英語も家族の形も一つではありません

 「どうしてうちにはパパがいないの?」

 幼稚園に通い始めた娘が、ある日母親に質問をしたそうです。母一人、娘一人の家族でした。母は図書館でみつけたこんな絵本を、娘に読んであげることにしました。

 『いろいろ いろんな かぞくのほん
  (原書: ”The Great Big Book of Families”、Mary Hoffman メアリ・ホフマン 文、Ros Asquith ロス・アスクィス 絵、杉本詠美 訳)  

 この絵本は、家族の形に「典型的」などという決まりきった形や大きさなどは存在せず、家族が100あれば100の形があることに気づかせてくれます。住居、教育、仕事、休日の過ごし方、食事、衣服、ペット、お祝い事、趣味、外出、気持ちなども多種多様。すべてが愛おしく、大切な家族のあり方で、平等に尊重されるべきものであることを、優しい文とユーモアのあるイラストが、素敵に表現しています。

Once upon a time, most families in books looked like this:
ちょっと昔の本に出てくる家族は、たいていこんな感じだった。

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One daddy, one mommy, one little boy, one little girl, one dog, and one cat.
お父さんが一人、お母さんが一人、男の子が一人、女の子がひとり、犬が一匹、猫が一匹

But in real life, families come in all sorts of shapes and sizes.
でも、実際の家族はいろいろ。家族の形も大きさも。

In this book are a lot of families living in different ways.
この本にはいろんな家族が出てくるよ。暮らし方もいろいろ。

Perhaps there’s one that looks like yours?
君の家族と似てる所はあるかな?

Lots of children live with their mommy and daddy, but lots of others live with just their daddy or just their mommy.
お父さんと、お母さんと暮らしてる子どもが多いけど、お父さんだけの家、お母さんだけの家もある。

Some live with their grandma and grandpa.
どっちもいなく、おじいちゃん、おばあちゃんと暮らしてる子も。

Some children have two mommies or two daddies.
お母さんが二人の家、お父さんが二人の家もある。

And some are adopted(*) or live with foster(*2) families.
「養子」や「里子」として、家族に迎えられる子もいる。

 (*) adopt【他動詞】〔~を〕養子[養女]にする
 ・She adopted the orphan. : 彼女はその孤児を養子にした。

 (*2) foster【形容詞】里親の、里子の

 著者のMary Hoffman(メアリ・ホフマン)さんは、イギリス在住の児童書作家。絵本から10代向けの読み物まで100点以上の作品があります。デビュー作の絵本『Amazing Grace』は、150万部を売り上げ、彼女の書籍は30か国語に翻訳されているそうです。

 絵本で英語を学ぶ場合、著名な作品であればこんなメリットがあります。それは、世界中の方が、絵本の読み聞かせ動画をSNS等に投稿してくれていることです。同じものがたりの朗読であっても、地域や読み手の個性によって英語の発音もイントネーションも様々。家族の形が一つでないように、英語も一つではないことにあらためて気づきます。

 まずは米国人による読み聞かせ。一部の人には最も聞きなれた英語かもしれません。

※Waukegan Public Library(米、イリノイ州)

 次は、英国ロンドン在住の方の読み聞かせです。巻き舌にならない r の発音(non-rhotic)など、米国とは異なるのがわかります。

※Anna McNamara(英、ロンドン)

 次の方は同じ英国でもマンチェスター在住の方の読み聞かせです。多くの方が聞きなれた英語とは異なり、わかりづらく感じるかもしれません。”The grea(t) book”や、”Wha(t) happened’”の(t)の音が脱落するなど、何度も繰り返し聞くことで、その特徴を掴むことができそうです。

※Miss Dodd(英、マンチェスター)

 下記の方は、アイルランド在住の方のようです。

※Callum The Bear(アイルランド)

 最後に、英語ではありませんが、広東語版の読み聞かせもありました。

※Cantonese Mommy

 秋を迎え、読書にも最適な気候となりました。あなたのお気に入りの書籍に、じっくりと向き合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

(*)参照リンク

 
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