映画『The Commitments』でアイルランド英語

ETCマンツーマン英会話 ダブリンで労働者階級のためのソールバンドを作る。これが映画『The Commitments』のテーマです。

監督のアラン・パーカーは、この映画のオーディションのために同地で活動している100以上のバンドに実際に会いました。さらに、公開オーディションには3000人もの若者たちが集まったとの事。殆どの出演者が演技は初めて。撮影を通して役者として成長して行く過程が、映画のストーリーと重なって、リアリティを感じさせます。ライブ映像は編集、加工なしで本当にライブ撮影を行ったとのこと。映画が後半に近づくにつれて、演奏は迫力をまし、彼らの演奏に心から感動してしまいます。

さて、アイルランド英語の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。『世界の英語を映画で学ぶ』(山口美知代 編著書)には、この映画を題材にしながら次のような説明されていました。

アイルランド英語は大きく二つに分けられるそうです。ひとつは、イングランド英語の影響を受けた南部アイルランド英語、もうひとつはスコットランド英語の影響を受けた北部アイルランド英語。南部アイルランド英語は、ダブリンやその周辺で話されていた英語がアイルランド共和国の大半に広がったもので、イングランド西部、中西部地方からの入植者の英語の影響が強いとのこと。この映画で話されているのも後者の英語だそうです。

「発音」「文法」「語彙」などにそれぞれ様々な特徴がありますが、ここでは同書から「発音」についてご紹介します。

アイルランド英語のわかりやすい特徴的な発音

◎母音
motherなど
母音/ʌ/アは、唇をまるめる母音[ɔ]オに近くなる

bookなど
母音/u/ウの代わりにウー[uː]が用いられることがある

manyanyなど
母音[e]に代わって[æ]エに近いアが用いられることがある

◎子音
thの[θ]が[ʈ]と、[ð]が[d]との区別がなくなることが多い
thintinが同じように発音される
thinktinkのように発音される
nothingは、直前の/ʌ/の音をより口の奥で発音するのと相まってが「ノッティン」のように聞こえます

・/s/が[ʃ]シュとなることがある
stairs(階段)が「ステアーズ」ではなく「シュテアーズ」のようになる

・/l/はいつもはっきりと発音され、母音化されることはない

Well, like…maybe we’re a little white (for that kind of thing.)
(これをやるには俺たち シロ過ぎないか)

I’m black and I’m proud!
(おれは黒人だ。それを誇りに思っている)

予告編のwhiteproudはそれぞれ母音をより口の奥で発音しているためか「ホオーィト」、「プローィド」のように聞こえます。これもアイルランド英語の特徴の一つなのかもしれません。

(*) 参照図書
世界の英語を映画で学ぶ (山口美知子 編著)

 
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