一枚の写真が世界を変える?

Can, should one picture change a whole goverment’s plan?
(一枚の写真が政府の全計画を変えられるか、変えるべきか)

9月3日、欧米、そして中東で発行された多くの新聞の一面は、ある一枚の写真で埋め尽くされました。

クルド人の三歳の男の子の遺体が、赤いTシャツに半ズボン、そして靴を掃いたままうつぶせの状態で、トルコの海岸に打ち上げられていた写真です。

男の子の名前はアイラン・クルディ君。

トルコ国境の町、シリアのコバニで暮らしていました。

しかし、彼の故郷がイスラミック・ステイトに占拠されてしまうと、そこから逃げギリシャに非難するためボートに乗り込みました。

ボートには、5歳になる兄と両親、そして他の難民が一緒でした。

ところが、ボートが海に出たとたん数分で高波により舵を失い転覆。父親だけが生き残りました。

Migrant crisis: UK will fulfil moral responsibilities – PM

イギリスは、シリアの内戦が始まって以来、およそ5千人のシリア人難民を受け入れていますが、そのほとんどはイギリスに不法に入国した人たちで、シリア周辺国の難民キャンプから正式にイギリスに受け入れられた難民はわずか216人にとどまっているそうです。

アイラン君の遺体の画像が広がると、キャメロン政権に対し、より積極的な難民支援策を求めるイギリス世論の風当たりが強まり、今後5年間で最大2万人のシリア難民を受け入れる考えを明らかにしています。

しかし、シリア周辺国の難民キャンプ収容者が対象。

EU圏内に入った難民は、「(彼らの多くは)海を渡ってきており、危険な密航を促すだけだ」と訴え、受け入れない方針は崩しておらず、EU各国の批判を浴びる可能性もあるそうです。

さて、日本ではシリア人難民の受け入れはどのような状況なのでしょうか。

日本には現在、400人以上のシリア人が暮らしており、うち60人以上はすでに難民申請を行っているそうです。

もともと、留学やビジネスで日本に滞在していたところ帰れなくなった人々や、安全を求めたまたま日本にたどり着いた人など背景は様々とのこと。 しかし、日本で難民認定を得られた人はわずか3人だそうです。

以前、ETC英会話で教えていたルシア先生は、難民問題に係わる活動をされていらっしゃいました。

当時、先生はインタビューに答えて、次のような指摘をされていました。

「以前私は日本の難民問題についてあまり詳しくありませんでした。

アムネスティの他のボランティアの方から教えていただたり調査をしたりして、日本の難民制度についての詳細を知ることができました。

現時点で日本は、難民の受入数が残念ながら予想以上に少ないのです。日本は国外のODAには多くの貢献をしていますが、国内の難民問題に対しては非常に小さいということはたいへんな驚きです」

“Also, I didn’t know so much about the refugee system in Japan before, so I thought it would be a good opportunity to gain an insight into how it works.

Since I started getting involved, I learned many new things from other Amnesty members and volunteers, and I found out what the main problem areas are.

It’s actually unexpectedly limited. I found out that there are very few refugees in Japan that become officially recognized by the Japanese government.

Unfortunately, Japan hasn’t really been open to refugees, even though its contributions in form of ODA to countries outside of its territory are high.

It’s quite a paradox that for refugees within its territory, they are actually doing very little.

So, participating in Amnesty’s activities has been very stimulating so far.”

ルシア先生インタビュー

日本で暮らす私達は、この問題にどのように向きあうべきなのでしょうか。

アイラン君の写真が、そのことを考えるきっかけを与えてくれているのかもしれません。

※参考サイト
「シリア難民男児、父が明かした最期 カナダで追悼集会」

「シリア難民はいま」

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