マンツーマン英会話ワンポイント・レッスン~オーストラリア英語のスラングを学ぶ際の注意点を教えてください。
オーストラリアのオパール鉱山が舞台の映画『ボビーとディンガン』を見ていると、意味が分からないフレーズが多数ありました。調べてみると、その殆どがオーストラリア英語のスラングのようです。これらを学ぶ際の注意点を教えていただけますか。
例えば、法廷のシーンで、傍聴者が原告にこのような言葉を浴びせます。
He is guilty, the mongrel.
mongrel は、この場合は悪人という意味で使われています。人を侮辱する非常に悪い言葉です。オーストラリア以外の英語圏では、今はもう使われていない言葉だと思います。18世紀頃にイギリスからオーストラリアに伝わった、とても古い英語表現です。イギリスでは既に消滅しましたが、オーストラリアではまだ使われている言葉のようです。当時、ロンドンのスラムやコックニーの間には、このようなスラングが多数あり、それがオーストラリアに伝わったと思われます。
同じシーンで、下記の様な言葉も使われています。
He is a ratter.
(あいつは盗人だ)
ratの本来の意味は、ネズミですね。地下で生きる汚れた生物というイメージを盗人という言葉に重ね合わせているのでしょう。mongrelと同じように、侮辱的な言葉です。
英語を学んでいる生徒さんには、これらのスラングを使用することは薦めません。でも、耳にする機会はあるでしょう。もし、あなたがmongrelと言われて、意味も分からず thank you などと返事をしてしまっては、それも不適切な対応になってしまうでしょう。もし、そう言われたら、その方があなたの行動に対して、快く思っていないということを理解しておきましょう。