ドキュメンタリー映画『Shake Hands With the Devil: The Journey of Roméo Dallaire』(元PKO部隊司令官が語るルワンダ虐殺)でアフリカ英語

shake-hands-with-the-devil-book 映画『Hotel Rwanda』(ホテルルワンダ)や『Shooting Dogs』(ルワンダの涙)にも登場する印象的な人物います。国連平和維持部隊司令官として1994年のルワンダ虐殺に関わったロメオ・ダレール氏です。

 虐殺が行われる中、現地の人々を救うことができないままルワンダを去らざるを得なかった司令官は、その後どのような人生を送ったのでしょうか。2003年本人が書き下ろした手記『SHAKE HANDS WITH THE DEVIL – THE FAILURE OF HUMANITY IN RWANDA』(なぜ、世界はルワンダを救えなかったのか)に詳しく書かれています。また、同書の発刊後、ダレール氏が虐殺事件後再びルワンダを訪れた様子を記録したドキュメンタリー『Shake Hands With the Devil:The Journey of Roméo Dallaire,』も翌年発表されています。

 同書の中で、ダレール氏はルワンダから帰国後の精神状態について下記のように語っています。

(略)私の精神状態はひどく悪化してしまい、そのおかげで、数回の自殺未遂、軍の病気退職、外傷後ストレス障害(PTSD)の診断、数え切れないセラピー治療の繰り返しと大量投薬を経験した。これは今でも日常生活の一部になっている。

 邦題には訳されていませんが、原書のタイトル”『Shake Hands With the Devil”(悪魔との握手)には、彼のどのようなメッセージが込められているのでしょうか。同ドキュメンタリーの中には、ラジオルワンダの質問に答える彼の様子が紹介されています。

There were two occasions, where I met with the interim leaders. 
And when I shook their hands, the hands were cold.
There weren’t cold as temperature.
There were cold as if another body.
Although they had human form, their eyes were not human.
Their eyes were reflecting the most evil that I could ever imagine.
It had been personified, not personification, coming from my religious back ground was the devil.

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私はフツ族過激派のリーダーたちと会う機会が2度ありました。
その時握手をしたのですが、リーダーたちの手がとても冷たかったのです。
体温が低いのではなく、別の生き物のような冷たさでした。
人間の姿をしていましたが、眼は人間のものではない。 これまでに見たことの無い邪悪な光を宿していました。 人間の姿をした別の生き物です。
私の宗教的な価値観で例えれば、あれはまさに人間の姿を借りた悪魔だった のです。

 さらに手記の中で、彼は次のように綴っています。

“I know there is a God because in Rwanda I shook hands with the devil. I have seen him, I have smelled him and I have touched him. I know the devil exists and therefore I know there is a God.”

 私は悪魔と出会い、悪魔の匂いをかぎ、悪魔に触れた。私は、悪魔が存在するのを知っている。だからこそ、神が存在することも分かるのだ。

 神が存在する。地獄を見たダレール氏がその後の苦しみの中から見出すごとができた、今の彼を支えている希望なのかもしれません。

 戦争がいけない理由。それは、「死者のみが戦争の終わりを見る」(プラトン)の言葉の通り、戦争をいったん始めてしまうと終わらせることができないからなのです。目の前の争いが終わったとしても、その後多くの兵士が精神障害に悩まされています。負傷した人々は、一生その傷と共に生きてゆかなければならない。死ぬまで戦争は終わらない。生き残った人々の心そして身体の中に戦争はずっと続いているのです。







 
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