英会話の先生ではなくインストラクターとして – フレッド先生(リモートレッスン) ETCマンツーマン英会話
Q: お生まれはどちらですか?
シアトル近郊で生まれました。かつて野球選手のイチローがプレーしていたあのシアトルです。ただ、ここにいたのは18歳の時まで。その後、4つの専門学校に通うことになります。18,19歳の頃。まだ自分が本当に何をしたいのかが分からない時代です。ワシントンの中心地にある専門学校に通った後、オレゴン州の芸術専門学校に入学し、陶芸、彫刻、写真を学んでいました。とてもよい学校だったのですが残念ながら廃校となってしまいました。その後、4ヶ月間りんご農園で働いたり、1ヵ月半雪深い山の中で独りで暮らしたりしていました。
そんなある日、町の郵便局であるポスターが目に入りました。“Join the navy, see the world.” 海軍への入隊を促すポスターです。ベトナム戦争の時代でした。戦争に行く?そんなことはしたくはありませんでした。ただ、海軍では良い教育の機会が得られることを知り、入隊を決意したのです。幸運にもベトナム戦争には直接関わることはありませんでした。海軍学校では一番の成績を収めることができたため海外就労を許可され、横須賀に2年間駐在しました。その後、サンフランシスコで日本人女性と出会い結婚。半年後、「父の側で暮らしたい」という妻の希望で日本で生活をすることになります。
海軍に4年間勤務したため、米国政府より4年間の教育費及び生活費が支給されることになりました。そこで、私は上智大学でジャパノロジー(日本学)を学ぶことにしました。その後、英語教育に関わるサービスを始めることになります。日本で暮らすようになってから38年、英語教育には30年以上携わっています。
Q: 英語を習得する上で、先生が感じる日本人の弱点、改善すべき点は?
日本人は記憶力においてはとても優れていると思います。ただ、この能力は語学においては強みとは言えないのです。1つの単語やフレーズが記憶している1つの意味である場合は少なく、様々なパターンで使われます。語学に必要なのは、その様々なパターンを推測する力、考える力なのです。日本人はリーディングが強いと言われますが、読んでいても実際は何を読んでいるのか分かっていない方が多い。これも考える力が欠けているからです。
また、英語に限らずこれは日本の教育システムの特徴ですが、復習が中心の学習法になっています。つまり、レッスンを受講する際に、全く準備をせずにゼロの段階で教室のドアを開けてしまうのです。これでは受身の授業となってしまいます。レッスンで自ら話すことができず、会話力の向上にはなりません。事前に準備をして、分からないことを先生に質問する。そして、先生の説明を聞いて理解する。話す、話す、話す。こうすることで、最も大切な会話力が鍛えられて行くのです。
Q: 具体的にレッスンはどのような形で行われているのですか?
レッスンは生徒さん毎にカスタマイズしています。そのため、最初のレッスンでは生徒さんの英語を学ぶ目的をお聞きしています。レッスンで何がしたいか、そして何がしたくないかを。
例えば、現在教えている生徒さんに医学博士の方がいらっしゃるのですが、その方のレッスンではご自身のお仕事、現在関わっているプロジェクトについてひたすら英語で話をすること。私自身はエンジニアリングを学んだ経験がありますので、この生徒さんの話しが理解できますので、彼の話を引き出すような質問をして、より話がしやしすくなるような環境を作っています。
一方、TOEICで高得点を取りたいという生徒さんには、会話ではなくリスニング中心のレッスンを行っています。
また合気道の国際大会で他国の外国人選手と英語で話をしたいという生徒さんには、ロール・プレイングを行っています。
Q:英語で合気道を教えるための会話ですか?
いいえ。”How long you have been doing AIKIDO?”、 “Where are you from?”、お酒を飲むのが好きな生徒さんなので、 “Do you like drinking?” 等など。日常生活に関わる一般的な会話、全てです。
Q: シアトルの英語には訛りはあるのでしょうか。
カリフォルニア・アクセントのようなものはありますが、それほどきつくはありません。この土地の気候も訛りに関係しているのかもしれません。シアトルは雨が多いため、外出するのは控えめになり、その代わり自宅でゆったりと読書をして過ごします。当然、話し方もリラックスしてゆったりとした口調になっていきます。映画『Sleepless in Seattle』(邦題:めぐり逢えたら)での、トム・ハンクスの英語が良い例です。映画ではトムが演じるサムはシカゴからシアトルに越してくるという設定です。でも、トム・ハンクス自身はカリフォルニア出身なので、カリフォルニア・アクセントになっていたように思います。一方、相手役のメグ・ライアンが演じるアニーは確かニューヨーク出身でボルチモア在住、早くて、押しの強い英語を話しています。
例えば、アメリカの西海岸と東海岸、発音では次のような違いがあります。次の3つの単語で説明をしましょう。
– bought - thought - got
西海岸ではこれらの単語は、日本語の「ア」に近い音、あえてカタカナで書くとしたら”バァート”、”ソァート”、”ガァート”のように発音しますが、シカゴ、ニューヨーク等では、日本語の「オゥ」に近い音、”ボゥト”、”ソゥト”、”ゴゥト”のように発音します。私のような西海岸の出身者にはこれらの発音が”boat”、”goat”と聞き間違ってしまうことがあります。このように米国内でさえ英語が通じないこともあるのです。
Q: レッスンにおける先生のモットーを教えてください。
私自身が大切にしていること。それは、私は”teacher”(先生)ではなく”instructor”(インストラクター)であること。どこが違うかおわかりになりますか?先生は一方的に生徒に対して講義を行う人のこと。インストラクターは、やり方を示して、それを生徒さんにやってもらうこと。
ゴルフのインストラクターを思い出してください。まず、インストラクターがボールを打って、スイングの手本を示します。そして生徒さんにもボールを打ってもらう。英会話のレッスンでも同じです。私が話し方を示して、生徒さんにも実際に声を出して話をしてもらう。これが大切なことなのです。
[了]
[フレッド先生出演のRadioETC]
(*)フレッド先生のレッスンが音声で聴くことができます。
“We got any headlines?”の意味は
“we have a situation”の意味は
“Smash and dash”の意味は
“She is fading”の意味は
“It doesn’t ring a bell “の意味は
“Serendipity”の意味は
“get dirt under your nails”の意味は
“help us out”の意味は
“if I stretch it”の意味は
“Don’t cross me.”の意味は
“That’s one way of putting it”の意味は
“I wouldn’t lose any sleep over it”の意味は