マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~南部訛りの英語の特徴を教えてください。
CSIマイアミに登場するトリップ刑事はアメリカの南部訛りの英語だと聞きました。南部訛りにはどのような特徴があるのでしょうか。
南部出身のフランク・トリップ (Frank Tripp)刑事はテキサス州出身の設定ですが、役を演じている俳優のレックス・リン(Rex Maynard Linn)自身もテキサス州出身なので、ドラマの中ではとても自然な南部英語を話しています。
その特徴は、まずゆっくりと喋ること。北部の人には「怠けているような喋り方」と言われてしまうこともあるようです。とてもリラックスした状態で、きっちり、はっきりとは話しません。個人差はありますが、あまり口を開けずにぶつぶつ言っているように聞こえることもあります。すこし聞き取りにくいかもしれません。
カリー・デュケーン (Calleigh Duquesne)も軽い南部訛りがります。トリップ刑事に比べてよりはっきりと喋っているように聞こえますが、CSI NYのダニーメッセと比べると南部英語の特徴がよくわかります。彼の英語は、スピードが早く、迫力があり、これこそNY出身者という感じの英語を話します。カリーの英語と比較してみてもスピードがぜんぜん違うことに気がづくでしょう。カリーもリラックスしたペースで、ゆっくりと喋ります。
ところで、イナンシエイション(enunciation) という言葉をご存知ですか?
発音が正しいかどうかは、プロナウンシエーション(pronunciation)。 アクセントがどこにあるかはイントネーション(intonation)。 そして、どのくらいはっきりと言っているかどうかを、イナンシエイションといいます。テレビに例えると映りのようなものです。映像がくっきり、はっきりとして観やすいか、ぼやけていて見難いかどうか。
カリーのイナンシエーションはすごく良い。スピードはゆっくりとしていますが、はっきりと喋っている。一方、トリップはスピードがゆっくりで且つ言葉ひとつひとつがはっきりしていません。特に同僚同士などと話しているときは、ぶつぶつ言っているように聞こえる。聞こえることは聞こえるのですが、聞き取りづらいかもしれません。
興味深いのは、トリップ刑事が容疑者に腹を立てて怒る時。イナンシエイションがずいぶんと違います。かっかしているためか、口を大きく開けて、はっきりと喋っているのです。
ぜひ、ドラマで確認をしてみてください。
[解説] ETCマンツーマン英会話 ロレット先生