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  「福島第一原発事故」は英語で?
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外国人の方に、日本のことを英語で説明しようとすると、言葉に詰まってしまうことがよくあります。

特に時事問題などは、その出来事に関する重要な語句を、英語で言えないことに、あらためて気づきます。

時事問題の英文キーワードを、入手するお薦めの方法の1つが、外国人特派員協会が主催する記者会見です。

日本で話題となっている様々な分野の様々な方々が会見を行っています。

(先日は”Pen-Pineapple-Apple-Pen”が大ヒットしたピコ太郎さんも登壇していました。)

※PIKOTARO: Why PPAP Takes Over Internet?

気になる語句の英訳は、通訳の方の英語から拾っていけばいいのです。

今回注目したのは、福島第一原発事故により、住み慣れた土地から小学生の娘さんと共に避難を余儀なくされた福島県民の女性と、環境保護団体グリ
ンピース、そして人権保護団体による次の会見です。

※Ulrich, Ito & Matsumoto: Nuclear disaster & related violations of
Women and children’s human rights

震災から6年間、毎年東日本大震災発生日に合わせて開かれてきた首相記者会見ですが、今年は取りやめになりました。

政府関係者によれば、震災から6年となり「一定の節目を越えた」からとのことです。

「節目」とされた現在、被災地はどのような状況なのでしょうか。

今月末、福島第一原発事故のため福島県内の「避難指示区域」以外から逃れてきた「自主避難者」への住宅の無償提供が終了となります。

また、福島県内の4町村に出された「避難指示」を、3月31日には浪江町、川俣町、飯舘村、4月1日に富岡町に対して、一斉解除されます。

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これによって、この4町村から避難していた方々も、4月以降は「自主避難者」と見なされます。3万2千人の方が対象となるそうです。

他方、国際環境保護団体のグリーンピースが、住民の帰還が予定される飯舘村の7軒の居住区において、放射能のモニタリング調査を行いました。

結果は、空間線量は下がっていますが、土壌や山林、子供達が遊ぶ公園などは、充分な除染が行われておらず、未だに高い線量のままだと報告しています。

住宅支援を打ち切られ、生活に困窮しても、高い放射線量による子供達の健康への影響を考え、ふるさとに帰れないという方々が、悲痛な声を上げています。

同会見から「汚染」「除染」「甲状腺がん」「いじめ」など、気になるキーワードを書き出してみました。

参考にしてください。

– The Fukushima Daiichi Nuclear Disaster
福島第一原発事故

– contaminate
(放射能)汚染する

– decontaminate
汚染除去する、除染する

– the huge gender disparity in wage and employment in Japan
日本の賃金、雇用における非常に大きな男女格差

– resettlement
再定住

– Nuclear Disaster Victims’ Support Act
原子力災害被害者支援法

– This act clearly stipulates what the Japanese government is obligated
to do for nuclear survivors of Fukushima accident.
この法律は福島原子力事故から逃れた人々に対する日本政府の義務を明確に
規定している

– We are calling on the Abe government to take immediate action
我々は即座に行動するよう安倍政権に要求する

– the extending housing support
住居支援の延長

– self evacuees from outside of the designated zone
避難指示地域外からの自主避難者たち

– the great human right violation
重大な人権侵害

– huge amount of nuclear wastes
膨大な量の放射性廃棄物(核廃棄物)

– 183 children were diagnosed or doubted as Thyroid cancer
183名の子どもが甲状腺がん、もしくはその疑いがあるとされた

– a lot of bullying for the evacuated children happened in Niigata,
Tokyo and Yokohama
非難した子供達に対するいじめが、新潟、東京、横浜で多数発生している

– We are not saying that people should be forced to stay away or
forced to leave in this moment.
But we are saying that people have the right to choose.
人々が立ち入らないようにさせるべきだとか、移住させるべきだと、私達は現時点
で言っているのではない。
しかし、人々に選択する権利を与えるべきだと言っている。

また、グリーンピースは福島の放射線状況と、原発事故における女性と子どもの人権についてレポートを作成しています。

こちらは、英語版と日本語版が公開されています。両方を読み比べながら、キーワードとなる日本語は、英語版でチェックしていくのにも役立ちそうです。

※参照リンク

報告書『遠い日常:福島・飯舘村の民家における放射線の状況と潜在的生涯被ばく線量』

(英文) No return to Normal: Feb. 2017 – Greenpeace Iitate Case Studies

報告書『格差ある被害: 原発事故と女性・子ども』

(英文) Unequal Impact: Women’s and Children’s Human Rights Violations and
the Fukushima Daiichi Nuclear Disaster

2017/03/10 グリーンピース声明: 政府がまもるべきは、原子力産業ではな
く原発事故被害者の人権ーー東電福島第一原発事故から6年を受けて

(英文) 2017/03/10 Resettlement in contaminated areas steamrolls ahead
as residents mark Fukushima anniversary

 
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