映画『The three burials of Melquiades Estrada』(メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬)でアメリカ・テキサス英語マンツーマンレッスン
同じアメリカ南部でも、テキサスの英語はその成り立ちの歴史から、他の南部の州とはまた異なった独特の響きがあります。
19世紀の中頃、テキサス英語は主に二つの地域の英語が混ざり合って形成されました。
ひとつは、ルイジアナ、アラバマ、ミシシッピーからの移住者が話していた英語。その特徴の一つ”drawl”(母音を長く引き伸ばして話す)は、東テキサスにその痕跡を残しています。もう一つはテネシー、ケンタッキーの移住者が話していた南中部の方言twang(鼻にかかった鼻声で発音する)。これは西テキサスの英語に非常に大きな影響を与えたそうです。
そして、この二つの英語異なった英語を話す人々が会話を交わし、さらに、スペイン語圏の人々、メキシコ、ドイツ、チェコからの移民人々が加わり、これらの全ての影響が混ざりあって、テキサス英語が出来上がっていったとのこと。
具体的に テキサス英語には次のような特徴があります。
1.母音が消える
三音節から形成される単語の殆どは、真ん中の母音が省略されて二音節になる傾向があります。
例)
Italy = It’ly
Florida = Flor’da,
Johnathan = John’than,
Melody = Mel’dy
2. G音が消える
”ing”で終わる単語の最後の”g”音は、決して発音されない。東部の人の英語と区別される最も分かりやすい特徴の一つのようです。
例)
Fishin’
Cookin’
Readin’
Writin’.
3. L音は無視される
単語の途中に、母音を伴った”L”がある場合は、発音されないか”W’s”に置き換えられる。
例)
Light Bub (Bulb)
Code (Cold) Outside
Caw (Call).
また、”pen”が”pin”、”ten”が”tin”、”get”が”git”のように発音が変わってしまいます。”Do you have a pin?”と言った場合に、”pin”なのか”pen”なのか分からないこともしばしばあるとか。映画『The three burials of Melquiades Estrada』の中で不動産のセールスマンを演じる、テキサス在住のRodger Boyceの話し方も、典型的なテキサス英語の一つのようです。
Mike Norton:
“How much this house cost?”
Salesman (Rodger Boyce):
“Sixty thousand dollars. But if you’re really interested, I can git (get) you a tin (ten) percent discount. I think”
省略されたり、音が変化したり。ネイティブスピーカーは、私達が学校で習った通りには英語を発音してくれていないようです。海外に行って英語が理解できないのは、当然なのかもしれません。でも、こんないくつかの特徴を抑えておけば、生きた実践的な英語が分かるようになってくるかもしれません。
▽『The three burials of Melquiades Estrada』 trailer
(※)参照サイト
Do you speak American – Drawl or Nothin’
Texasisms: A Glossary of Texan