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英語で笑う方法
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英語で冗談を言って皆を笑わせたい。
そんな楽しい目標を持って英会 話を学んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
英語のジョークにはどんなものがあるのかを、英米のスタンドアップ・コ メディアンの動画などをチェックしてみました。
ところが、英語の意味はわ かっても、それがなぜおかしいのか理解できないことがあります。
それは、文化・宗教・歴史的な背景や価値観、考え方の違いであったり、 特定の社会のみに知られている出来事を題材にしていたりと、理由は様々あ りそうです。
そもそも、なぜ人は笑うのでしょうか。
欧米のスタンドアップ・コメディ アンの多くが、口に出したりしてはならないとされているタブーに対して、 比喩や言い回しや言い換えなどで、直接言わずとも、ぎりぎりのところまで 挑んだり、もしくはタブーとされる言葉そのものを口に出して、笑いを取っ ている場面によく遭遇します。
では、なぜそれがタブーとされるのか。
それは特定の人やものを傷つける 言葉であるからという場合もあるでしょう。
また、強い力を持つものたちや 大多数を占める人たちへの配慮、また世の中の大きな潮流への帯同だったり する場合もあるのかもしれません。
他方、そのタブーとされる中で、まるで存在していないかのように覆い隠 され、封じこめられた人々や事柄が、コメディアンの「タブーへの挑戦」と いう勇気とエネルギーによって解き放たれたとき、「よくぞ触れてくれた」 という喜びとともに、聴衆に笑いが生まれてくるのかもしれません。
アイリッシュ系アメリカ人のGeorge Carlin (ジョージ・カーリン)は、ア メリカの政治や社会を痛烈に批判する笑いで人気を博したコメディアンです。
いわゆる「放送禁止用語」とされる7つ言葉に関して、「こんなに大切な言葉 をどうして使っちゃいけないのだろう」等の問いかけから始まるネタ「The Seven Words You Can Never Say on Television」を含んだ、彼の独演会を納 めたレコード「Class Clown」も、発売当時の1970年代前半は大変な反響となっ たとそうです。
そんなCarlinが、”Proud to be an American.” (アメリカ人であることを 誇ろう)という標語をつけた車を見つけたとして、そのフレーズに疑問を投げ かけるネタがあります。
I could never understand ethnic or national pride.
Because to me pride should be reserved for something you achieve or attain on your own, not something that happens by accident of birth.
Being Irish isn’t a skill, it’s a fxxxin’ genetic accident.
You wouldn’t say ‘I’m proud to be 5’11”.
I’m proud to have a predisposition for colon cancer.
So why the fxxx would you be proud to be Irish, or proud to be Italian, or American or anything?
「民族的、国家的誇りというものを私は全く理解できない。
なぜなら、私にとって誇りとは、人が何かを達成したとか、自分自身の力で 何かを成し遂げたことに対して持たれるものであって、たまたまそこに生ま れたことで、もたらされるようなものではないからだ。
アイルランド人であることは能力なんかじゃない。
ただの遺伝子事故だ。 私が身長5’11”(180cm)あることも、大腸がん体質であることも、私は誇 りはしない。
なんでアイルランド人、イタリア人、アメリカ人であることを誇れるんだ」
そして、Carlinはねたの最後を次のことわざで締めくくります。
Hey, if you’re happy with it, that’s fine.
Do that.
Put that on your car.
“Happy to be an American.”
Be happy.
Don’t be proud.
Too much pride as it is.
Pride goeth before a fall.
「そのことが幸せというならそれは結構ことだ。 それを車に貼ればいい。
「アメリカ人で幸せ」と。
でも、「誇り」には思うな。過剰な誇りはこのことわざのとおりになる」
“Pride goes before the fall”
「慢心は失敗の原因である」
会場は拍手喝采、笑いの渦となります。
Carlinのメッセージは、大きくう なずける言葉が溢れていますが、他方どうしてこれが聴衆の大爆笑を誘うの でしょうか。
アメリカ社会の民族的な背景は勿論ですが、コメディアンとしての言葉の テクニックもあるのかもしれません。
次回のレッスンではスタンドアップ・コメディ等の動画を題材にして、先 生とディスカッションしてみてはいかがでしょうか。
と言うことで、「笑う門には福来る」。
2018年も良い年でありますように。
▽ジョージ・カーリン「プライドは自分の成果に対して持つ物」【字幕】
“Proud to Be an AmericanCarlin”を含むCarlinの独演会の音声はアマゾンで もダウンロードできます。”It’s Bad For Ya”の24番目に収録されています。
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