ネイティブスピーカーは”Fine, thank you!”とは言いません – トム先生(中目黒/渋谷) マンツーマン英会話
Q:お生まれはどちらですか?
今年、記録的な寒波に襲われたシカゴです。かなり厳しい気候のようで心配しています。日本の冬も今年は寒いと言われていますが、私の生まれ故郷とは比較になりません。
Q:シカゴはどのような街なのでしょうか。
とにかく大都市です。たくさんのミュージアム、そしてスポーツチームがあります。バスケットボールのChicago Bulls(シカゴ・ブルズ)、アメリカン・フットボールのChicago Bears(シカゴ・ベアーズ) 、野球はChicago Cubs(シカゴ・カブス)とChicago White Sox(シカゴ・ホワイトソックス)、アイスホッケーはChicago Blackhawks(シカゴ・ブラックホークス)があります。有名な建築家Frank Lloyd Wright(フランク・ロイド・ライト)のすばらしい建造物も数多くあります。
Q:興味深いです。シカゴの街の雰囲気が分かるようなドラマはありますか?
一番有名なのはミュージカルの『Chicago』です。また、少し古いドラマですが『ER緊急救命室』はシカゴが舞台です。10年前「シカゴ出身です」と言うと、「あの『ER』のシカゴですか?」と羨ましがられたものです。最近では、私は見たことがないのですが『Chicago Fire』というシカゴの消防士の物語を描いたテレビドラマがあるようです。
Q現在のご職業について教えてください。
来日してから数年間は中学校で、この約3年間は文京区の高校でフルタイムで英語の教師をしています。
Q:数ある外国の中から、なぜ日本で英語を教えることを選んだのですか?
学生時代から日本の文化に興味がありました。日本文化といっても、最初はビデオゲームやアニメなどでした。ところがそのおかげで日本人とすぐに友達になれたのです。日本の若者であれば殆どの方がゲームやアニメにはまっていたので、共通の話題に困らずあっと言う間に打ち解けることができたのです。
大学卒業の前年、立川の友人を訪ねて1週間ほど日本に滞在したことがあります。彼は私にお決まりの観光スポットなどではなく、普通の日本人が普段日本でどのような暮らしをしているのかを、できるだけ見せてくれようとしてくれました。スーパーで買い物をしたり、晴れた日には公園でお弁当を食べたり、高校の弓道部、剣道部、茶道部などを訪ねたり、アジアレストランやダンスクラブに行ったり。とても興味深い旅でした。
Q:日本の学校で英語を学んでも、海外で英語が通じずショックを受ける人が多いようです。どのようなところに原因があるのでしょう?
日本の英語教育制度に問題があるのではと思います。試験に合格するためだけに勉強をしている。先生が教えていることも、生徒の英語力向上の助けにはならないことだったりします。学校で使用している教科書にも問題が多いと思います。不自然な英語であったり、文法が間違っていたり、ネイティブスピーカーが使わない表現だったり。
Q:何故教科書にそのような誤りがあるのでしょう?
学術研究者によって教科書が編纂されているからです。どんな言語でも学問で使われる言葉と、私たちが日常生活で使う言葉には大きな違いがあります。
また、日本で暮らす人々は、基本的な会話でさえも外国人と実際に言葉を交わす機会が無いことも原因の一つです。
たとえば、“How are you?” という質問に対して、“Oh I am fine, thank you!”という答え方ですが、ネイティブスピーカーで“I am fine, thank you!”と言う人はまずいないと思います。
そこで、私が生徒に教えているのは、“How are you?”と聞かれたら、必ず“I am fine, thank you!”以外のことを言うこと。“I am OK”、 “I am happy ”、“I am tired”、 “I am sad”、“I am hungry”などなど。“I am fine, thank you!”以外であれば、何でもかまいません。
また、“How are you?”よりも、“how you doing?”の方がより自然だと思います。
Q:最後に先生の趣味について教えてください。
音楽、とくにダンス・ミュージック、イスラエルのゴアトランスが好きです。クラブDJなども何度も行っています。近々作曲にも挑戦しようと思っています。
読書はGeorge R.R. Martin(ジョージ・レイモンド・リチャード・マーティン)の『Game of Thrones』(七王国の玉座)がお気に入りです。現在まで第5部まで発行された長編ファンタジー小説で、『ゲーム・オブ・スローンズ』というテレビドラマシリーズにもなっています。
このドラマのファンの方であれば、これをテキストにレッスンを行っても面白かもしれません。ストーリ自体に引き込まれているわけですから、英語であっても苦にならずに勉強ができます。長編ですから題材に事欠くこともないでしょうし、楽しみながらレッスンが継続できると思います。
[了]