“…whatever?”の意味は
イギリスで今ちょっとした物議をかもし出している絵本があるそうです。
“whatever” (William Bee 著)。
11月5日にテレビ朝日で放送された「マツコ&有吉の怒り新党」で紹介されていました。
主人公の男の子Billyは、とっても気むずかしがり屋。
お父さんが、首の長いキリンを見せてあげても、美しい蝶を見せてあげても、もくもく煙を吐いて走る蒸気機関車に乗せてあげても、歴史のあるお城に連れていってあげても、ビリーはいつもこう言います。
“…whatever”
さて、この”…whatever”とは、どんな意味でしょうか。
その話題について会話をすること自体に気が向かなかったり、相手の話を聞きたくなかったり、全く関心が無いことを示す時に使われます。別の言い方をするとすれば、
“I don’t care”(どうでもいいや) 、
“Who cares?”(どうでもいいよ/俺は気にしない)
“So what?”(だから何?)
などに置き換えることができるようです。
絵本”whatever” の邦題も「だから?」と訳されていました。
ただしこの表現は、使う相手や状況によってはとても失礼にあたるようで注意が必要です。
知り合いのアメリカ人カップルと旅行に行ったとき、彼女が
“What do you want to eat for dinner tonight?”
(晩御飯は何食べたい?)
と尋ねたら、彼が
“Whatever”
(なんでもいいよ/どうでもいいよ)
と答えて喧嘩になっていました。
ネイティブスピーカーが「私だったらこんな使い方をします」と語句の意味を投稿して、その賛否を皆で投票するUrban Dictionaryでも、“Whatever” を調べてみました。
1万4千人が「いいね」と投票した、もっとも多い賛同を得ていた表現が、次のような使い方でした。
“Used in an argument to admit that you are wrong without admitting it so the argument is over.”
(議論においてあなたが間違っていたことが明らかになったが、それをはっきりと認めずに、議論を終わらせてしまうときに使う)
– Man, whatever.
(なあ君、そんなことどうでもいいだろう)
次の使い方は、先に紹介した意味に近いですね。4千8百人が「いいね」だそうです。
“Indifference to what a person is saying! Who cares!;Get a Life!”
(人の話に興味がないこと。どうでもいいよ。いいかげんにしろ
– I am the best in Math because I keep getting straight A’s!
(俺数学が大得意なんだ。だって成績がずっと特Aなんだぜ)
– Whatever!
(その話、どうでもいい。興味ない)
そして、”whatever”を使う際に、相手や状況に注意しなければならないのは、次のようなニュアンスを含んでいるからなのかもしれません。
千5百人の「いいね」と、千百人の「よくないね」があり利賛否は分かれるようです。
A polite and less vulgar alternative to “Fxxx YOU”.
(”Fxxx YOU”を丁寧にちょっとだけ上品にした言い方)
– “Wow, what happened to you? You look like hell today!”
(わぁ、どうしたんだ。今日ひどい顔してるぞ)
– “Whatever”
(うるせー/どうでもいいだろう、そんなこと)
さて、アメリカ人男の子Mario君が、絵本”whatever”を朗読している動画がありました。
途中でお父さんが、”Whatever”のイントネーションを直している場面があります。
まさに「どうでもいいよ」っていう気持ちが伝わってくる言い方です。
Mario君はお父さんの言い方をうまく真似できていません。
※Whatever by William Bee … (read by Mario) …
気心の知れたとても親しい友人が、あなたの興味の湧かないどうでもよい話をし始めたら、”whatever”を一度使ってみてもよいかもしれません。
友人が怒り出す可能性は否定できませんが、その友人のリアクションが”whatever”の持つ言葉の力なのだということで、理解できるかもしれません。
※参照リンク
*urban dictionary で “whatever”の検索結果
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