『Wuthering Heights』(嵐が丘)でヨークシャー英語

p14199_d_v7_aa ヨークシャー生まれのエミリー・ブロンテ(Emily Brontë)の長編小説。物語の舞台はヨークシャーの荒野です。

  召使のジョセフ(Joseph)が話すきついヨークシャー・アクセントはそのまま小説の中に文字として表現されています。この訛りはイギリス人にとっても理解しずらいものらしく、彼の台詞の部分のみを標準英語の位解説したサイトもありました。ヨークシャー訛りがいかに難しいものなのかということが、こんなことからもうかがい知れます。

 JOSEPH’S SPEECH

 Audio Bookでも、ジョセフの台詞はそれなりに雰囲気をだして読んでいるようです。また日本語訳でも、彼の訛りが伝わるような日本語で表現されています。代表的な英文学でヨークシャー・アクセントの響きを味わってみてください。




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Chapter 2

‘What are ye for?’ he shouted. ‘T’ maister’s down i’ t’ fowld. Go round by th’ end o’ t’ laith, if ye went to spake to him.’
‘Is there nobody inside to open the door?’ I hallooed, responsively.
‘There’s nobbut t’ missis; and shoo’ll not oppen ‘t an ye mak’ yer flaysome dins till neeght.’
‘Why? Cannot you tell her whom I am, eh, Joseph?’
‘Nor-ne me! I’ll hae no hend wi’t,’ muttered the head, vanishing.

‘What do you want?’ he shouted. ‘The master’s down in the fold [sheep pen]. Go round the end of the barn if you want to speak to him.’
‘Is there nobody inside to open the door?’ I hallooed, responsively.
‘There’s nobody but the mistress, and she’ll not open it for you if you make your frightening din [noise] till night.’
‘Why? Cannot you tell her whom I am, eh, Joseph?’
‘Not me. I’ll not have anything to do with it,’ muttered the head, vanishing.

(標準英語訳部分:The Reader’s Guide to Wuthering Heights)

「何の用だね?」と彼は叫んだ。「旦那は羊小屋だ。旦那に用があるんなら、納屋のはじを回っていきなされ」
「戸をあけてくれる人は中にいないのかね?」とぼくが思わずどなり返した。
「奥さましかいねえ。おめえさんが晩までがたがたやったって、あけてうれる気づけえはねえ」
「なぜだい? ぼくの来たことを奥さんに話してくれないか、ジョーゼフ」
「やなこった! わしの知ったことではねえ」そうつぶやいて首を引っこめてしまった。

(日本語訳部分:嵐が丘(上) (岩波文庫) 文庫 – 河島 弘美 (翻訳)より)

 
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