映画『The Ladykillers (レディ・キラーズ)』で南部アメリカ英語マンツーマンレッスン
映画『The Ladykillers』の舞台はミシシッピ州。同州を流れるミシシッピ川が、この映画では重要な役割をはたしています。「全ての顛末をこの川が見ていて知っているのだ」、そんな描かれ方です。ミシシッピ州出身のノーベル賞作家、ウィリアム・フォークナーはこの川をこう表現しています。
「十年後のある日に、主人を蹴飛ばす日を夢見て、辛抱強く仕えるラバのようなもの」
その言葉どおり、ミシシッピ川は1927年の洪水では690万ヘクタールを水面下に沈め、近年では1993年にも30年に一度という大洪水がこの地域を襲っています。ミシシッピは先住民の言葉で「水の父」。自然の力に対する尊敬の念、大自然の驚異に対する畏怖のようなものを感じます。この川を家畜のラバに例えたフォークナーの言葉と比較しても、その違いが感じられて興味深いです。
”y’all”は南部英語の象徴的な表現。you allのくずれた発音で、「ヤオール」とか「ヨール」と聞こえます。映画のタイトルの”Lady”にあたるマンソン夫人が何度も”y’all”を使っています。最初の二つは映画の予告編映像でも確認することができます。
▽『The Ladykillers』trailer
あなたたちはヒップホップを演奏するんじゃないだろうね。
– Just thought I’d leave y’all with some cinnamon cookies.
みんなにシナモンクッキーでもどうかと思ってね。
– Ooh, y’all sound good!.
みんな演奏が上手だね。
– I want you to get your fannies up here with all y’all‘s period instruments.
全員その年代ものの楽器をもってあがってきてくれ。
– And I won’t call the police if you give back the money and y’all go to church with me next Sunday.
警察は呼ばないよ。ちゃんとお金を返して、あなたたちみんなが日曜協会に行くならね。
▽ミシシッピー州
(*)参考図書
『アメリカ南部 大国の内なる異郷』 (ジェームズ・M・バーダマン 著)