ピンク色の新しい足
“It makes me run faster and do my street dancing faster.”
(これのおかげで私はより早く走れるの。ストリースダンスだって)
英国バーミンガム生まれで7歳のAnuちゃんは、生後すぐに右足を手術で切断。義足をつけて歩行をしています。
5月のある日、そんなAnuちゃんがオーダーメイドの新しいピンク色のスポーツ義足をつけて登校。一瞬にして注目の的となり、校庭で遊んでいたたくさんの友達が彼女のもとに駆け寄ってきました。
“Is that your new pink leg?”
(それがあなたの新しいピンク色の足なのね?)
興奮して声をかけ、ハグをする子どもたち。「ピンクはお気に入りの色なの」というAnuちゃん。「見て!」と言わんばかりに、他の子ども達と変わらぬ速さで校庭を駆け回ったり、友達と手をつないで、足を高く振り上げながら行進したり。そんな心温まるかわいらしい動画がBBCによって紹介され、話題となりました。
◎YouTubeの動画はこちらから
– BBC News:
◎Twitterの投稿はこちらから
– BBC Midlands Today:
Anu is seven and goes to school in Birmingham. Look what happened when she showed her friends her new sports blade. It’s just gorgeous!pic.twitter.com/Aa1UlnhlQy
— BBC Midlands Today (@bbcmtd) 2017年5月3日
2016年のリオデジャネイロパラリンピックで、イギリスは中国に次ぎ2番目に多いメダルを獲得。金メダル64個、金銀銅あわせて147個という成績を収めました。
このパラリンピックでの成功を受け、イギリス政府はAnuちゃんのような子ども達に対して、150万ポンド(約2億2千万円)の補助を行うことを約束。しかし予算は2018年3月までに使い切られる予定で、その後継続されるかどうは未定とのことです。
Anuちゃんが使用しているスポーツ義足は2千から5千英ポンド(約29~73万円)で、2年ごとに取り替える必要があります。
また、サポートを必要とする子ども達すべてに補助が行われるわけではありません。Anuちゃんのサポートを行っているウエスト・ミドランド・リハビリテーションセンターによれば、選定の基準はイギリス保健省によって定められており、対象となる子どもが、スポーツ義足にうまく適合できるように、体格が大きすぎず、小さすぎず、また体重も重過ぎないことなども、選定の条件となっているそうです。
「他の子どもたちと同じように、娘が普通の生活が送れるように、親としては住居を売ってでも支えてゆきたい」と訴えるAnuちゃんのお父さん、そして、Anuちゃん自身のインタビュー動画は、こちらからご覧いただだけます。
◎Facebook動画
– BBC Midlands:
東京は2020年のパラリンピック開催にむけて、全ての人があたりまえの生活が送ることができるような都市に生まれ変わることができるのでしょうか。
Anuちゃんの素敵な笑顔、そして元気いっぱいの走りを見て、そんな思いがますます強くなりました。
※参考リンク
◎スポーツ義足のメーカー、ドイツの「Ottobock」(オートボックス社)がイギリスの保健省の取り組みを紹介しています。
Department of Health Funding for Childrens Activity and Sports Prostheses
◎競技用義足の2強メーカーであるアイスランドのÖssur社とドイツのOttobock社がどんな義足を開発しているか紹介しています。
テクノロジー視点で見た競技用義足、難しさの理由(日経BP)