TED、プロから学ぶプレゼンテーションの秘訣~Naomi Klein
良いプレゼンテーションを行うために準備する6つのこと。ETCマンツーマン英会話のダイアン先生から教えていただいた、そのポイントの1つは”Deliver your message”。
あなたの大切なメッセージを聴衆にしっかりと伝えるにはどうしたらよいのでしょう。
ナオミ・クライン(Naomi Klein)さんは、カナダのジャーナリスト、作家、活動家。TEDの講演では、タールサンド(油砂)の計り知れない環境破壊について警告を発しています。日本がこれから脱原発社会の実現へと向かう中で、原発の代替エネルギーが、タールサンドのような新たな環境破壊を引き起こすエネルギーであってはなりません。ナオミさんのお話は、エネルギー問題を地球レベルの視点で考えるきっかけをもたらしてくれます。
人間が環境を破壊すれば、そのことは回りまわっていつか必ず人間に還ってくる。このことをナオミさんは、さまざまな言葉に置き換えて伝えようとしています。地球が唯一人類が住める場所であることを知っている人、自業自得ということわざを信じる人、作用反作用という物理学の法則を理解している人、カルマという仏教の考えを信じる人。さまざまな判断指標や価値観を持った人々の心に訴えかけるように、さまざまな言葉に置き換えて、話を締めくくっていることが、ナオミさんのスピーチをとても力強いものにしていると思います。
(スピーチのクロージングより)
We badly need some new stories.
私達にはどうしても新しい物語が必要です。
We need stories that have different kinds of heroes, willing to take different kinds of risks.
今までとは異なったタイプのリスクが取れる、今までとは異なったタイプのヒーローが登場する物語です。
Risks that confront recklessness head-on,and that put the precautionary principle into practice, even if that means direct action.
目の前の危険に対して感心を払わないという特性に立ち向かい、将来起こりうる危機を未然に防ぐという原則に基づき、具体的な行動を起こすリスクです。たとえ、それが直接的な行動を意味するとしても。
Like the hundreds of young people willing get arrested blocking dirty power plants, or fighting mountain top removal coal mining.
逮捕されることを厭わず、環境を汚染する発電所に座り込みをしたり、山頂を削り取る石炭採鉱に抗議をしている、数百人もの若者達のように。
We need stories that replace that linear narratives of endless growth with circular ones that remind us that what goes around comes around.
際限のない右肩上がりの成長から、自分が行ったことは必ず自分に還ってくるということを思い出させてくれる循環成長に変換して行く物語です。
That this is our only home.
ここが、私達が唯一住める場所であるということを思い出させてくれる物語です。
There is no escape hatch.
避難用ドアはありません。
Call it Karma.
カルマ(業)と言ってもいいでしょう
Call it Physics: action and reaction.
物理学の「作用、反作用」と言ってもいいでしょう。
Call it precaution: the principle that reminds us that life is too precious to be risked for any profit.
予防措置と言ってもいいでしょう。どんな利益であろうとも、危険にさらすには命はあまりに尊すぎる。
そのことを私達に思い出させてくれる物語が必要なのです。
[参考語彙]
recklessness:危険にたいしてほとんど考えない特性
precautionary:予防の、起こりうる危険や失敗に対して防御するために先取りする
principle:(ものがよって立つ根本的な)原理,原則.
what goes around comes around:自業自得、(因果応報)
precaution:予防措置
(※)関連リンク
下記のサイトに同スピーチの元原稿(英文)がご覧いただけます。
http://www.naomiklein.org/articles/2010/12/on-precaution