ブルース・チャトウィンのソングラインでマンツーマン英会話~モレスキンという手帳
‘Do you mind if I use my notebook?’
「ノートを取ってもいいかい?」(ブルース)
‘Go ahead’
「もちろん。」(アルカディ)
I pulled from my pocket a black, oilcloth-covered notebook, its pages held in place with an elastic band
僕はポケットから黒いノートを取り出した。オイルクロスの表紙、留め具用にゴムバンドがついている。
‘Nice notebook’
「いいノートだね」
‘I used to get them in Paris,’ ‘But now they don’t make them any more’
「パリでよく買たんだ。でも、もう製造中止なんだよ。」
『The Songlines』12pより
著者のブルース・チャットウインが、主人公のアルカディに初めてあった日、アボリジニのソングラインについて語り始めるシーンです。
このオイルクロスの表紙にゴムバンドのノート。
彼が使っていたノートは、知人も愛用しているモレスキン(MOLESKINE)だということを知りました。
このモレスキン、200年もの歴史あるフランスのノートブランドだそうで、画家のゴッホやマティス、作家のヘミングウエイ、そして、ブルース・チャットウイン等が愛用していたとのこと。ところが1986年に廃業。8年前にイタリア・ミラノの出版社が復活させました。
「有名な画家の作品のスケッチや、人気作家の小説になる前の走り書きは、まずは、このモレスキンのノートに書き溜められてていったのです」なんていうモレスキンの宣伝文句に思わずふらふらっときてしまって、今日一冊買ってしまいました。(^^;
最初のページを開くと、こんなフォームが用意されています。
In case of loss, please return to
__________________________________
__________________________________
__________________________________
As a reward $_____________________
ブルースはオーストラリアの旅の前にこのノートを大量に買い集め、携帯していました。世界中を放浪していた彼は、この部分には住所を二つ(二ヶ国)記載して、謝礼・報酬金についてもちゃんと明記していたそうです。
「パスポートを紛失することは別になんてことはなかったけれど、自分のノートを失くすというのは破滅を意味していた」(ブルース・チャットウイン)
To lose a passport was the least of one’s worries: to lose a notebook was a catastrophe.
『The Songlines』の中には、そのノートに書き綴られたメモの内容が、60ページにも渡って紹介されています。
(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年4月24日より転載