映画『The Boxer』(ボクサー)でアイルランド映画
1990年代半ば、IRAは停戦に向けてアイルランド、イギリス両政府と対話を始めていました。米国からクリントン大統領がアイルランドを訪れ、和平交渉に弾みをつけようとします。
1995年11月30日に北アイルランドのベルファストを訪れ大歓迎を受けます。彼は母方を通じて北アイルランドにルーツを持っていましたし、現役の米大統領が北アイルランドを訪問するのは初めてのことでした。
翌12月1日、クリントン大統領はダブリンを訪れ、集まった約10万人の群集に演説した。それはローマ法王、ケネディ大統領(南共和国にルーツを持つ)の訪問以来の大歓迎だったそうです。映画『The Boxer』はクリントン大統領のその時のスピーチで始まります。
“The sun is shining and I hope it’s a good omen for peace in Northern Ireland”
(太陽が北アイルランドに平和の光を注ぐことを)
12月8日、IRAの武装解除に関する見解がダブリンで発表されました。
(中略)
メージャー英首相が二本立ての審議を発表する記者会見の席で、IRAの武装解除のための諸前提を取り除く手段として、その二本立て審議を受け取ることを拒否したことを、我々は見てきた。また、北六州のストーモント旧議会を復活させたいというユニオシストの提案を、メージャー首相が積極的に奨励していることも明白である。
(中略)
IRAの武装解除に関する(表玄関からの、あるいは裏口からの)ばかげた要求に、IRAが応じることはまったくありえない。
P・オニール
IRA広報部
ダブリン、
“It is a matter of profound regret that rather than fulfilling its responsibilities, the British government, presented with this historic opportunity, has sought only to frustrate movement into inclusive negotiations and has erected an absolute barrier to progress with its untenable and unattainable demand for an IRA surrender.
“We noted that British Prime Minister, John Major, at the press conference to announce the twin track approach, actually rejected it as a means of removing preconditions. It is also obvious that Mr Major is actively encouraging the unionist proposition of a return to Stormont and actively reinforces the unionist leadership’s refusal to engage meaningfully in the search for a negotiated settlement.
“As we stated on September 29th, there is no question of Oglaigh na hEireann meeting the ludicrous demand for a surrender of IRA weapons either through the front or the back doors.
P.O’Neill,
Irish Republican
Publicity Bureau,
Dublin
和平への道は、まだまだ沢山の生涯があることが伝わっている声明です。映画『The Boxer』は、北アイルランドが新しい扉を開けようとしていた時代に生きる人々の様々な葛藤、戸惑い、そして信念を描いた映画です。
(*)参考文献
IRA(アイルランド共和国軍)-アイルランドのナショナリズム