映画『Closing The RIng』(あの日の指輪を待つきみへ)でアイルランド英語
映画のタイトルにもなっている『Closing The Ring』は、元々はイギリスの元首相ウィストン・チャーチルが書いた回顧録『The Second World War』(第二次世界大戦)の第五巻のタイトルからとったものだと言われています。
同書に綴られているのは、1943年の中ごろから、ノルマンジー上陸作戦が行われたD-Day、1944年6月6日までの回想録です。チャーチルは回想録の中で次のように語っています。
(ナチスドイツは、周囲を包囲され急襲を受け、ついに孤立した)
『The Second World War』(ウィストン・チャーチル著)
”Closing the ring”は、南はイタリア、東はロシア、そして東はフランスとドイツに対する包囲網が完成したこと、つまり、ドイツを取り囲む輪(リング)がまさにその輪を閉じようとしている ことを表しています。つまり、対戦の火花が最大に燃え上がり激化してゆく時代の始まります。映画では第二次世界大戦によって引き裂かれた若い恋人たちと、二人を結ぶリング(指輪)を巡る物語を描いています。
1941年の北アイルランド・ベルファスト市。ドイツの急襲を受ける防空壕へ逃げ込むアイルランドの人々。しかしアイルランドの人の中にも、プロテスタンとカソリックの対立がありました。右がプロテスタント、左がカソリックと、決して広いとはいえない防空壕で二手に分かれて座っています。プロテスタント側の席に座ろうとしたカトリックのマイケルは牧師から注意されてしまいます。
座ってもいい?
No.
ダメだ
We can’t possibly mix both congregations, Michael.
2つの宗派は同席できんのだ。マイケル。
既にイギリスの統治下にあった北アイルランド。しかし、イギリスがドイツから攻め込まれるのをこれ幸いと、IRAはイギリスの敵国であるドイツを支援したのです。イギリスの苦境はアイルランド人にとってはチャンスというわけです。防空壕の中でも次のような会話が交わされていました。
ドイツ軍に味方しているそうだな。トーマス。
Is he fighting for the Germans?
ドイツ軍の味方?
IRA.You should join us.
IRAだ。君も入れ。
Don’t you dare. Thousands of good Catholic Irishmen serving in the British Army, fighting against Fascism. My son’s one of them. And you… you’re a damned traitor.
やめろ。カトリック教徒は英軍でファシズムと戦っている。私の息子もだ。お前は裏切り者だ。