ハロウィーンって何?

IMG_7296b10月に変わったとたん、街中に溢れるオレンジ色の「お化けカボチャ」の装飾。

10月31日はハロウィーンです。でもこのカボチャにはどんな意味があるのでしょう?

一年前のこの日、渋谷では仮想した若者らで大混雑。

人が車道にあふれるなどしたため、110番通報が80件を越え、数百人の警察官が警備にあたったとのこと。

また、駅や百貨店のトイレで着替える若者が相次ぎ、仮装用の血のりやゴミで汚され、翌朝は空き缶やかつら、脱ぎ捨てた衣装などのゴミが、繁華街の道端に大量に散乱していたそうです。

“Trick or Treat”(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!)という「脅し」とも取れるフレーズで知られるハロウィーンですが、「いい子にしてたら、サンタさんからプレゼントがもらえる」というクリスマスとは正反対に、ハロウィーンは「いたずらをしても許される日」などと、思い違いをしている人が多いのかもしれません。。

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そもそも、このハロウィーンにはどんな意味があるのでしょうか?

10月31日は前年に亡くなった人間の魂が、あの世に行くまでの12ヶ月間、憑依する動物や人間を探す日だと、ケルトの人々は考えていました。ハロウィーンの起源は紀元前5世紀のアイルランド。”All Hallows Eve”(オール・ハローズ・イヴ/万霊の宵祭)と呼ばれ、アイルランドに住んでいた古代ケルト人が始めたお祭りでした。

そこで自分たちが悪魔やお化けや魔女の格好をし、取り付こうとする霊を追い払うための行事が行われました。

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1940年代、じゃがいも飢饉でアメリカに流れてきたアイルランドの移民たちが、ハロウィーンの習慣をアメリカに伝えました。すると、霊が取り付くという恐ろしい儀式も、次第に変化してゆきます。アメリカの若者たちは、この日晩に納屋をひっくり返したり、門の鍵を壊したりしたそうです。

アイルランド移民はハロウィーンとともに「お化けちょうちん(ジャック・オー・ランタン/Jack-o’-lantern)」を作る習慣もアメリカに持ち込みました。

この「お化けちょうちん」も古代ケルト人から伝わった習慣で、元々は大きなカブをくりぬいて悪魔の顔を刻み、中にろうそくを灯しました。

20世紀初頭にカブで作られた伝統的なジャック・オー・ランタン(Wikipediaより)

20世紀初頭にカブで作られた伝統的なジャック・オー・ランタン(Wikipediaより)

でも、アメリカには大カブはほとんど見当たらず、その代わりに豊富にあった大きなカボチャでランタンをつくるようになりました。

アイルランドの言い伝えによれば、この「お化けちょうちん(ジャック・オー・ランタン)」の発端は、大酒飲みで、けちで、犯罪を繰り返していたジャックと言う男でした。

悪魔さえ騙していたジャックが死ぬと、天国に入れてもらえないのはもちろんのことですが、騙されて怒っていた悪魔に地獄の門さえ開けてもらえませんでした。

天国にも地獄にも行けず、この世の終わりまで闇の中をさまようはめになったジャックは、せめて行く手を照らす灯りのための燃料を悪魔に懇願します。

ジャックは、悪魔からもらったほんのわずかな燃料を、食べて空になったカブの中にいれて、ランタンを作りました。これが、今街中に溢れている「お化けカボチャ」の起源なのです。

また、ハロウィーンの夜、悪魔のいでたちをした子ども達が、”Trick or Treat”と言って家々を回って、お菓子をねだる行事は、9世紀のヨーロッパの「ソーリング」(Souling)という慣習が起源だと言われています。

9世紀のヨーロッパには万聖節の日(11月1日)、キリスト教徒が村から村へ、ソールケーキと呼ばれるジャムつきの四角いビスケットを求めて回る慣習がありました。

IMG_7418b訪ねた家でソールケーキをもらうと、彼らはそのお返しに、その家の親類縁者で亡くなった方のために祈りを捧げました。祈りの多さは、魂がより早く天国へ行けることを意味しました。

渋谷でのハロウィーンの「どんちゃん騒ぎ」には、この祈りが圧倒的に不足しているのかもしれません。

1980年アメリカに移住したアイルランド人家族を描いた映画『In America』(イン・アメリカ/三つの小さな願いごと)には、アメリカでのハロウィン行事の違いに戸惑う、アイルランドの子供たちの様子が描かれています。

アメリカでは、バッドマンやスーパーマンなど、ヒーローの扮装をすることが流行しているとのこと。また、アイルランド家族と黒人アーティストの不思議な交流に心を打たれます。ご興味のある方はぜひご覧ください。

in_america▽映画『In America』(イン・アメリカ/三つの小さな願いごと)でアイルランド英語

(*)参考図書
『Extraordinary Origins of Everyday Things』Charles Panati (著)

☆上記の翻訳本

『そして“起源”について (はじまりコレクション) 』
チャールズ パナティ (著), バベル・インターナショナル (翻訳)

 

 
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