映画『Nowhere In Africa』(名もなきアフリカの地で)のアフリカ英語
「アジア人」といってもそこには様々な国で生まれ、異なった歴史や文化や宗教をもつ人々がいるのと同じように、「ヨーロッパ人」も、それをひとつのグループとして理解しようとしてはいけないのだ思います。その一方で、このような違いをはらみながらも、深い部分ではたくさんの共通する部分を持ち、そのことが理解できれば、心を通い合わせることができる同じ人間であることも事実です。
第二次世界大戦間近、レドリッヒ家はナチスの迫害から逃れるため、ドイツからケニアへと逃れ、農業を営みながら生きていこうとします。しかし、弁護士である父ヴァルターは、なれないアフリカでの生活を苦痛に思うようになります。やがて、ドイツ人でありながらナイロビにあるイギリス軍の駐留所で働くことを決めます。
やがてドイツは降伏し、1945年5月8日、ラジオからはチャーチル首相の勝利宣言が流れます。
In all our long history we have never seen a greater day than this. Everyone, man or woman, has done their best. Everyone has tried. Neither the long years, nor the dangers, nor the fierce attacks of the enemy, have in any way weakened the independent resolve of the British nation.
我々の過去の歴史の中で、これほどすばらしい日はない。男も女も、すべての人々が最善を尽くしたから、勝利を手にできたのだ。長きにわたり、敵による脅威や卑劣な攻撃を受けてきたが、英国民の不屈の精神は決して打ち砕かれなかった。
我々の過去の歴史の中で、これほどすばらしい日はない。男も女も、すべての人々が最善を尽くしたから、勝利を手にできたのだ。長きにわたり、敵による脅威や卑劣な攻撃を受けてきたが、英国民の不屈の精神は決して打ち砕かれなかった。
終戦後ヴァルターは再びドイツにもどり、弁護士としての仕事を続けることになります。退役を志願する面接で、上官からなぜイギリスを離れるのか、英国人が好きではないのか、と問われます。
Walter Redlich: They, English don’t like me.
(英国人が私を嫌う)
(英国人が私を嫌う)
Colonel: They don’t like me either! I’m Scott.
(私も嫌われてる。私はスコットランド人だ。)
ユダヤ人、スコットランド人、イギリス人、ケニヤ人、いろいろな視点から物事を感じることができるようになることで、人々の理解はより深まってゆくのかもしれません。そして、英語はそのための大切な道具であることは間違いありません。