‘That’s a great question’の使い方

51vWH8+NKHL._SX258_BO1,204,203,200_ 今話題の書籍『100 tricks to appear smart in meetings – How to get by without even trying』(邦題『会議でスマートに見せる100の方法』)は、もうお読みになりましたか?

 著者のSara Cooper(サラ・クーパー)さんはジャマイカ生まれ。

 3歳の時に両親とともに米国に移住しました。

 もともとは役者志望で数々のオーディションに応募するも夢かなわず、Yahoo、そしてGoogleでデザイン関係の仕事に従事。

 Google退職後はスタンドアップ・コメディアンしても活躍されています。

 サラさんがこの本を書くきっかけとなったのは、彼女がGoogle で会議を仕切る立場なったときでした。

 決して会議が得意ではなかったサラさんは、それまで自分が経験してきた会議の中で、「頭がいいなあ」「スマートだなあ」と感じた人々のしぐさや言動をリストアップしていったそうです。

 でもそこには、なんとか会議をうまくやり抜けよう(?)としてきた上司や同僚らに対する、彼女独特の皮肉や茶化し、そしてからかいがなどがユーモアーがたっぷりに含まれていました。

 それをブログに掲載したところ大反響を呼んだのだそうです。

 同書の「Presentation – How to nail the big pitch by not sayingmuch of anything (プレゼンテーション ― たいしたことを言っていないのに、聴衆の心を掴む方法)」の章には、こんな「ずる賢い技」が紹介されています。

Say “That’s a great question” before you avoid each question

(「それはいい質問ですね」といって、質問には答えない)

“That’s a great question” や “That’s a good question” は、難しい質問をされて、回答者が答えに窮した際に、時間稼ぎができる便利なフレーズで、「いい質問ですね」と言いながら、その間に答えを考えればよい、というアドバイスはよく聞きます。

 他方、サラさんは、さらに1歩進んで “That’s a great question” を言えば、「質問に答えないでも済む」とした「ズル技」を次のよう解説しています。

Besides being a great way to stall until you can think of a way to avoid the question, complimenting the asker also makes you look like a generous  presenter.

(質問者をほめると、答えないで済む方法を思いつくまで時間を引き延ばせるだけでなく、プレゼンターの度量を大きく見せることができます)

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After you comment on how great the question is, no one will ever notice when you say something like, “You’ll see the answer if you just keep listening,” “Let me address that at the end,” or “Let’s fallow up about that offline.”

(その質問がいかに素晴らしいかを伝えたら、その後の「このまま聞いていたら答えがわかります」や「終わりに言います」、「あとで直接お答えします」などとあなたが言ったことは、だれも気がつかないだろう)

 これは裏を返すと、あなたの質問に対して回答者が ‘That’s a great question’ と答えたら、それは話し手が触れられたくない物事の本質に鋭く切り込んだ質問だったという「サイン」なのかもしれません。

 サラさんは出版後の講演で、同書の反響について「実際にこの本の記述の通りにやって失敗した人や反面教師的にとらえている人がいる」と紹介した上で、それでも同書が世界的に話題を呼んでいる理由については、次のように分析しています。

 「例えば外国人が異国の地で生きていこうとした場合、その土地で正しいとされるルールは何か、その土地に住んでいる人々は、どのような事柄に価値を置いて生きているのかを、(賛同できるできないは別にして)先ず知ろうとするでしょう」

 「ビジネスの世界でも同じことが言えるのかもしれません。会議でどんな振る舞いが評価されるのか、『仕事が出来る人』というイメージを与える人は、会議でどんな行動を取り、何を話すのか、まず知ることから始めるべきなのかも」

 最初は外形的であっても、まず知って、できれば真似てみる。

 その上で、本当に自分にとって良いと思ったものは取り入れてみてもよいのかもしれません。

 サラさんの前の職場であるGoogleで、同書出版後に講演した動画です。

 聴衆から「同僚を本のネタにして、気まずくなかった?」等の質問も。

 -Sarah Cooper: “100 Tricks to Appear Smart in Meetings” | Talks At Googleより




 『会議でスマートに見せる100の方法』の一部は、サラさんのブログで紹介されています。

※ 10 Tricks to Appear Smart in Meetings (英語)

  日本語での紹介はこちら。

※会議室で誰よりも賢そうに振る舞うためのすごいトリック
 ― これを知ってるだけで偉くなれる。

 因みに、あたたかい雰囲気漂う同書の挿絵は、会議を題材にしたストックフォト(著作権フリーの写真)やご自身の旦那さんがポーズを取った写真を、サラさんがなぞって書いたとのこと。

 噴出しに書かれた台詞は、実際の会議で使えそうなフレーズもあって、こちらも注目です。下記に一部を紹介します。

Let me just repeat that…
 (それ、ちょっと繰り返させて)

Sorry, I have to take this…
 (すみません、これ大事な電話なので出なければなりません)

We should document this somehow.
 (この会話はなんらかの形で記録しておくべきです)

Is it OK if I move on? Am I going too fast? Is everyone OK, if I move on? 
 (先に進んで大丈夫? 早すぎます? 皆さんついて来てますか?)

 ユーモアー溢れるテーマで、楽しみながら英語の勉強が出来そうです。

※関連書籍

51vWH8+NKHL._SX258_BO1,204,203,200_
『100 Tricks to Appear Smart In Meeting』(Sarah Cooper著)

翻訳本
CzVuXN0UUAAkNYC会議でスマートに見せる100の方法

 
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