回「コックニー(Cockney)発音の特徴(1)~Glottalling」で、コックニーの発音では、/t/の発音の代わりに、glottal stop(声門閉鎖音)が頻繁に使用されていると書きました。では、glottal stopはどんな風に発音したらよいのでしょうか。

 『English with Jennifer』の「Lesson 14 – Glottal Stop – English Pronunciation」の中に、分かりやすい説明がありましたので、ご紹介します。この動画ではGlottal Stopの発音方法を、「foutain」(噴水)という単語を使って説明しています。

 

– How do you make the glottal stop? –

 1)stop the airflow in your throat.

   Some pleople compare to hiccups.

   (息の流れを喉で止めてしまいます。

    しゃっくりに例える人もいます。)

 2)The key is to try holding your breath not with your lips or tongue,

   but with your throat muscles.

   (キーポイントは唇を閉じたり、舌を使うのではなくて、喉の筋肉をつかって呼吸を止めること)

 3)Then release the air by relaxing your throat muscles.

   (呼吸を止めたら、今後は喉の筋肉をリラックスさせて息を吐き出します)

 単語の途中で「音を飲み込んでいる」ように聞こえるコックニーの秘密が、少し分かってきましたね。

ETCマンツーマン英会話プライベートレッスン English with Jennifer 『English with Jennifer』の動画は、「canとcan’tの聞き分け方」でも、ご紹介しましたお奨めのコンテンツです。アメリカ人のJennifer先生が、英語の文法、ボキャブラリー、そして発音等について、本当にきめ細やかにレッスンして下さっている様子を、YouTubeで動画配信しています。

 特に効果的なのは毎回レッスンの最後に収録されているExercise。 Jennifer先生の説明がとても分かりやすいため、100%理解できたような錯覚に陥るのですが、実際にExerciseで確認してみると、まだまだ完璧でないことに気づきます。

 引き続き、勉強して行きましょう。楽しみながら。

責任の取れる便利さ~ザンビア・バナナ・ペーパー・プロジェクト(5)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110427.mp3
 (4分43秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。
今使っている紙が木から作られていることは知っていましたが、実際にどのような過程を経て紙になるのかについて調べて見たことはありませんでした。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
 環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

——————————
番組 Transcript 
——————————
That’s why we have to do, because look at the nuclear power station in Fukushima now. I didn’t think about the nuclear power before. Now, all of sudden, we start to think where our electricity come from, you know. Where is energy made? How is it made? So it is a same thing here. But I can almost prove you that, listeners, they keep Africa in their pockets, because ten yen coin, it is made from capper. And most of them are made from Zambia. So You have Zambia and Africa already in your pocket everyday, even though we don’t know it.

I believe like comfort is not a bad thing. I think everyone want to have comfort. Everyone loves to get it to for instance ROTENBURO, hot spring. Like this, everyone likes that. That is comfort. So everyone loves comfort and I think comfort is very important. But what we need from now on is comfort with responsibility. Just what you say like, where does this comfort come from. What is that made my life as it is now. I mean it is all part of the evolution. That is human being. But comfort with responsibility, that is very important.

コックニー(Cockney)!~BBCコメディで笑いながらマンツーマン英会話(1)

ETCマンツーマン英会話プライベートレッスン Only Fools and Horses 初めてのロンドン出張。空港でタクシーに乗ってびっくり。運転手さんが話す英語が全く分からないのです。「これは本当に英語だろうか?」と疑いたくなるほど。これが、いわゆるロンドンの労働者階級の人々が話すという英語、コックニー(Cockney)だったのです。

 「英語を母国語とする人々の英語さえ分からない」と、僕はとてもショックを覚えました。ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生のアドバイスは、「様々な英語の訛りを数多く聞くこと」でした。そこで、BBCの『ベスト・コメディ』投票でも1位に輝いた超人気のTVコメディシリーズ、『オンリー・フールズ・アンド・ホーセズ (Only Fools And Horses)』で学んでことにしましょう。

        - ☆ – ☆ – ☆ – ☆ – ☆ – ☆ –  

■コックニー(Cockney)発音の特徴(1)~Glottalling

 コックニーの発音の特徴の一つは、Glottalling。いわゆる glottal stop(声門閉鎖音=閉じた声門が開放されて起こる破裂音)を /t/ の代わりに多用する傾向のことです。音声表記は [ʔ] で表します。イギリス英語では非常によく聞かれる発音ですが、Cockney では頻繁に使用されるそうです。

 僕には「音が詰まって」聞こえたり、「/t/の音を飲み込んでいる」ように聞こえます。カタカナ英語での学習はお奨めしませんが、敢えて書いてみるとこんな感じに僕には聞こえています。

  letter → レッ アー

  matter → マッ アー

  little → リッ オー

 『Only Fools And Horses』に、いい例がありました。黒人としては初めてアカデミー主演男優賞を受賞した映画俳優、シドニー・ポワティエ(Sidney Poitier)の名前の発音について、おじいちゃんのグランダッド(Grandad)と、孫のロドニー(Rodney)が口論になるシーンです。

【Transcript】

Grandad:

That Sidney Potter’s a good actor, ain’t he Rodney?

He was marvellous in Guess Who’s Coming To Dinner.

このシドニー・ポーッアーはいい俳優だな。ロドニー

『招かれざる客』の彼はすばらしい。

Rodney:

Yeah, knockout Grandad. Sidney Potter?

そうだね。おじいちゃん。すばらしいね。えっ、シドニー・ポーッアー?

Grandad:

Yeah, you know him, always plays the black fella.

そうだ。知ってるだろ。いつも黒人の役を演じている彼さ。

Rodney:

It’s Sidney Poitier.

それは、シドニー・ポワティエだよ。

51CBAu2DMdL._SL500_AA300_.jpgGrandad:

Sidney Potter!

シドニー・ポーッアーだ!

Rodney:

Look, it’s Poitier.

ポワティエだって。

Grandad:

It’s Potter.

シドニー・ポーッアーだって!

Rodney:

It’s bloody Poitier I’m telling you.

絶対ポワティエだよ!間違いない。

Grandad:

And I’m telling you it’s bloody Potter.

絶対ポーッアーだ!間違いない。

 「Poitier」 か 、それとも「Potter」か? いずれにせよ、/t/が「glottal stop(声門閉鎖音)」になっているのがよく分かりますね。

 では、シドニー・ポワティエ(Sidney Poitier)は、どんな風に発音するのが正しい(?)のでしょうか。2001年のアカデミー賞で、彼がオスカー名誉賞を受賞したシーンです。プレゼンターはデンゼル・ワシントン。彼の発音が一つの参考になりそうですね。

Sidney Poitier accepting an Honorary Oscar

[了]

※参考URL

Cockney ― コックニーの発音を練習してみよう

悲報(号泣)英国が生んだ伝説のクリエイターが天国に召されました☆RIP John Sullivan

Only Fools ans Horses FANS SITE

※参考図書

『Accents of English 2』 (J.C.Wells 著)

■追記

 ちょうどこの原稿を書き始めた2011年4月24日、『Only Fools And Horses』の作者、ジョン・サリバン(John Sullivan) が前日に他界されていたことを知りました。なんという偶然でしょう。ご冥福をお祈りします。

Del Boy creator John Sullivan whose genius shames today’s charmless comics

しばらく彼の作品『Only Fools And Horses』をじっくりと楽しみながら、コックニーを学んで行きます。どうぞお付き合いください。

名刺はあなた自身~ザンビア・バナナ・ペーパー・プロジェクト(4)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110424.mp3
(4分46秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。
あなたの分身である名刺が、どんな紙で作られているのか、ということも大切だとは思いませんか。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
 環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

——————————
番組 Transcript 
——————————
And if you as businessman in Japan or businesswoman want to provide an extra policy for yourself or company, kind of social responsible company or social responsible policy, those business cards are perfect for you, because you show that you care. Because when you hand over your business card, you prove that you are protecting the forest, protecting people’s livelihood, you are helping solving poverty, you take responsibility. So when you hand over our business card, and you have normal paper, average paper from tree somewhere, it might be from a deforested area. It might be from a rain forested in Southeast Asia. It might be from a place where small children have worked long hours in dirty factories. So is that good for you symbolically? In Japanese you say KOTOSAMA, it is like words, what you are doing, has a special soul. So you are a kind of providing an energy, positive energy or negative energy. I think those business cards made from banana paper are symbolically important, because they have soul.

NewsETC 「Comfort With Responsibilityとは」(発行:2011.4.23)

(注)下記にあるキャンペーンはNewsletterの発行時にETC英会話の会員限定でお知らせしたものです。

(発行:2011.4.23)

[NewsETC]           ETC英会話 – http://www.aoki.com/etc/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
もうすぐ連休ですね
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ News037【 目次 】
┠─────────────────────────────────
┣01: Comfort With Responsibilityとは
┣02: ポッドキャスティング ~ ザンビア・バナナペーパー・プロジェクト
┣03: レッスン再開を検討中の方へ ~ 人気の先生紹介 vol.26
┣04: 再開・紹介キャンペーンと被災地支援
┣05: 今だからこそ「学ぶ」大切さ ~ 代表 福本哲也インタビュー
┣06: CD「Speed Learning English」無料貸し出し
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 この度は東日本大震災により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上
げますとともに、被災された皆様とそのご家族の方々に対しまして、心より
お見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■01: Comfort With Responsibilityとは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 東京で使っている電気が、福島の原子力発電所で作られていることを、僕
は知りませんでした。そして、その電気を使うことはなかった福島の人々20
万人以上が、その原発の事故のために避難を強いられることになりました。

 これと似たような話を、以前ペオ・エクベリさん(スウェーデン出身の環境
コンサルタント)から教えていただいたことを、思い出しました。

 携帯電話の中には、タンタルというレア・メタルが使われています。産地
はアフリカのコンゴ等の限られた地域。この金属の採掘のために山が切り開
かれ、生息地を奪われたマウンテンゴリラが絶滅の危機に瀕していること。
また、この金属の利権争いが絡み内戦が激化。約25万人のコンゴの人々が住
む場所を奪われたこと。でも、携帯電話が使えるのは、避難しているコンゴ
の人々ではなく、先進国に住む僕なのです。

____________________________________________________________________

 携帯電話を使ってはいけないという意味ではありません。便利さは大切な
ことです。でも、短期間で買い換えるのではなく、出来るだけ大切に長く使
うようにして下さい。そのことが、マウンテンゴリラの保護、そしてそこに
住む人々の安全に繋がって行きます。

 「責任の取れる便利さ(comfort with responsibility)」を考えることが大
切だと思います。

                 ペオ・エクベリ(環境コンサルタント)
____________________________________________________________________

 さらに、ペオさんは「traceability(トレーサビリティ)」と言う言葉を教
えてくれました。

 traceabilityとは、trace(追跡)ができること。すなわち、あるものが何処
で、どのようにして作られ、どんな経路を通って、自分の手元に届き、この
後何処に行って、どのように処理されるのか、という履歴を確認できること
を意味します。

 福島の原発も、コンゴの内戦も、その問題の根源は同じだと感じています。
それは、どちらも僕が知ろうとして来なかったこと。「comfort without
responsibility」。自分の現在の生活がどのようにして成り立されているの
か、その根源を辿る責任を果たさず便利さだけを享受していたことです。

 traceと同類の語源を持つ単語にtrainがあります。意味は「次々と物を引
き出してくる」こと。ここから、training(訓練)は色々なやり方で次々と力
や才能を引き出して、熟達する過程を意味するようになったとのことです。

 根源を辿ることは、未来へ可能性と希望を引き出してくれることに繋がる
に違いありません。

(*)関連リンク
 ▽One World Network (ペオ・エクベリさんの活動紹介)
   #

 ▽The Dark Side of Chocolate
  (チョコレートのカカオ農園における子ども達の強制労働を潜入調査した
   ドキュメンタリー映画)
   http://ow.ly/4EUQg

 ▽Congolese Citizens Caught in Crossfire of Battle for
  Region’s Lucrative Resources (Democracy Now. 2008.11.13)
  (レア・メタルを巡るコンゴ内戦と避難民のニュース)
   http://ow.ly/4EPFC

(*)参考図書
 『シュップリー英語語源辞典』(ジョーゼブT・シップリー 著)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■02: ポッドキャスティング ~ ザンビア・バナナペーパー・プロジェクト
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 バナナの茎から紙が作れるということはご存知ですか?木材から作る紙と
比べてみると、たくさんのメリットがあるようです。ゲストは、スウェーデ
ン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。

 ▽バナナ名刺を作るきっかけとなったあの事件
  https://etc-eikaiwa.com/25podcast/post_250.html

 ▽バナナで紙を作る4つの利点
  https://etc-eikaiwa.com/25podcast/42.html

 ▽フェアトレードとは
  https://etc-eikaiwa.com/25podcast/3_8.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■03: レッスン再開を検討中のあなたへ ~ 人気の先生紹介 vol.26
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆パトリシア先生
 浮間舟渡/英国系ベルギー人/女性/63歳
・英語、フランス語のベテラン講師、在日36年
・ご自宅、又は浮間舟渡駅、蓮根駅近辺のカフェ・レッスンも可
・パトリシア先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/teachers/post_110.html

※こんな生徒さんにお勧め
・ベテランの先生をお探しの方
・楽しく日常会話から学びたい方

☆空き時間 (時間帯によってカフェ・レッスンになる場合あり)
 月 要相談
 火 2PM~
 水 午前中可、午後要相談
 木、金 午前、午後可能
 土 午後可

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◆ブレンダン先生
 あざみ野/豪国人/男性/43歳
・日系企業のVIPの英語指導
・まじめで明るく生徒さんの評判が良く長期で継続されています。
・趣味は写真、読書、旅行、奥様は日本人
・ブレンダン先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/former-teacher/post_104.html

※こんな生徒さんにお勧め
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 平日 金 7pm~、他は要相談
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◆トレントン先生
 木場/米国人/男性/32歳
・2005年から大手会話学校講師、本業はライター
・英国、フランスに在住経験あり
・英語と仏語でBA取得
・トレントン先生インタビュー
  http://www.aoki.com/etc/55information/40advice/post_214.html

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・木場で先生をお探しの方へ

☆空き時間
 平日 昼~夕方
 週末 応相談

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◆チャールズ先生
 横浜関内/英国(スコットランド)人/男性/67歳
・1986年来日してから20年以上の英語講師経験、ベテランの先生です。
・看護士、TEFLの資格取得
・英国で詩の朗読会の会長を勤めた経験あり
・チャールズ先生インタビュー
  https://etc-eikaiwa.com/teachers/post_108.html

※こんな生徒さんにお勧め
・ベテランの先生をお探しの方
・横浜で先生をお探しの方

☆空き時間
 月、金 午前中
 火、木 2pm~9pm
 水 午前中(月3回)
 土 午前一こま、午後2pm~4pm
 日 午前中(家族でお出かけの予定のない時は可)

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 他にも、ここでは紹介しきれないほど素敵な先生がたくさんいらっしゃい
ます。お気軽に事務局までお問合せください。

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■04: 再開・紹介キャンペーンと被災地支援
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 毎号の”人気の先生紹介”より、配信から4週間以内に再開申し込みされる方
には、レッスン1時間をプレゼントします。

 また、”人気の先生紹介”に限らず、ご友人を紹介されて会員になられた場
合は、紹介既会員には5000円の謝礼を贈らせていただきます。

 一言、「NewsETCを見ました」とお申し出ください。

 なお、当分の間、新規入会者1名毎に5000円を、ETC英会話より東北地方太
平洋沖地震の被災地支援に義援金として寄付させていただきます。皆さんが
学ぶことが、被災地の復旧、復興に繋がればと思っております。寄付先と金
額については、随時ホームページでお知らせいたします。

 お友達で英会話の先生を探している方に、ぜひお声をおかけください。

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■05: 今だからこそ「学ぶ」大切さ ~ 代表 福本哲也インタビュー
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 ETC英会話の代表、福本哲也のインタビューです。

 ▽今だからこそ「学ぶ」大切さ
  http://www.aoki.com/etc/80company/60blog/post_30.html

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■06: CD「Speed Learning English」無料貸し出し
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 ETC事務局は、プロゴルファー石川遼選手もおすすめ、「聞き流すだけ」の
英会話教材「スピードラーニングCD」の無料貸し出しを行っています。

 数に限りはありますが他にも各種取り揃えています。事務局までどうぞお
気軽にお問合せください。

▽CD「Speed Learning English」無料貸し出し
http://www.aoki.com/etc/78news/75campaign/cd.html

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●発行   :株式会社イーティーシー 福本哲也
       TEL 03-3924-3853 / ………
●営業時間 :月曜~金曜/9:30am-6:00pm
       第2&第4土曜/9:30am-3:00pm
●お休み  :日曜、祝日、第1、第3、第5土曜日

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フェアトレードとは~ザンビア・バナナ・ペーパー・プロジェクト(3)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110421.mp3
(4分4秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。
アフリカ支援と聞くと、何をイメージするでしょうか。
従来の支援の問題点と、このバナナ・ペーパー・プロジェクトの違いをペオさんが説明してくれました。

■関連リンク
アフリカから「サステナブルな紙」の誕生~質が良く、自然と人を守る紙。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

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番組 Transcript
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Usually when we think of Africa and their poverty, maybe we want to give some money, right? We want to joint some charity or give some extra money, support like aid. But that is just giving one way. That is not helping in the end. So far actually the last 50-60 years, Africa has become poorer than it was before, even though the aid all over the world and charities are increasing. This one way system of giving money doesn’t help Africa very well to get out their problems. What we have to do is to do it more sustainable. We need new approach. We actually cooperate and help together with the African people, because there is a lot of entrepreneurship, there is a lot of people who really want to work and to do good things in Africa, and have good ideas. If we can support that, then we can find a very interesting Eco-business together. That is what we are doing now in Africa. We don’t go there just to give away money. We have an agreement that they will produce paper for us and that is for Japanese market first of all, and then after, as second step, for the African market too. And they will be paid for that. We create the employment. And they actually get higher paid than other work, which makes it very fair. We call it as fair trade, right?

But the fair trade doesn’t only have economical merits. Plus with it, it is also, we aim to have fair trade paper. So fair trade means also to take care of the people that works for us. What we have engaged in an agreement, special agreement with all the ladies, who worked with us, that they are not allowed to employ any children. And we call it child labor. No child labor, their children should go to school.

In the agreement, it also said that they have to use the gloves when they cut banana brunches, because they could cut themselves, right? And we have make sure that banana owner has boots when he goes in to get the banana branches for us. So far he went in without any shoes, and he has bitten by snakes many times in his normal work. But we don’t want him to do that.

So to take care of their working environment, to take care of the employees is very important. And also we have prepared and trained the ladies in basic first aid. So we have a first aid kids, where they are working. So if something happened, they know how to treat themselves with Band-Aid. You know, simple thing like Band-Aid is something they didn’t know about. But now they know about that.

And another thing that I want to emphasize, when there is poverty like here, and sometimes it leads to people killing dangerous animals, like elephants and so on, to sell ivory. This ivory sometimes is coming to Japan or China, or Europe. And sometimes it is coming here illegally. And that is why the rhinoceros has already disappeared from this area. It is not only danger. It is distinct. So one reason to do this is because of poverty, because they have no money. So what we can do is to create employment for the people in village and tell them about the environment protection. And at the same time, that will help, protect in-danger animals and biodiversity.
 

バナナで紙を作る4つの利点~ザンビア・バナナ・ペーパープロジェクト(2)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110418.mp3
(8分11秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。

バナナの茎から作る紙は、木材から作られる通常の紙にくらべてどのようなメリットがあるのでしょうか。ペオさんに質問してみました。

■関連リンク
・アフリカから「サステナブルな紙」の誕生~質が良く、自然と人を守る紙。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

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番組 Transcript
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The merit, first of all, that you never cut a single tree, when you make paper from banana. And then that protects forests. That is the main merit. And if I explain it simply, it is not fruits that we make paper from. It is the plants or tree where the fruit grows on. Every time you take down the fruit to eat it to enjoy the taste, there will never become a new fruit again on that particular brunch, 枝 in Japanese, right? So you have to cut that brunch. You cut the brunch. And then you will have a new banana fruit glowing back. And within 3 to 8 months, there will be new brunch. Within one year you have a new banana brunch, which means, compare to trees, it takes ten years to fifty years, right. So that is absolutely a big merit. So you have an incredibly renewable material here, right? That is very interesting.

And now we have to understand that like a tree, when you make paper, you need fibers to bind the paper to make strong paper. And in normal wood for the forest, and normal tree, their fibers are very, very short less than 1 cm. But the banana tree has fibers that are more than 1 meter. It is incredibly big difference, which makes the paper from the banana wood stronger maybe even than the normal paper. So it makes a very high quality paper. It is a big difference from for instance elephant dunk paper or some other recycle paper that is mostly made for souvenir. We don’t make paper for souvenir. We make paper that you can use for business cards in Japan. That is a high quality.

Another very good merit compared to tree paper is that the banana has very a few chemicals. Or if you succeed all way, it has no chemical when you make paper. When you make normal from wood, you always need a lot of chemicals to really make it white, to make it stronger. But banana paper, you don’t need so many chemicals or none chemicals at all.

So the banana paper we make, it is from African plantation in Zambia. It is a fantastic place called South Luangwa National Park, where there are elephants, giraffes and zebras roaming free all over the place. And there are some really quite villages, where people are very, very poor. They have no jobs. So we have to create employment in these villages by employing the women mostly. And in these villages to do the first step, which is taking the fibers from these banana plants, and then send these fibers to Japan. We will make paper in a very special machine that uses absolute no chemicals.

And above all, this is very interesting, but the banana plantation where we will get fibers from, the banana plantation itself is organic too, no chemical at all. That is very unusual actually.

バナナ名刺を作るきっかけとなったあの事件~ザンビア・バナナ・ペーパー・プロジェクト(1)

マンツーマン英会話プライベートレッスン/RadioETC110415.mp3
(4分4秒)

今日のゲストは、スウェーデン出身の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんです。ペオさんと奥様の聡子さんがザンビアで始めたバナナペーパープロジェクトについてお話しをお聞きします。

バナナの茎から紙が作れるってご存知でしたか。木材から作られる紙と比べてみると、たくさんのメリットがあるようです。そもそも、ペオさんがこのバナナ・ペーパー・プロジェクトを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

それは、3年前に起ったこんな事件にありました。

■出演
・ペオ・エクベリ(Peo Ekberg)
環境コンサルタント、OneWorld Network代表、One Planet Cafeアドバイザー

■聞き手
・青樹洋文

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番組 Transcript
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2 years ago when I looked for some really Eco-friendly, environmental friendly paper for my business cards. Because as you and listeners know, we had a big problem in Japan, the big paper companies in Japan told lies about their so called true recycle paper. That was a very bad accident happened, right? So I decided to try not to use normal papers as much as I could. So I went to paper free as much as I could. I didn’t write and print things, but I putted on my computer instead of that. But when I come to MEISHI, business cards, in Japan it is very, very important to use business cards. And you can not use your iPad or iPhone for substitutes to business cards. So I was looking for some really good business cards. And I found this, very interesting banana business cards in Japan and started to print them on these cards.