映画『My Name Is Joe』(マイ・ネーム・イズ・ジョー)でスコットランド英語
様々な国や地域の人々の英語に触れていると、その人々が暮らす時代や社会、その背後にある問題、経済や政治、社会的階層や格差社会なについても知る機会に出会います。そして、その中で暮らす人々が話す言葉は、彼等が属する社会的環境にも密接に結びついていることがわかることがあります。
ケン・ローチ監督の『My Name Is Joe』は、どのような時代を描き出そうとした作品だったのでしょうか。ケン・ローチ (映画作家が自身を語る) (グレアム フラー著)の中に次のような説明がありました。
私達が感じたのは、攻撃的なサッチャーの政策が万人にもたらした人間的な窮状のすざまじい犠牲を、私達は本当にスクリーンに投影していなかったことだ。(略)私達は1980年代の初めに、何が起きているかを十分に示す作品をつくらなければならなかったんだ。しかし、私がやらなかったことは自分でわかっている。この最近の数年間は、そのことを正す試みだったように思う。
この映画が撮影さたグラスゴーの地区は、たいへん荒れており、ヨーロッパにおける静脈注射の麻薬使用ではもっとも高い発生率を示していたそうです。多くの人々がそこで最悪の状態に置かれていました。ジョーはアルコール中毒患者でした。映画は、禁酒会でスコットランド訛りで語るジョーの語りで始まります。
My name is Joe and I am not an alcoholic.
俺の名前はジョー、俺はアル中じゃない
俺の名前はジョー、俺はアル中じゃない
I’m no’ stupid.
俺はバカじゃない
One day at a time.
長期戦の覚悟を決めた
I get through it.
やり遂げさせてくれ
My name is Joe and I’m an alcoholic.
俺の名前はジョー、俺はアル中だ
But I’m really glad to be here.
I’m very grateful to be sober.
今日、皆の前で断酒できたと言えて嬉しい
Thank you.
ありがとう