映画『Lord of War』(ロード・オブ・ウォー)でアフリカ英語
ユーリ・オルロフはウクライナからアメリカへの移民。東西の冷戦終結後、ウクライナの兵器庫にあった銃を海外に売りさばくことで、巨万の富を築くようになります。1995年には西アフリカのリベリアへ、2000年はシエラレオネに密売する様子が描かれています。
武器の代金はコンフリコクト・ダイヤモンド、別名ブラッド・ダイヤモンド(血のダイヤモンド)。彼の販売する武器で人々の血が流れ、その支払いにも血にまみれたダイヤモンドが使われていました。
弟のヴィタリーに、ユーリは彼の妻に自分が武器商人であることを言っていないのか、と問われます。
We don’t talk about it.
その話はしない
How many car salesman talk about their work.huh?
車のセールスマンが車の話をするか?
How many cigarette salesman?
タバコのセールスマンもだ。
Both their products kill more people every year than mine.
どっちも銃より多く人を殺すし
At least, mine has safety switch.
少なくともこっちは安全装置がある。
Those guys can live there work at the office.
連中は家に仕事を持ち込まない。
So can I.
俺もだ。
「銃は車やタバコほど人を殺していない。」武器を取り扱う人々が自らの商売の正当性を主張する際に使う理屈の一つなのでしょう。
映画の中では、ユーリーが取引をした銃で、シエラレオネの難民たち女性や幼い子供たちが、次から次へと殺される様子が描かれています。
ユーリーはインターポール(国際刑事警察機構)のジャックに逮捕されますが、すぐに釈放されます。彼を裁くことは、世界最大の武器商人は米国大統領を裁くことに繋がるから、と映画では伝えています。
映画は次のメッセージで終わります。
WHILE PRIVATE GUNRUNNERS CONTINUE TO THRIVE, THE WORLD’S BIGGEST ARMS
SUPPLIERS ARE THE U.S., U.K., RUSSIA, FRANCE AND CHINA.
個人のディーラー以上に武器を大量に供給しているのはアメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国である。
THEY ARE ALSO THE FIVE PERMANENT MEMBERS OF TEH U.N. SECURITY COUNCIL.
この五カ国は国連安全保障理事会の常任理事国でもある。
今まで原則武器輸出を禁止していた日本も、2014年4月、現政権はそれを見直し一定の条件下で輸出を認める方針に転換しました。日本のどんな武器がどこで何のために使われるのか、しっかりと見つめて行かなければならない時代がきました。