映画『The Angels Share』(天使の分け前)でスコットランド英語

71Dq-83+ZDL._SL1500_ 映画はグラスゴーの警察裁判所のシーンから始まります。主人公のロビー(Robbie)は暴力事件の罪に問われています。先に手を出したのは被害者だが、ロビーの暴力は正当防衛以上。被害者に重症を負わせてしまったとのこと。
 ロビーの弁護士は、彼の生い立ちについて説明します。両親は彼の幼少期に逮捕・服役を繰り返し、家庭環境に恵まれなかったこと。また、少年刑務所を出所して依頼10ヶ月間、本件を除いて問題を残していないこと、恋人とも良い関係を築いていて10日後には父親になること。リアムは重い禁固刑を免れ、その代わりに300時間の社会奉仕活動を宣告されます。
 ロビーの社会奉仕活動を監督指導するハリー(Harry)は、ウィスキー愛好家。ハリーとの出会いによってロビーは、自分が臭覚に人一倍発達しており、ウィスキーの利き分けに優れた才能を持っていることに気がつきます。
 タイトルの『The Angels Share』(天使の分け前)という御伽噺のようなタイトルは、次の台詞がその意味を説明しています。

Now every year about 2 % of the spirit is actually lost.
It just disappears and evaporates into thin air. Gone forever.
It’s what we call the “angels’ share”.
(蒸留所で保存しているウィスキーの樽から)毎年2%中身は減っていく
空中に蒸発してしまうのね
これを”天使の分け前”と呼ぶの

 映画の中でリアムたちが話すグラスゴー英語が特に分かりづらい。また、その英語はグラスゴーの弁護士や裁判官、マンチェスター出身のハリー、バルブレア(Balblair)蒸留所のガイドの女性、ロンドンからきたウィスキー・コレクターなどの英語とは明らかに違うことにも気がつくのではないでしょうか。

 映画の予告編から、その英語を拾ってみました。その英語に違いに注意して聞いてみてください。



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Robbieの彼女、Leonieの父:
Even if you wanted to change, they’re not gonna let you.

地方検察官:
I sentence you to 300 hours of Community Payback.

Leonieの父の子分:
You’d have been safer inside.

Harry:
You’re too late.
Robbie:
I’ve gotta get my hours done, man. Please. Please.

Leonie:
You only get one shot at being a wee baby, Robbie. Just one.

Harry:
This calls for something special.
Robbie:
I’ve never even tasted whisky.
Harry:
This is for Luke. And his old man. Cheers, Robbie.

Unknown:
Harry, where are you taking us?
Harry:
This is my day off.
We’re going to a distillery.
Unknown:
Drink?

蒸留所のガイド Grace:
I need a volunteer. Who’s got a sensitive nose?
What I want you to do is have a little nose of the whisky.
And tell me what you think it reminds you of.
Robbie:
It’s like Christmas cake I had once at my banana’s house.
蒸留所のガイド  Grace:
Well done. Very impressed.

スコッチ講習会の講師:
This whisky is so rare… it is simply beyond price.
But it will come to auction within the next couple of weeks.

ウィスキーコレクターThaddeus:
You’ve got a very good nose. Take my card. Whisky collector.

Robbie:
The sale could raise in excess of a million pounds.

Mo:
This could be our big chance to make money, Robbie.

Robbie:
If I get caught doing anything like that, I’ll get five years at least.

Rhino:
It’s equivalent to having the Mona Lisa in your bedroom.

Robbie:
I cannae get a job. I cannae even get an interview for a job.

Robbieの彼女、Leonieの父:
You don’t get it, do you? It’s too late for you.

Leonie:
I want you to be a real father to my child.

Rhino:
Albert. Come on, mate.

ウィスキーコレクターThaddeus:
It’s a win-win situation. Nobody loses.

ウィスキーコレクターThaddeus:
How much do you want?
Robbie:
I want a job.

蒸留所のガイド  Grace:
Every year 2 % of the spirit disappears into thin air.
It’s what we call the “angels’ share”.

Albert:
Braveheart, ya bastards!

 いつか気がついた特徴は子音のth、tなどの欠落

–  anything like that の that の th と最後の t もなくなって、anything like – ah に聞こえる
– I’ll get five years at least. の at の t がなくなって、five years a- leastに聞こえる
– I can not get a job. のnot がneに変わり、I canne get a job. と発音している

 他には、スコットランドの英語の独特の抑揚と、おそらく口の大きさを余り変化させずに、やや横に開いて喋ることによって生まれる母音の変化の少なさなど。(two percent が、tee peesentに聞こえる)

 最後のアルバート(Albert)の台詞は、ハイランドで警官に不当な職務質問を受け、頭にきた彼がその警官を罵倒しているシーンです。実はこの部分、映画の中ではもっとたくさん台詞があります。実際はなんと言っているのでしょう。

Fucking police, man.
We shall not be moved!
Billy Connolly.
Robert the Bruce.
Braveheart, ya bastards!
Alex Ferguson!
We are the fucking champions!
クソおまわり
俺らは不屈だ
ビリー・コノリー*
(グラスゴー出身のコメディアン)
ロバート一世
(エイシャー生まれ)
「ブレブハート*」 だぞ
(*13世紀末イングランドの侵略からスコットランドの独立のために戦ったウィリアム・ウォレスを描いた映画)
アレックス・ファーガソン
(マンチェスター・ユナイテッドの元監督、グラスゴー出身)
俺らはチャンピオンだ

 スコットランド人がスコットランド人に対して、スコットランドが誇るべき人たちの名前を次から次へと上げていることを不思議に思いました。もしかしたら、これはすべてローランド対ハイランドで見るべきなのかとも思ってしまいました。ただ、アルバートはお馬鹿キャラでもあるので、ここはただただ、笑う場面なのかとも。次回の英会話レッスンで質問してみようと思っています。

 
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