(wikipedia より)
母の日が米国で最初に祝われたのは1908年。そして、5月の第二日曜日が母の日と制定されたのは1914年、ウッドロウ・ウィルソン第28代米大統領(Woodrow Wilson)の時でした。
他方、父の日が米国で正式に決められたのは、それから遅れること約60年後の1972年。リチャード・ニクソン第37代米大統領によって、6月の第三日曜日を父の日とすることが決められました。
父の日の創始者といわれているのが、ミセス・ソノラ・スマート・ドット(Sonora Smart Dodd:1882~1978)。1910年、ワシントン州スポーカンの教会で母の日の日曜礼拝に参加していた彼女の心に、ふと父の日も祝うべきではないかという考えが浮かんだそうです。
ソノラさんの父親であるウィリアム・ジャクソン・スマート(William Jackson Smart:1842-1919)は南北戦争の退役軍人でした。ソノラさんが16歳の時、彼女の母親は6人目の子どもを出産した際に死亡。それ以降、父は男手ひとつで、ソノラさんと5人の男の子を育てました。
ワシントン州東部の農園で父が苦労していた姿を思い、ソノラさんは父に感謝する日も設けるべきだと考えたそうです。
ソノラさんのこの提案はスポーカンの牧師団とYMCAの支持を得て、実施されることになりました。当初は、彼女の父親の誕生日である6月5日に行われる予定でした。ところが、実施が決まってから3週間しかなかったため、準備が間に合わないという牧師たちの要望で、1910年6月19日(日)に延期されたそうです。
William Jennings Bryan (wikipedia より)
新聞はこの米国初の「父の日」のニュースを、全国に報道。また、雄弁家で政治家でもあったウィリアム・ジェニングス・ブライアン氏(William Jennings Bryan)も、ソノラさんを支援しました。
ところが、父の日は母の日のように、すぐには制定されませんでした。当時米国の議会は全員が男性。男性が父の日を決めるのはなんとなく自分で自分をほめるようで、気が進まなかったというのです。
1916年には、ウッドロウ・ウィルソン米大統領が個人的に父の日を祝い、1924年にカルヴィン・クーリッジ第30代米大統領(John Calvin Coolidge Jr.)は、次のような言葉を政府関係者に送っています。
“the widespread observance of this occasion is calculated to establish more intimate relations between fathers and their children, and also to impress upon fathers the full measure of their obligations”.
「すでに広まっているこの行事は、父親と子どもの関係を緊密にするだけでなく、父親に父親としての自覚をもたらせるのに役立つだろう」
そしてついに、母の日が最初に祝われた1908年から64年もたった1972年に、ニクソン大統領は6月第三日曜日を正式に父の日とすることを決定しました。
母の日が始まったのは100年前なのに対して、父の日の歴史はまだ40年あまり。父の日が、母の日の二の次のように語られるイメージがあるのは、この歴史の浅さが、影響しているのかもしれません。
ということで、今年の父の日は6月17日です。
世界中の父親に感謝を込めて。
(*)参考書籍
『Extraordinary Origins of Everyday Things』Charles Panati著
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同書の翻訳本は3部に分かれています。「母の日」の記述があるのは下記の書籍です。
『いわゆる“起源”について (はじまりコレクション) 』
チャールズ パナティ (著)、バベル・インターナショナル (翻訳)
http://amzn.to/2D0bcEq
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