映画『Fifty Dead Men Walking』でアイルランド英語

11154579_800 実在したIRA組織潜入スパイ、マーティン・マガートランド(Martin McGartland)の手記を参考にして作られた映画。舞台は北アイルランドです。

 北アイルランドはアルスター地方9州のうち、カトリック住民の多い西部3州を除外して、比較的プロテスタントの多い6州が、1921年ににアイルランド共和国から分離したものです。人口は約150万人。宗教はカトリックが約37%、プロテスタントが53%ほど。一方、アイルランド全土では、カトリック約75%、プロテスタントが約25%と逆転した状態になっています。

 アルスター地方には、17世紀になって英国やスコットランドから本格的な殖民が行われました。それとともに「英国教会」とスコットランドの宗教である「長老教会派(カルビン主義)」が入り、土着民衆の信奉する「カトリック教会」と三派が対立することになりました。
 英国王チャールズ一世のアイルランドからの搾取に不満を持った土着民衆はその怒りを、入植者である新教徒達に向かってい、1641年に反乱が起こります。それ以降アルスター地方では「プロテスタント対カトリック」の対立の図式が固定化されるようになりました。

 映画の冒頭、現在の北アイルランドの状況を次の様に語っています。

Jobs were generally controlled by the Protestants, which meant most of the young Catholic men were unemployed, and angry about it.
働き口の多くはプロテスタント系が牛耳り、カトリック系の若者は職に溢れ怒っていた

 しかし、マーティン・マガートランドは、映画の中で彼の宗教観について次のように語っています。

Okay, I’m not saying I don’t believe in God. Like, I do believe in God 
神を信じていないわけじゃない 俺なりに信じてるさ

But he’s probably not a Catholic God. Right, I don’t think God’s sitting on a cloud trying to figure out whether He’s Protestant, or Catholic or fucking Buddhist either.
でも、多分彼がカトリックだというわけではないと思う。いいか、神が俺たちをプロテスタントとかカトリックとか、ましてや仏教徒とか区別するかな

Everyone’s got these big opinions about how you should live and who you should love.
どの宗教も どう生きろとか 誰を愛せとか言う

The government, the peelers, the Catholics, the Protestants, the Brits.
政府に警察、カトリックやプロテスタントや英国人の連中が

Any of them is full of it if they think that they know more about you or that they know more about me or of God than anybody else.
君や俺の何を知っているというんだ。神や人を判断できるのか。

▽Fifty Dead Men Walking Trailer

 
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