マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~”sarcasm”と”irony”の意味の違いを教えてください q_mark.gif

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和英辞典で「皮肉な」を調べると、「sarcasm」と「irony」の二つの単語が表記さています。この二つの単語に意味や使い方の違いはあるのでしょうか。

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 そもそも、日本語の「皮肉」に、主に二つの意味があるようですね。

 1)遠まわしに意地悪く相手を非難すること。
   例:「辛辣な皮肉を言う」、「皮肉な口調」

 2)期待していたのとは違った結果になること。また、そのさま。
   例:「皮肉なめぐりあわせ」

 1)の意味に使われるのが”sarcasm”です。主に言い方に対して使われます。相手を傷つけようと非難する意図が含まれます。

  That’s a really sarcastic comment.
  (それは本当に皮肉な論評だ。)

  He answered sarcastically.
  (かれは皮肉っぽく応えた。)

  Don’t you think it’s too much sarcasm.
  (それは皮肉を言い過ぎだと思いませんか。)

 2)の意味に使われるのが”irony”。誰のせいでもなく、たまたま偶然、自然にそのようになってしまったという時に使います。

 たとえば、貧困の為に餓死しした方がいたとします。でも彼の住んでいたアパートの畳の下から、100万円がみつかったとします。「彼がそれに気付いていれば、亡くならずにすんだのに。なんと皮肉な結末なのでしょう。」この場合に使うのが”ironyです。

  It’s ironic that he died when there was a million yen under his tatami.
  (畳の下に100万円があったことに気付かず、彼が亡くなってしまったのは皮肉なことだ)

 ところで、日本語の「皮肉」の語源も興味深いです。なぜ、「皮」と「肉」なのでしょう。

 1)の語源は中国禅宗の達磨大師の「皮肉骨髄(ひにくこつずい)」とう仏教用語。「我が皮を得たり」「我が肉を得たり」「我が骨を得たり」「我が髄(ずい)を得たり」と、大師が弟子たちの修行を評価した言葉だそうです。骨や髄は「要点」や「心の底」の喩えで「本質の理解」を意味するのに対し、皮や肉は表面にあることから「本質を理解していない」といった非難の言葉。そこから、皮肉だけが批評の言葉として残り、欠点などを非難する意味で使われるようになったそうです。

 2)は次の文が語源なのかもしれません。

  石は玉をふくむ故にくだかれ 鹿は皮肉の故に殺され
  魚はあぢはひある故にとらる すい(翠=カワセミの別名)は羽ある故にやぶらる
  女人は、みめかたちよければ かならずねたまる 

  (弥源太殿御返事(やげんたどのごへんじ)より抜粋)

 鹿はその皮が美しく、その肉が美味しいがために、捕らえられ殺されてしまう。何と皮肉なことなのか。

※参考図書
『語源由来辞典』など

※解説 ETCマンツーマン英会話 ロレット先生(西大井/熊谷)

※関連リンク
ロレット先生のお話を音声(ポッドキャスティング)でも聞くことができます。
「皮肉」sarcasmとironyの違い

 
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