映画『The Full Monty』(フル・モンティ)でシェフィールド英語
”full monty”とは、もともと英国北部で良く使われたスラングで、一般的には、
“the whole thing”
(すべてのもの)、
“everything that is wanted or needed”、
(欲しいもの、必要なものすべて)
という意味で使われていたとのこと。
語源に関しては、諸説いろいろあるようですが、有名なのは英国最大の衣料品の製造・小売チェーン店Burtonの創業者、Montague Burtonによって創られたフレーズだと言うもの。第二次世界大戦後、退役軍人には一般市民の生活に復帰するためにスリーピース(Demob Suit)のスーツが支給されました。Burtonはその最大のサプライヤーとなり、Burtonに行けばスリーピースのスーツはもちろん、シャツや下着類まですべて必要なものが揃うとうい意味で、”full monty”とういフレーズが使われたとのこと。それまで軍服に身を固めていた軍人たちは、民間人になって何を着たらよいのか、自分ではうまく決められず、下着からスーツまですべて購入することができるBortonはとても重宝したとか。
さて、映画『The Full Monty』 は、シャツからスーツまで来ているものを着ている衣服をすべて脱ぐ、すっぽんぽんになるという意味で使われています。全く逆の意味にも思えますが、ストリップで”必要とされること”は、”何も身に着けていない状態”ですから、納得できるような気もします。
映画の舞台は、かつては鉄鋼業で大いに栄えたシェフィールド。映画の随所に、スペルに忠実に発音する北部英語訛りの特徴が聞かれます。たとえば、moneyは「モニー」。次のトレーラーで確認をしてみてください。
(あなたがお金を稼ぐ最高の事業って、ストリップのことなのね)
The full monty – Montague Burton