英語上達の秘訣は、映画でもテレビドラマでもサッカーでも興味のあるテーマを見つけて徹底的に楽しむこと~アシュリー先生(目白) ETCマンツーマン英会話

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IMG_8276ETC: 先生は今までに約50カ国に行かれたことがあるそうですね。

アシュリー先生: はい、たくさんの国を旅しました。

ETC: 最初に日本にいらっしゃったのはいつですか?

アシュリー先生: 2001年、この時は一泊しただけでした。次に来日したのは2015年で2週間滞在しました。そして現在は、来日してちょうど1年がたちました。

これまでに実際に居住したことがあるのはオーストラリアと香港、そして日本です。南アフリカ、タイには、それぞれ7ヶ月間ですが長期滞在していたことがありあす。タイでは英会話を教えていました。

日本に来る前の10年間は、ロンドンの中心部に住んでいました。生まれはロンドン郊外です。両親はアイルランド人。子どもの頃は必ず年に2回、それ以降も何度もアイルランドを訪れています。

ETC: 好きなスポーツは?

アシュリー先生: 冬はフットボール(football)。イギリスではサッカー(soccer)のことをこう呼びます。そして夏はクリケット(cricket)です。

ETC: クリケットは夏のスポーツなのですね?

wikipedia より

wikipedia より

アシュリー先生: クリケットはボールを地面にバウンドさせてプレーするので、固いグランドが必要です。太陽が照りつけて乾いた固い土でなくてはならず、冬のような雨が降りやすい天候ですと競技ができないのです。インド、オーストラリア、南アフリカなどの暑い国でクリケットがさかんなのは、このような気候も関係しているのかもしれません。

なじみのない人にはクリケットは奇妙なスポーツに思えてしまうかもしれません。とてもゆったりしたペースで、試合は5日にわたって行われます。このスポーツの全体を通して流れている思想は「ただただリラックスして楽しむ」ということ。他のスポーツほど好戦的だったり、競争的だったりすることはありません。つまり「紳士のスポーツ」だということです。

ETC: タイ人の方に英語を教えた経験があるとのこと。日本人の生徒さんとの違いをどのように感じていらっしゃいますか。

IMG_8201アシュリー先生: 日本人の生徒さんは、リーディング、ライティング、そして文法など英語力の基準となるレベルが非常に高いと思います。

一方、日本人はもっと会話する機会を増やす必要があります。実際に非常に高い英語の能力を持っている方でも、それを使おうとしない方が多い。英語で話す機会を増やし、経験を積み重ねることで自信をつけていく。そうすることで、上達のスピードがいっそう速くなると思います。

ETC: 現在日本には海外からの観光客も増え、道案内など話す機会なども増えてきているようです。一方、相手の外国人の言っていることが全くわからなかったという話もよく聞きます。

アシュリー先生: 英語には、本当にたくさんのアクセント、訛りがあります。ですから、できるだけ多くそれらの英語に触れる体験をすることが重要になります。また、英会話学校で聞き慣れた先生の英語とは異なり、ネイティブスピーカーの話すスピードはとても早いです。

これを克服するために私がお勧めするのが、英語のテレビ見たり、ラジオを聞くこと。テレビは字幕付でもかまいません。とにかく英語に慣れることが大切です。

IMG_8286また、英語には大きく分けて、仕事などで使う丁寧な言葉遣いのフォーマルな英語と、普段の生活の中で使うくだけた言葉遣いのカジュアルな英語、そして特定の階層や社会だけで用いる言葉、スラングがあります。

スラングに関しては、実際の会話で必要とされることはほとんどないので、興味深くはありますが、学ばなくてもよいと思います。しかし、カジュアルな英語はコミュニケーション上絶対に必要となります。

仕事のときに使っているフォーマルな英語を、友人との普段の会話の中でそのまま使うと不自然で、「なんでそんなしゃべり方してるの?」といぶかしがられてしまうかもしれません。

カジュアルな英語の特徴のひとつは、フォーマルな英語とは語彙が違うこと。短縮化された言葉がよく使われます。アメリカやオーストラリアはそうでもありませんが、イギリスはその傾向が強いです。

たとえば、

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といったように、”university”(大学)とフルで言わずに、”uni”と短縮します。

それと、

sat nav

とは、何のことかわかりますか?

ETC: サット・ナァフ(sat nav)? 全くわかりません。

アシュリー先生: ”sat nav” は、“satellite navigation”、衛星ナビゲーションのっことです。

ETC: 市場調査会社OnePollが女性5千人に対して、「世界で最もセクシーなアクセントは?」という調査を行ったところ、1位はアイルランド人のアクセントでした。ただ、アクセントそのものがセクシーと言う理由だけでなく、そのアクセントからイメージされる有名人、俳優のコリン・ファレル(Colin James Farrell)などの人気がその要因となっているのではという分析も発表しています。

世界で最もセクシーなのはアイルランド訛り

アシュリー先生: 私の両親はアイルランド人ですが、確かにアイルランド・アクセントは存在します。しかしそれは一つではありません。10余りのアイルランド・アクセントが存在して、それぞれがかなり違うのです。

ダブリン市(Dublin)には、北と南で異なる2つのアクセントがあります。ベルファスト(Belfast)も異なったアクセントを話します。西アイルランドのコノート(Connacht)も、アイルランド南部のケリー(Kerry)にも独特のアクセントがあります。

おそらく、コリン・ファレルのアクセントがセクシーなのではなくて、彼自身がセクシーなのでしょう。彼以外にも、アイルランド出身の俳優、特に有名な男性俳優は多いですね。リーアム・ニーソン(Liam Neeson)、ガブリエル・バーン(Gabriel Byrne)、ピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)など。それぞれのアクセントを聞き比べてみてはいかがでしょう。

また、現在もフランス・アクセントの英語はイギリスでは人気だと思います。あまり聞きなれない異国の響き、エキゾチックな話し方が、ミステリアスなイメージを醸し出すのでしょう。

一方、ドイツ、オランダ、スカンジナビアのアクセントがよいという話はあまり聞かないかもしれません。もちろん、あなた自身がどこの出身かによっても好みは違うと思います。

現在もヒュー・グラント(Hugh Grant)のブリティッシュ・アクセントが、米国の女性に人気です。とてもポッシュな(posh:上流階級気取りの、上品ぶった)アクセントで話します。

ETC: サッカー選手で元マンチェスター・ユナイテッドのディビッド・ベッカムは、かつてロンドンの下町訛りで話していましたが、ポッシュ(posh)な英語に変ったという記事を読んだことがあります。

Beckham(ベッカム)の英語が変わった?CockneyとMockney

アシュリー先生: 彼はもともと声質がとても変っていました。ハンサムな見かけには似つかわしくない、非常に高く、弱弱しく、キーキーいうきしむような声でした。おそらく彼は発声矯正を行ったのだと思います。

ETC: 発声矯正というのはイギリス人の間では一般的によく行われることなのですか?

アシュリー先生: イギリスではアクセントで、出身地やどの社会的階層に属していたのかまでがわかってしまうということがあります。それを防ぐために、特に男性よりも女性の方がこの発声矯正を行う場合が多いようです。

IMG_8261たとえばご主人が社会的に裕福になり、そのご夫人が以前よりも社会的に人前に出る機会が多くなった場合に、そのご夫人の方が発声矯正を受けることがあるようです。

私自身にはロンドン・アクセントがありますが、両親がアイルランド人なのでそれほど強くはありません。

また、ニューキャッスルなど北東イングランド地域やそこの出身者のことを、ジョーディ(Geordie)と呼ぶのですが、彼らのアクセントも非常にわかりずらい。スコットランドの隣という地域的な要因もあるのでしょう。半分英語で半分スコットランド語というイメージです。

ETC: ジョーディの有名人には誰がいますか?

アシュリー先生: 日本では、余り知られていないと思いますが、歌手のシェリル・コール(Cheryl Ann Cole)です。前夫はアシュリー・コール(Ashley Donovan Cole)という元イングランド代表のサッカー選手。とても美しくてスタイルも抜群、オーディション番組Xファクターの審査員を務め、アメリカ進出を果たした。しかし、彼女のアクセントがアメリカではほとんど理解されず、不評に終わりました。




ETC: アメリカ人でもわからない英語があるということ自体、英語には様々なアクセントがあることの証拠の一つですね。あらためてこのようなリアルな英語に触れるにはどうしたらよいのでしょうか。

アシュリー先生: 私は英語のテレビドラマを見ることをお勧めしています。たいせつなのは好きなドラマを見ること。好きであれば見続けることができるからです。字幕つきでもかまいません。

今、女性の方にお勧めしているは、NHKなどで放映された『ダウンタナベー』です。

ETC: 「だうんたなあべー?」

(※理解できていない様子を察した先生は、「こんなとき便利なんです」と言って、スマートフォンで画像検索をして見せてくれまました。それは『ダウントン・アビー』でした。”Downton Abbey” の”n”と”A”が連結して、「Downtonabbey」(ダウンタナベー)と発音されていたようです。まさにこれもカジュアルな英語の一例なのかもしれません)

男性の方にはインターネットTV等でも視聴できる『ゲーム・オブ・スローンズ』(Game of Thrones)です。

『ゲーム・オブ・スローンズ』は、いま最も人気のあるテレビドラマの一つ。その半分が北アイルランドで撮影され、多くのイギリス人俳優が出演しています。今ちょうどシーズン7が終わったところです。

1シーズン10エピソード程ありますので、全部見るとすれば約70時間必要です。もし『ゲーム・オブ・スローンズ』にはまれば、1日1話見て2ヶ月合計70時間は英語にどっぷりと漬かることができます。

ポイントは自分が楽しめるかどうかです。もしサッカーファンであれば、サッカーに関する本を読んでみるのもよいかもしれません。

ぜひ自分が楽しめる題材を見つけてください。そして、それを見つけたらとことん楽しんでください。楽しむことをあきらめないでください。

ETC: 今日は興味深いお話、素敵なアドバイスをありがとうございました。

 
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