レン・デイトンの『Bomber』(爆撃機)でロンドン英語

Pan-02851 Deighton Bomber 現代イギリス作家のレイ・デイトン(Len Deighton)は、一冊の本のなかで十数回も登場人物が話すアクセントに関するコメントを加えており、それはしばしば精細をきわめているとのこと。(『言葉にこだわるイギリス社会』 (ジョン・ハニー著/高橋作太郎・野村恵造訳)より)

  それは、単にどのようなアクセントで話すのかという説明にとどまらず、登場人物の性格描写や、他の人物がそのアクセントを元にその人物にどのような評価を下しているかとういことまで、知ることが出来ます。  第二次世界大戦を背景にして書かれた『Bomber』(爆撃機)にはどのような表現が使われているのでしょうか。次の場面は、息子の同僚でオレンジOの機長のサミュエル・ランバートのアクセントについて同期の航法士のコッシャー・コーエンとその父親が語るシーンです。

“But if Mr. Lambert is such a fine fellow, why is he not an officer? You tell me he has more experience, medals, and does the same job as your friend Mr. Sweet.”

“Surely you know the English by now, Father. Lambert has a London accent. He’s never been to an expensive school. The English believe that only gentlemen can be leaders.” 「だがもしランバート君がそんなに優れた男なら、どうして将校になれないんだ? おまえの話では、ランバート君は経験からいっても勲章の数からいってもスイート君よりも上らしいし、しかもスイート君と同じように機長なんだろう?」 「おとうさんにはまだこの国のことがさっぱりわかってないんだなあ。アクセントを聞いてわかるようjにランバートはロンドンっ子なんだ。月謝の高い学校に行けなかったんだ。紳士でなけりゃあ人を指揮する身分にはなれないって、イギリス人は信じているんだ」(27p)

 イギリス人がなぜアクセントにこだわるのか、その理由がこんな会話の中からもうかがい知ることができるかもしれません。  同作品はBBCにてラジオドラマとして放送されました。ランバートは、イギリス人俳優のサミュエル・ウエスト(Samuel West)が演じています。登場人物によって異なるイギリス人のアクセントをラジオ番組でもお楽しみください。 BBC4 Bomber by Len Deighton

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