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火星には
2つの月がある
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March(3月)ということで、その語源でもあるMars(火星)について調べてみました。
“Mars has two moons– Phobos and Deimos. “
(火星には2つの月がある。フォボスとダイモスだ)
※動画:火星 ─ 太陽から4番目の「赤い惑星」 (2021年2月10日、AFP通信)
火星の英語名”Mars”(マルス)は、ローマ神話に登場する軍神の名前にちなんでいます。
火星が赤く燃えているように見えることから、この名がつけられたのかもしれません。
また、”Mars”は農耕の守護神でもあります。
古代ローマ歴では、軍事遠征にも農耕にも適した気候である春の31日間を、”Martius”「マーティアス」(of Mars:「マルスの」という意味)と名付けました。これが英語”March”「3月」の語源です。
そういえば、動詞の”march”には「行進する」「進軍する」という意味もありましたね。
”martial”は「軍隊の、好戦的な、勇ましい」という意味。
これも、”martialis”(ラテン語で「マルスに属する」という意味)に由来しているそうです。
火星の周りを回る2つの月、”Phobos”(フォボス:「敗走」の意)と”Deimos”(ダイモス:「恐怖」の意)は、いずれもギリシャ神話に登場する”Mars”の双子の息子の名前から命名さされています。
不倫相手の女神”Venus”(ヴィーナス)との間に生まれた子どもたちです。
二人とも神話の中で主役級の役割を果たすことはありませんが、父”Mars”のお供で戦場へ行く姿が描かれています。
「火星」を表す惑星記号「♂」は軍神”Mars”の槍をモチーフにしたもの。そして、「金星」である女神の”Venus”は手鏡を持っていたことから「♀」が惑星記号になったとのこと。
その後、スウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネ(Carl von Linne)が、”Mars”を男性の象徴、”Venus”を女性の象徴として考えたことから、これらの惑星記号が性別を表すマークとして使われるようになったそうです。
他方、「水星」「金星」「火星」「木星」「土星」という呼び名は、ローマ・ギリシャ神話とは全く関係なく、古代中国で考えられた五行説によるもの。
五行説とは、自然界に存在する全てのものを、「木」「火」「土」「金」「水」の五要素に分類する思想です。天地万物全てが、この五要素にあてはまり、お互いに影響しあっているとしています。
五惑星にもこの要素が当てはめられました。
※惑星の名前はどうやって付けられたのですか (国立科学博物館)
2021年2月18日、米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance(パーサビアランス:「忍耐」「忍耐力」の意味)」が火星着陸に成功しました。
パラシュートを開いて着陸する映像や、火星上で吹く風の音を、ニュース等で視聴された方も多いと思います。
「Perseverance」が打ち上げられたのは、2020年7月30日。半年余りをかけて4億7000万キロを旅して火星にたどり着きました。
でも、この時期に火星に辿り着いたのは米国の探査機だけではありません。
中国国家航天局(CNSA)が昨年7月23日に打ち上げた「天文1号」も、2月10日火星を周回する軌道に入りました。
また、アラブ首長国連邦の火星探査機「HOPE(ホープ)」は、昨年7月20日に日本のH-IIロケットによって鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、2月10日に無事火星の周回軌道に投入されたことが確認されています。
日本は2024年に火星の2つある月のうちのひとつ、”Fobos”に探査機を送る計画だそうです。
※火星衛星探査機、24年打ち上げ JAXAが計画発表 (2020年2月21日、日本経済新聞)
興味深いのは、火星の月は地球の月と異なり、球体ではなく、ジャガイモもしくは長芋のような形をしているように見えることです。
ご興味のある方は下記のURLで写真がご覧になれます。
“the red planet”(赤い惑星)とも呼ばれる火星ですが、火星の夕焼けが青いことはご存じでしたか?
火星の大気が薄いことと、「ミー散乱」という光の散乱が影響しているとのことです。詳しくは下記のURLをご参照ください。
※火星の夕日はなぜ青いのか (金沢こども科学財団)
この1年余り外出もままならない日々が続いています。その一方で人間が作ったロケットは地球から飛び出して、宇宙を旅しています。
空を眺めながら、火星の青い夕焼けに思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。
(※)参考図書
『ギリシア・ローマ神話を知れば英語はもっと上達する』(西森マリー著)