映画『The Secret of Roan Inish』(フィオナの海)でアイルランド英語

The Secret of Roan Inish 外国の人々と話をしていると、歴史や文化的背景は全く異なっていても、奥深いところでお互いに大切にしている、共通する価値観に気がつき、感動することがあります。家族に対する思い、子どもへの愛、自然をはぐくむ心、将来の夢。これらの事柄は肌や目や髪の色が異なっていても、人として皆が持ち合わせる大切な価値観なのです。

 民話にも共通する部分があります。映画『The Secret of Roan Inish』では、アザラシの化身、セルキーの民話が紹介されていました。映画『Ondine』でも同じ神話が登場します。動物が人間に化ける。そして人間と交流する。日本の民話にも人間に姿を変える動物が数多く登場します。つるの恩返し、分福茶釜の狸、狐の嫁入り等など。動物達は、いつも私たち人間の行動を見ていて、何かを伝えなければならないときに人間に姿を変えてやってくる。そんな人々の畏怖の念の表れなのかもしれません。

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 原作『フィオナの海 – Child of the western isles』 (ロザリー・K・フライ著 矢川澄子訳)の後書きにセルキーの神話が紹介されていました。

 
 セルキーとは何か、ご存知でしょうか。

 ブリグッズ女史の『妖精 Who’s Who』 によれば、セルキーは、ケルトの民話伝承に出てくる妖精のあざらし続で、北の海のわびしい岩礁などに棲みついています。水中で暮らすためにふだんは暑いあざらしの毛皮をまとっていますが、時折その皮表をぬぎすてて直接人間と交わったりもします。もともと人間とは大の仲良しで、男のセルキーが人間の女を口説くこともあれば、女のセルキーが漁師に懸想するといった話もめずらしくはありません。

 また女のセルキーはダンスが大好きで、毛皮をぬいで砂浜で踊っているうちに、その女に恋した漁師がこっそり皮衣を隠してしまったという、羽衣伝説そっくりの話ものこっています。衣をなくして水に戻れなくなったセルキーは、そのまま男の妻として人間界にとどまりますが、やがて生まれた子供が大きくなって、ある日ふと見なれぬ毛皮をみつけて母にしらせると、セルキーは大喜びでさっさと家族を捨てて海へ帰っていってしまったということです。

 『フィオナの海 – Child of the western isles』後書きより

 海で幼い孫ジェイミーを失ったおじいさんは、こう語ります。

Sea gives, sea takes away.
(海は私たちに恵みを与えてくれるが、その一方で私たちからも奪う)

 この言葉が重く圧し掛かります。私たちはこのまま海を汚し続けてよいのでしょうか。生き方を変える時が訪れています。

 
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