マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~We must do something sometime.の本当の意味は?
英語は”yes”、”no”を先ず最初にはっきりと言うなど、とてもストレートな言語だと思っていました。ところが、イギリス人の方とお話しをしていると、物事をはっきりと言わない方が多いことに気がつきました。
物事をストレートに表現しない言葉遣いは、日本の方にも見られる特徴ではないでしょうか。その点でイギリス人は日本人に似ていると思います。両国とも狭い土地の中に沢山の人が住んでいる、人口密度の高い国であることが関係しているのかもしれません。より快適な生活を送るために、隣人を動揺させるような表現を避けているようです。日本には「本音と建前」という言葉がありますが、イギリスにも似たような表現があります。たとえば下記のような言い方です。
“Oh, we must play tennis sometime”.
この場合、“sometime”は “never”と同じ意味と思っても良いかもしれません。しかし、「いつかテニスをしなければね」、というこの表現自体はとても親しみが込められているように聞こえます。ただ、
”We must do something sometime.”
と言う表現は、殆どの場合正式な誘いではありません。
【解説 マンツーマンETC英会話 リチャード先生/聖蹟桜ヶ丘】
☆ リチャード先生のお話を音声(RadioETC/ポッドキャスティング)でも聞くことができます。
▽“We must play tennis sometime”の意味は
■補足
さて、『The How To Be British Collection』(Martyn Ford、Peter Legon共著)に、「物事をはっきりとストレートには言わない」イギリス人のコミュニケーションの特徴を示す、こんな事例が紹介されていました。やや大げさに書かれている部分もありそうですが、イギリス人と意思疎通をする際の役に立つかもしれません。イギリス人が言葉にはしないからといって、または言葉にしたことをそのまま鵜呑みにしていけないようです。彼らの心の内側を読み取る必要がありそうです。
Complaining
In order to be British, or at any rate to pass unnoticed in British society, the visitor must learn not to make as fuss. A fuss is something that the true Brit cannot stand. It is nearly as bad as a scene, and in the same category as drawing attention to yourself.
A clear example of fuss is complaining about poor service, for example in a hotel, shop or restaurant. The true Brit does not do this. “Just think for a moment,” says the Brit, “would you like to do their job?” If the receptionist ignores you, or the hairdresser blows smoke in your face, if the soup is cold or the taxi driver overcharges – say something. Who knows what disappointments, what secret sadness their lives might contain. You may purse your lips or grit your teeth; you may raise one eyebrow quizzically, but don’t complain. You can always write to the local newspaper when you get home!
Expression to learn
Keep your voice down, they’ll hear you!
I’m sure they’re doing their best, dear.
Avoid saying
I demand to see the manager!
(抄訳)
苦情を言う
英国人になるために、もしくは英国社会で上手くやっていくために、外国人は「騒ぎ立てない」ということを学ばなければなりません。英国人は無用な空騒ぎに我慢ができません。それは、かなり見苦しく、自分が注目されようとすることと同じ意味をもちます。
「無用な空騒ぎ」の分かりやすい例は、ホテルやお店、レストランなどの不親切なサービスに苦情を言うという行為です。真の英国人はこんなことはしません。その代わり、こう言います。「少しだけ考えてみよう。彼らの仕事を君はやってみたいと思うかい?」 受付係があなたを無視したとしたら、ヘアドライアーから噴出した煙があなたの顔にかかってしまったとしたら、スープが冷えていたら、タクシーの運転手が不当な料金を要求したら。こう言えばいい。彼らの人生にどんな失望あったのか、どんな秘めた悲しみが内在しているのか、誰にも計り知れないではないか。堅く口を閉じよう。怒りを押させて歯を噛みしめよう。君はいぶかしげに眉頭をあげてしまうかもしれないが、でも苦情を言ってはいけない。家に帰って地元の新聞社に苦情を投稿すればよいのだから。
学ぶべき表現
大声を出さないで。彼らに聞こえますよ。
彼らはみな一生懸命やっているのには違いないのですよ。
避けるべき表現
店長を呼べ。
(*)『The How To Be British Collection』(Martyn Ford、Peter Legon共著)より引用。
(*)関連リンク
How to be British. Sample Pages