映画『Blood Simple』(ブラッド・シンプル)でアメリカ・テキサス英語マンツーマンレッスン
南部アメリカ英語の特徴の一つは、r音で終わる単語に表れます。例えば、hereという単語。通常のアメリカ英語では、”r”音は舌を口の後ろに引くようにして発音しますが、南部アメリカ英語では、それがさらに強調され、少し鼻声になります。
例えば、hereが、hee + yur [ヒーヨー]と二音節になったようにも聞こえます。
同じようにthereも、they+yur [ゼイヨー]、yearは、yee+yur [イーヨー]のように聞こえます。
コーエン兄弟が監督を務めた映画『Blood Simple』は彼らのデビュー作。二人の映画には南部アメリカを舞台にしたものが多数あります。この映画の舞台もテキサス。この土地が選ばれた理由は「天気がいいから」、そしてもうひとつは「(アメリカの)人々はテキサスに対しては強い思いを抱いていて、それを利用できると思った」からだそうです。「テキサスに対する強い思い」とはどのようなものなのでしょうか。それを知ることは、アメリカの歴史や文化を理解することに繋がって行きそうです。
さて、次の動画はこの映画の冒頭の部分。テキサスの私立探偵の語りから始まります。here、year等の発音に注意して聞いてみてください。
The world is full of complainers.
But the fact is, nothing comes with a guarantee.
I don’t care if you’re the Pope of Rome, President of the United States, or even Man of the Year,
something can always go wrong.
And go ahead, your know, complain, tell your problems to your neighbor, ask for help, watch him fly.
Now in Russia, they got it mapped out so that everyone pulls for everyone else,
that’s the theory, anyway.
But what I know about is Texas.
And down here, you’re on your own.
この世の中は不満を口にするやつらであふれ返っている。
だが現実には、保障されていることなんて何一つないんだ。
あんたがローマ法皇だろうと、アメリカ合衆国大統領だろうと、あるいはマン・オブ・ザ・イヤーだろうと、
おれ達にはどうでもいいことだ
間違いってやつやいつだって起きるものさ。
どうぞどうぞ、勝手に愚痴るがいい、あんたの抱えている問題を近所のやつらに話して助けを求めなよ
そういつはすっ飛んでくるぜ。
今ロシアでは、すべての人間が他の人間を支援するようになっている。
とにかく、理屈ではそういうことだ。
だがおれが知ってるのはテキサスのことであって、
ここでは、自分のことは自分でやるのさ。
(*)参照図書
すべてはブラッドシンプルから始まった (ロナルド バーガン 著)