海外SNSで話題!? キアヌ・リーブスの英語は分かりづらい?

 
 Thanks for finding her.
 車を見つけてくれてありがとう

 キアヌ・リーブス(Keanu Reeves)主演のアクション映画『ジョン・ウィック:チャプター2』(John Wick: Chapter 2)での台詞です。現在『ジョン・ウィック』シリーズは4作まで続いていますが、その第2作です。




 

 ジョンはギャングに車を盗まれてしまいました。亡き妻との思い出が詰まった大切な車です。それを探し出してくれたのは、自動車修理会社のオーレリオ(Aurelio)でした。

 ”her”はジョンの愛車のこと。「彼女」と擬人化することで、乗り物への愛着や敬意を表現しています。

 さて、このジョンの台詞ですが何度聞いても(Thanks for findinger)のように聞こえます。

 ETC英会話のアーロン先生の解説によれば、「これは”her”の”h音が脱落し、残った”er”が、前の単語の”finding”の”g”と結合、その上で”findinger”のように1つの単語のように発音している」のだそうです。

 finding (h)er — (h)が脱落
 finding + ergerが結合
 findinger — ひとつの単語のように発音
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 この映画では、ジョンの聴き取りづらい台詞が続きます。

 愛車フォード・マスタングを取り戻す際に、ギャングの激しい抵抗にあったため車はボロボロになってしまいました。エンジンは外れかけ、シャーシは曲がり、軌道軸は壊れ、フロントガラスには大きなヒビが入ってしまいました。

 到底修理が可能には思えませんが、ジョンは悪びれる様子もなくオーレリオに言いました。

 Let me know when it’s fixed.
 直ったら教えてくれ

 このクールな台詞は、次のように聞こえます。

 lemino wenitsixt

 アーロン先生によれば、”it’s”の”s”と”f”が結合、そして”f”がほとんど発音されず、さらに”wenitsixt”のように1つの単語のように発音しているとのことです。

 「キアヌは喋り方に抑揚がなく、また単語と単語の間に切れ目がありません。よって単語同士が前後で結合し、その際にhやfなどの強い音が脱落変化する傾向があります。ただし、このような喋り方はネイティブスピーカーの日常会話では、よくあることです。例えば、私の出身のケンタッキーでも、多分私を含め多くの人がこのような話し方をしていると思います」(アーロン先生)

 では、このような英語が、聞き取れるようになるにはどうしたらよいのでしょうか?

「残念ながら簡単に聴き取るためのコツのようなもの、近道はありません。映画であればまず字幕で英文を確認。その上で何度か繰り返して聞いてみます。そして、自分でも真似をして声に出して言ってみます。普段このような喋り方をする必要はありまけんが、これを繰り返すうちに、どの音が脱落し、どのように変化し、単語同士がどのように結合しているのかが、わかるようになってきます」(アーロン先生)

 興味深いのは「ジョン・ウィックの英語はわかりづらい」と、海外のSNSでも話題になっていることです。

 「ジョンは敵との格闘で喉や胸をなぐられ過ぎて、発生が難しくなってしまったのか」、「カーアクションで頭を強く打ってしまったのではないか」「適切な言葉を繋ぎ合わせて文章にすることができていない」などと投稿がありあした。

 これに対して、「いや、彼はベラルーシ出身(育ち?)という設定なので、英語が母国語ではない人の喋り方という役作りだ」とか、「映画の第1作から第3作はたった1週間の出来事」「この短期間にあれだけ車をぶつけられ、銃で撃たれた上に、医師による適切な治療も受けられず、さらにほとんど寝てなければ、あのような話し方になるのはしょうがない」「亡き妻からの贈り物だった子犬を殺されるなど、ジョンは失意のどん底にある。そういう時は人が言葉少なになるのは当たり前」などなどの返答があり、映画ファンの方々が楽しみながら議論をしています。

※[John Wick] Does Mr. Wick have a speech impediment of some kind? : r/AskScienceFiction
([ジョン・ウィック】ウィック氏は言語障害のようなものを持っていますか?)

[語註]
speech impediment
発話[発語・言語]障害

 一般的にアクション映画では、アクションが多めで台詞が少ない傾向があり、英語学習の題材には不向きな場合もあります。「キアヌであれば古い作品ですが」とアーロン先生が勧めてくれた映画です。

 『マイ・プライベート・アイダホ』(My Own Private Idaho)

 映画『スタンド・バイ・ミー』で注目を集めたリヴァー・フェニックス(River Phoenix)と共に主演を務めています。現在ではアクションスターとしてのイメージが強くなったキアヌですが、この映画では饒舌で、より聞き取りやすい英語で話しており、聞き取りの練習になるとのことです。




 映画の中の1つの台詞がきっかけとなり、次の映画へと世界が広がって行きます。あなたもETC英会話のレッスンで、大好きな映画を題材に先生と楽しみながら会話をしてみてはいかがでしょうか。

(*)関連リンク
※AIコンサルタントがお薦めの英文ライティング上達ツールは ― アーロン先生  ETCマンツーマン英会話

(*)映画の英文字幕の検索サイト
https://www.scripts.com/

※映画『ジョン・ウィック:チャプター2』(John Wick: Chapter 2) 字幕編

※映画『マイ・プライベート・アイダホ』(My Own Private Idaho)

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