映画『Raising Arizona』(赤ちゃん泥棒)で南部アメリカ英語マンツーマンレッスン
南部アメリカ英語の特徴の一つに、“-ower”で終わる単語の発音が、“-aher”の様に変化します。標準英語より発音が簡素になっているように思えます。
例)
flower ⇒ flaher (フラァー)
shower ⇒ shaher (シャー)
power ⇒ paher (パァー)
hour ⇒ haher (アー)
映画『Raising Arizona』の舞台はアリゾナ州。ニコラス・ケイジ扮するハイが初めてエドにであったのはアリゾナの刑務所。エドは看守、ハイは囚人でした。ハイはエドに一目ぼれします。
「君はまるで花のように美しい」。ニコラスケイジのflowerの発音に注意して聞いてください。
The first time I met Ed was in
the county Iockup in Tempe, Arizona.
”You’re a flower, you are.”
A day I’ll never forget.
初めてエドにあったのはアリゾナ州テンピの刑務所だ。
「君は花のように綺麗だ」
その日のことは決して忘れない
ハイは更生しようと努めますが、結局コンビに強盗を働いてしまい、何度も刑務所に逆戻りしてしまいます。その理由をこんな風にかたっています。
I tried to stand up and fly straight,
but it wasn’t easy with that son of a bitch Reagan in the White House.
I don’t know.
They say he’s a decent man.
So,maybe his advisers are confused.
おれは立ち上がってまっとうにやっていこうとした。
あのレーガンってバカ野郎がホワイトハウスにいると、そんなこともできやしねえや。
みんなはやつのことを立派な男だって言っているから、
多分やつの顧問連中が混乱してるんだろうな。
レーガンのアメリカとは、どんな時代だったのでしょう。彼が大統領の勤めたのは1981年から1989年まで。それは、富裕層と貧困層の格差が劇的に広がった時代でした。貧困層への援助をカットし、富裕層に対する税金をさげ、軍事費をアップさせました。彼の一期目の防衛予算は一兆ドル以上。貧しい人々への諸手当を削減し、軍事費をまかなったのです。貧困層に対する補助制度は、深刻な影響をもたらしました。生活費保護費を大幅にカットし、法人税減税を行う今の日本にとても似ているような気がします。
ハイとエドは結婚をしますが、子どもに恵まれないことを知ります。落胆する二人は、地元の有力者ネイサン・アリゾナの家で五つ子が誕生したというニュースを知り、彼で赤ん坊の一人を盗み出してしまいます。
さて、日本はこれからどんな時代になって行くのでしょうか。しっかりと見つめて行かなければなりません。
(*)参照図書
・すべてはブラッドシンプルから始まった (ロナルド バーガン 著)
・学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈下〉1901~2006年 (ハワード・ジン 著)