「好き」「楽しい」は語学習得の強力な動機付け。あなたの目的を叶えるために英語を使おう―ロバート先生(八千代台・花見川団地) ETCマンツーマン英会話
―― お生まれどちらですか?
ニューヨーク郊外のコルチェスター(Colchester)です。最初に来日したのは1980年で、その時は2年間滞在しました。その後、1996年に再来日し、それから現在まで20年間日本で暮らしています。
―― 日本語は話されますか?
正直なところ得意ではありません。でも、今お話しているようなレベルであれば、日本語でのコミュニケーションは可能です。
――ある程度日本が分かる先生ですと、初級レベルの生徒さんも安心だと思います。現在、主にどのような方を対象にレッスン方をされているのですか?
ビジネス英語が中心です。しかし、実際は、生徒さんの年齢層の幅は広く、下は1歳6ヶ月、上は85歳まで。教える内容もバラエティに富んでいます。
―― 一般的な日本人の英語のレベルをどう感じていますか?
電車の乗換えがわからなくなり、乗客の方に私が”Can you speak English?”と声をかけたことが何度もあります。答えは100%”No.”でした。それでも、あきらめずに20分程話し続けていると、それが嘘であることがわかります。日本人の方は、私の英語をちゃんと理解できているのです。
嘘をついた理由のひとつは、日本人は非常に内気であること。それはそれで克服する必要があるのでしょう。
他方、英語に関しては言えば、自分の英語に自信が持てない。中学校では、会話ではなく、文法中心に学んでいます。そのような教科書中心の英語の勉強に興味が持てずに、そのうち英語を使う機会もなく、やがては忘れてしまった、ということではないでしょうか。言葉は使わなければ忘れてしまいます。
―― 英語を学んでいる特に初級レベルの生徒さんに、先生からアドバイスはありますか?
あなたが好きなものを見つけてください。そして、それを英語で読んでみてください。あなたが楽しいと思う映画やビデオを見つけてくださ。そして、それを英語で観てください、ということです。
英語であれ他の外国語であれ、それを学ぶためには、動機付け(理由)が必要です。動機がなければ、継続はできません。
その意味で、「好き」「楽しい」は、とても強力な動機付けとなるのです。
英語は「道具」でしかありません。車にたとえるならば、目的地にたどり着くための「機械」です。ガレージに車を止めて、その中に座っていてはいけません。車を運転して移動しなければなんの意味もないのです。英語も同じです。あなたの目的をかなえるために使うのです。
また、週に一回のレッスンだけでは英語の上達は難しいです。レッスン以外にどれだけ生徒さんが時間をかけて鍛錬することができるかが、大切なポイントになります。英語の勉強では、先生以上に「生徒さんの責任」が重いのです。
―― お子さんへの英語レッスンもされているんですね。どのような内容ですか?
はい。子どもへのレッスンは、実はとても忍耐と我慢が必要とされる仕事なので、敬遠する先生も多いのですが、私は大好きです。
レッスンは、リズミックス(rhythmics)と呼ばれるものです。対象は2歳から6歳くらいまで。通常、ピアノ、もしくはCDを使って、音楽を流し、歌いながら、英語表現を使って、お遊戯のようなゲームをするのです。歌は”Ring-a-Ring-o’ Roses”や”ABC”、数え歌、等々。子どもたちは、楽しみながら、何度も遊びを繰り返しているうちに、歌や動作に併せて、英語表現を覚えていきます。また、ボードゲームやカードゲーム、かるたなども使用することもあります。
―― 英語を学ぶためにお勧めの音楽はありますか?
カーペンターズ(Carpenters)、ビートルズ(The Beatles)などはいかがでしょうか。ビートルズのメンバーの話すリバプール英語はとても聞き取りにくいですが、彼らの楽曲にはその訛りは一切ないと思います。また、スウェーデン出身ですがABBAの英語は完璧で、こちらもお勧めです。
―― 今年は日本でもトランプ新大統領の英語を聞く機会が増えそうです。彼は簡単な単語しか使わず、発音もわかり安いので、英語初心者には理解しやすい英語なのかもしれません。他方、品に欠けると感じる部分が多々あり、とても悩ましく思っています。
英語のスピーチを学びたいのであれば、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.)はいかがでしょうか。語彙の選び方が非常に美しく、高尚な英語です。また、彼のスピーチには音楽と言ってもいい、とても心地よい抑揚、リズムがあります。”I have a dream”と言う名台詞を残したスピーチが有名ですが、彼が暗殺される前日に行ったスピーチにも心打たれるものがあります。
▼マーティン・ルーサー・キング・ジュニア / Martin Luther King, Jr. — I’ve Been to the Mountaintop (April 3 1968)
歴代の大統領のスピーチに関して言えば、オバマ前大統領のスピーチにもマーティン・ルーサー・キング・ジュニアに似たリズムがあります。また、レーガン元大統領もスピーチのうまさには定評がありました。
他方、W.ブッシュ元大統領はテキサス訛り、アーカンソー州出身のクリントン元大統領には南部訛りがあり、とても聞きづらい部分があると思います。
―― 最後に先生の趣味を教えてください
音楽は非常に幅広いジャンルを聞きます。カラオケも大好きです。カラオケボックスで歌うよりも、多くの聴衆の前で、歌を通して自分を表現することに、なにより楽しさを覚えます。
好きな小説は、戯曲ですが思い通りにならない人生の悲哀を描いた『Death of a Salesman(セールスマンの死)』(Arthur Miller著)、ネイティブ・アメリカンの悲痛な歴史を綴った実話『Bury My Heart at Wounded Knee (我が魂を聖地に埋めよ)』(Dee Brown 著)などです。
(了)