なぜアメリカ英語はイギリス人を怒らせるのか~”least worst option”
イギリス英語とアメリカ英語。どちらが良いということではありません。でも、その違いを知っておくことは大切です。
前回紹介したMatthew Engelさんの”Why do some Americanisms irritate people?”。このコラムに読者からたくさんのフィードバックが送られてきたそうです。それを纏めたのがAmericanisms: 50 of your most noted examples“(イギリス人を怒らせるアメリカ英語の文例ベスト50)。普段自分が使っている表現も含まれていました。
ETC英会話のコリン先生はどのように感じているのでしょうか。50の表現の中からいくつか先生のご意見を伺いました。
(Americanisms: 50 of your most noted examples より)
これに関して、コリン先生から次のようなご意見をいただきました。
「イギリス人は、決してこのような表現を使わないと思います。
“least worst option”
でも、この投稿者のイギリス人の表現、
tell them that “their most best option” is learning grammar.
“most best“、これもおかしな表現です。
most は best と一緒には使えません。mostは、二音節以上の形容詞の前で使いますが、bestのように一音節の言葉には使いません。
おそらく、”least worst“の文法的なおかしさを強調するために、”most best“が間違っていることを理解した上で、敢えてこのような言い方を投稿者はしているのでしょう。
通常は次のようになります。
tell them the best option is…
ベストはベスト。ベストより良いものはありません。
もちろん、”least worst option“も、とてもおかしな表現です。このフレーズの意味を、通常の言い方に換えるとしたら、下記のようになると思います。
This is not the worst option.
This is a quite good option.
This is the most suitable option.
“the least worst”も”the most best”も、文法的に間違っていますが、敢えて言うならば、”the least worst”よりも、”the most best”の方がまだ、私には理解可能です。」 (コリン先生)