スコットランド英語とスコッツ語とロバート・バーンズ~『Robert Burns – The people’s poet』でじっくりとマンツーマン英会話
スコットランド英語とは、スコットランド訛りのあるスコットランドの標準英語のこと。スコッツ語とは、スコットランドの伝統的な方言のことを言います。ただ、このスコッツ語は単なる英語の方言ではなく、ひとつの独立した言語であると見なされる場合もあるようです。
スコットランドの田舎では、このスコットランド英語とスコッツ語がはっきりと使い分けられているため、話し手が今どちらの言葉を使っているのかが分かりやすいそうです。一方、都市部では、この二つの言葉が混在して使われており、その区別があいまいです。
例えば、グラスゴーの労働者階級の言葉の中には、語彙、文法、語形、発音など、スコッツ語の特徴が随所に散りばめられているそうです。スコットランド人の英語が、普通の英語のように聞こえていたのが、突然外国語のような耳慣れない言葉に変化してしまうのは、このような理由からかもしれません。
さて、このスコッツ語が他の英語方言とは一線を画している理由の一つは、この言葉が近代文学の中で使われ、今日まで受け継がれていることがあげられます。詩人のアラン・ラムゼイ(Allan Ramsay,1686-1758)、ロバート・ファーガソン(Robert Bergusson、1750-1774)、そしてロバート・バーンズ(Robert Burns、1759-1796)の作品が有名です。
ロバート・バーンズは、スコットランド南西部、サウス・エアシャイアの生まれ。スコッツ語のエアシャイア方言を使った詩作を行ないました。スコッツ語と英語との明らかな違いが、彼の作品から分かると思います。
『To A Louse.』
<原文>
Ha! Whare ye gaun, ye crowlin ferlie?
Your impudence protects you sairly,
I canna say but ye strut rarely
Owre gauze and lace,
Tho’ faith! I fear ye dine but sparely
On sic a place. (後略)
<英語訳>
Ha! Where are you going, you crawling wonder?
Your impudence protects you sorely,
I can not say but you swagger rarely
Over gauze and lace,
Though faith! I fear you dine but sparingly
On such a place
(“The Robert Burns World Federation”より)
2009年はロバート・バーンズの生誕250年にあたり、スコットランドでは多くのイベントが行われたようです。同年に放送されたBBC Scotland の『Robert Burns – The people’s poet』をご覧ください。37年という彼の短い人生を辿りながら、『To A Mouse』、『The Belles Of Mauchline.』、『To A Louse.』、『A Man’s A Man For A’ That』など、スコッツ語がちりばめられたバーンズの作品が朗読されています。
また、進行役を勤める小説家のAndre O’Hagunさんはグラスゴー出身ですので、スコットランド英語にも触れることができます。
バーンズが改作したスコットランド民謡の『Auld Lang Syne』は、日本では『蛍の光』として歌われています。卒業を体験した日本人であるならば、一度は歌ったことがあるのではないでしょうか。スコットランド人と日本人の奥深いところでのご縁を感じずにはいられません。
ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生は詩人でもあります。一度、ロバート・バーンズについてじっくりとお話をお聞きしたいと思っています。
※Robert Burnsでスコットランド英語(チャールズ先生出演のRadioETCです。先生の朗読もあります)
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – Caledonian bard とは
▽ビジネス英語とRobert Burns
▽ビジネス英語と英語訛り
▽スコットランド英語の発音の特徴
▽英会話上達にはdictation
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – “To A Mouse”(朗読)
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – “The Twa Dog”(朗読)
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – “It There Fore Honest Poverty”(朗読)
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – Burns’ Night とは
▽Robert Burnsでスコットランド英語 – “To A Haggis”(朗読)
※参考図書
◎『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)
※関連リンク
◎The Robert Burns World Federation ロバート・バーンズの作品と英語訳が掲載されています。
◎THE LETTERS OF ROBERT BURNS
※関連ブログ
◎Burns’ supper – 時は春 日はあした
◎Ae Fond Kiss
◎エディ・リーダー (Eddi Reader) _「ロバート・バーンズを想う (Sings The Songs Of Robert Burns)
◎バーンズナイト – 英国散歩
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◎D市のヘリテージビルディング
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◎ウェールス゛ イギリスの中の異国を歩く