スコットランド英語とスコットランド・ゲール語~『Whisky Galore』で笑いながらマンツーマン英会話(2)
スコットランド・ゲール語(Scottish Gaelic)は、スコットランドで話されるケルト系言語、ヘブリディーズ諸島で話され、スコットランド英語に影響を与えています。
発音における影響は顕著です。スコットランド・ゲール語地域の人々が話すスコットランド英語には、スコットランド・ゲール語の発音の特徴がそのまま残っていることに気づきます。これは、スコットランド・ゲール語の発音の特徴が、第二外国語としての英語にそのまま引き継がれたことを意味しています。
例えば、ゲール語では /b,d,g/の音が、/p,t,k/で発音されます。また、/z,ʒ,ʤ/の音がなく、代わりに/s,ʃ,ʧ/で発音される傾向があります。
映画『Whisky Galore』の舞台となったバラ島(映画のなかでは架空の島Todday島として描かれています)も、スコットランド・ゲール語が使われている地域です。この映画の原作となる同名の小説には、スコットランド・ゲール語の影響を受けたスコットランド英語が、下記のような視覚方言(eye-dialect)を使って書かれています。ゲール語訛りのスコットランド英語の雰囲気が伝わってきませんか?
”You’ve had a long churney right enough. Sarchant. Teffonshire?
That’s a place I neffer was in. It is crate place for cream. I believe.”
churney → journey
Sarchant. → Sargent
Teffonshire → Devonshire
neffer → never
crate → great、等など。
映画では、ゲール語でプロポーズするシーンがあります。何を言っているかは、ETCマンツーマン英会話のチャールズ先生のレッスンで確認をしてみることにします。
映画がバラ島で撮影されたのは1948年。でも、60年以上たった今も、映画の中の風景が、ほぼそのまま残っていることを知りました。当時と変わらない島での簡素な暮らしを、地元の人々はどのように思っているかは分かりません。でも、僕はほっとして胸を撫で下ろしています。
スコットランド・ゲール語を話せる人の数は、残念ながら減少する一方の様です。一方、BBC Scotland Albaにゲール語放送のチャネルが開設されるなど、ゲール語を推進しようとする動きもあります。言葉も風景と同じように大切なものだと思うのです。風景を愛しみ、大切にするように、言葉も守って行かなければなりません。
※ETCマンツーマン英会話 イギリス出身の人気先生インタビュー
※関連リンク
◎Isle of Barra Accommodation, Activities and Events
◎BBC Scotland Alba スコットランド・ゲール語専門のウェブ放送チャネル
◎Julie Fowlis スコットランド・ゲール語で歌う女性シンガー(お奨めです)
※参考図書
◎『Accents of English 2』 (J.C.WELLS 著)
※関連ブログ
▽英国スコットランド スコットランド(アラパ)の主な都市 - ドルジバツアー
▽Fiona MacKenzie / Elevate (2008) - Cottonwoodhill 別別館